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メルへニカリーグベースボールの年間スケジュール

【メルリーグの日程】


 メルリーグは年間160試合あり、1コマ20試合に分けることが習慣として根付いている。これは試合日に移動日や選手の休養日を混ぜる上で目安となるためである。メルリーグの日程でも1コマ20試合は公式の単位とされており、どこかのコマに期限を設けたり、コマとコマの間にイベントを行う。


 スケジュールは厳守され、創成期から一度としてレギュラーシーズンが中止されたことはない。レギュラーシーズンの日程をシーズン160試合としたのは、それほどの期間を設けなければチームの実力を把握しきれないからであるのと、半年にわたって観客を球場に招くことで元を取れるからである。


 どのチームも血眼になってポストシーズンを目指しているのは、ワールドシリーズを制覇すれば賞金を稼ぐことができ、ポストシーズン自体がチケット代などの収入源となるためである。多くのメルリーガーにとってもワールドシリーズ制覇は大変名誉なことであり、メルリーガーが目指すべき目標である。


【年間スケジュール】


 2月上旬から3月下旬にかけてスプリングトレーニングが行われ、その期間中に選手の調整が行われる。4月上旬から9月下旬まではレギュラーシーズンとなり、10月からポストシーズンが行われる。11月から1月下旬まではオフシーズンとなり、選手にとっては休息期間となる。


 一方メルリーグにとってのオフシーズンは水面下での戦いであり、ドラフト会議やFAとなった選手の獲得やトレードなどを行い、次のシーズンに向けての準備期間となる。オフシーズンではオーナーたちが稼ごうと多くの球場が魔法科学の力で改造され、別の競技場やテーマパークとして使われている。


 公式戦では球場の周囲に魔法結界が張られ、選手たちは一切の魔法を使うことができなくなる。魔法結界は魔力を封印するのみならず、違法薬物や禁止されている道具などを見破る機能を持っており、魔法結界に引っ掛かった選手は、反応がなくなるまで公式戦に出場できなくなる。


【1コマ目】


 1試合目から20試合目を指す。1コマ目の最初に開幕戦が行われ、開幕戦には大々的なセレモニーが行われることが習わしとなっている。シーズン序盤ということもあり、ここでは万全の主力を見られることが多い。開幕戦は各チームのエース級投手が務める場合が多いが、チーム事情により、準エースが務める場合もある。


 上位打線は固まっているが下位打線は変動することが多く、常に先発出場できる選手は上位打線を打つ5人に絞られ、残りの4人はレギュラーの座を賭けてポジション争いが行われる。一方で先発ローテーションは5人の先発が中4日で交代登板するチームが8割、6人の先発が中5日で登板するチームが2割程度である。


【2コマ目】


 21試合目から40試合目を指す。まだ序盤真っ只中であり、どのチームにも勝機があるが、チーム力に差がある地区はここから緩やかにゲーム差が広がっていく。段々と温かくなる季節であり、暑さに体力を奪われていくため、定期的に主力を休ませながら選手をやりくりする球団も現れる。


 チームによってはエースに多く投げさせるため、移動日が休日であることを利用し、その日が試合であれば投げるはずだった先発を飛ばし、先発ローテーションを早める場合がある。そのチームは実質4人の先発ローテーションで投げることになるが、これは投手力に余裕がない場合に限られる。


【3コマ目】


 41試合目から60試合目を指す。ここからオールスターゲームの投票期間が始まり、主に人気選手やシーズン序盤から好調な成績を叩き出している選手がファンたちからの投票の対象となる。キング・サルダール・ハルトマン・デーには、選手全員が全球団共通の永久欠番である背番号1のユニフォームを着用する。


 キング・サルダール・ハルトマンはメルリーグ史上最も成功した野手であり、その偉業を称えるためにメルリーグ機構が建国10080年に制定し、彼の誕生日である5月20日が記念日とされた。この日は球場の内外でイベントが行われ、この日のみ販売される限定商品を狙ったファンの多くが雪崩れ込むように来場する。


【4コマ目】


 61試合目から80試合目を指す。この20試合はインターリーグが行われ、ハートリーグとスペードリーグの交流戦となる。これに勝ち越したリーグがオールスターゲームに後攻側で参加する権利を得る。4コマ目と5コマ目の間の1週間は休みとなり、選ばれた選手のみがオールスターゲーム期間を戦うこととなる。


 7月のオールスターゲーム期間では、1週間の内、1日目、2日目、6日目、7日目は休日となる。3日目にホームランダービー、4日目にハンドレッドランニング、5日目にオールスターゲームが行われる。選ばれなかった選手にとっては1週間分の休暇となり、後半戦に備えて調整を行う期間となる。


【5コマ目】


 81試合目から100試合目を指す。後半戦ということもあり、選手に疲れが見え始める。大半の選手は定期的に休養を取り、例年通りであれば、全試合出場を果たす可能性がある野手は、この時点で野手全体の10%程度になる。ワープゾーンがあるとはいえ、移動に次ぐ移動は選手にとっては大きな負担となる。


 ハートリーグではDH制を利用し、普段は守備に就いている主力選手を順番にDHで出場させる場合がある。スペードリーグの場合は試合中盤で途中交代、もしくは代打として途中出場となるが、大半はそのまま元いたポジションに就くこととなるため、地区優勝が懸かっていることもあり、監督の采配が試される時期である。


【6コマ目】


 101試合目から120試合目を指す。勝率の高いチームはここで地区優勝がほぼ決定する。主力の疲れがピークに達しやすい時期であるため、控え選手の活躍が見られる時期でもある。サイ・クロン・デーには、選手全員がもう1つの全球団共通の永久欠番である背番号0のユニフォームを着用する。


 サイ・クロンはメルリーグ史上最も成功した投手であり、その偉業を称えるためにメルリーグ機構が建国10080年に制定し、彼女が初めてメルリーグ契約を結んだ7月29日が記念日とされた。メルリーグ創成期はドラフト制度が整備されておらず、リトルリーグの選手と自由にメルリーグ契約を結ぶことができた。


【7コマ目】


 121試合目から140試合目を指す。6コマ目が終了すると同時に、レギュラーシーズンにおけるトレード期限が終了する。7コマ目以降は選手のトレードや貸与ができなくなるため、6コマ目と7コマ目の間はトレードデッドラインと呼ばれ、ここで各チームの選手たちがほぼ固定化される。


 基本的にポストシーズンへの進出が見込める上位チームが下位チームにプロスペクトを提供し、下位チームが上位チームに主力選手を提供することが多い。これはシーズンオフにFAを迎える選手を失うくらいであれば、トレードに出した方が得をする場合が多いからである。


【8コマ目】


 141試合目から160試合目を指す。ここからはエイト・コールアップと呼ばれる期間に入り、アクティブ・ロースター枠の25人に加え、エクスパンデッド・ロースター枠の40人中、残りの15人をチームに合流させることができ、この時にメルリーグデビューを果たす選手も多く存在する。


 この時期には既にポストシーズン進出の可否はハッキリしている。40人全員を試合で起用することができるため、主力を休ませ、代わりに新人を先発で出場させるチームがほとんどである。シーズン最終戦では開幕をアウェーで迎えたチームがホームで最終戦を迎え、セレモニーが行われる。


【ポストシーズン】


 レギュラーシーズンの全日程が終了すると、10月上旬から各地区で2位となった4チームの中で最も勝ち星の多かったチームが、地区優勝を果たしたチームの中で最も勝ち数が少ないチームと3戦2勝形式のワイルドカードシリーズを行い、勝った方が地区シリーズに進出する。ポストシーズンに進出できるチームは、40チーム中10チームとなる。


 ワイルドカードシリーズを制してから地区シリーズ進出となったチームが、ポストシーズンにおけるダークホースとして注目される。その後はリーグチャンピオンシップシリーズ、ワールドシリーズを戦い、年間チャンピオンチームを争うこととなる。ワイルドカードシリーズを制したチームがワールドシリーズを制覇することもあり、見所の1つである。


【シーズンオフ】


 10月のポストシーズンが終了するとシーズンオフに入り、レギュラーシーズンにおけるタイトルや表彰などが各選手に贈られる。選手のトレードが再び解禁され、各チームによるFA選手争奪戦が始まる。次のシーズンが始まる4月上旬までにチームの改造が行われ、シーズンオフにおける各球団の動向もファンたちの醍醐味となっている。


 一方でオーナー側と選手会側による会議も白熱し、オーナーたちと選手たちがお互いに要求を突きつけあう光景も、この時期の風物詩である。交渉によっては、レギュラーシーズンからポストシーズンに至るまでの細かなルール変更が行われる場合もあり、DHのルール変更はその最たる例である。選手たちが羽目を外すことのできる貴重な時期でもある。

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