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鉄の道  作者: motig
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情報収集

部屋に戻って今の食事について考えた。


(結構しっかりした量が出てきたし、全部食べたが、満腹になった感覚が無い。

 空腹感もずっと無いしどうなっているんだろうか。)


自分の体の調子がどうもおかしい。

これまで食事を取らずとも動けていたのがそもそもおかしいが、

食事を取っても腹が膨れないのは体内に何か起きているとしか思えなかった。


(実は改造人間にされて荒野に捨てられた・・・?)


情報が少なすぎて想像もできない。

部屋に鏡があったので体を見てみたが、特に異常は無さそうだった。

中肉中背で170cm位の身長の男が鏡に写る。


(自分についての記憶は無いんだよな。なんなんだろうか。)


・・・


体について考えても何も浮かばないので、テレビを見て情報収集をすることにした。

リモコンで電源を入れると画面が仄かに光った後、奥行きのある映像が表示され始めた。


(3次元モニターなのか!?なんだこれは?)


映像の中の人物がどうみてもテレビの内側に立体的に表示されている。

分厚いテレビだと思っていたが、そもそもの構造が違うようだった。


丁度ニュース番組をやっているようで、司会の人物がトピックを説明していた。

司会の人物は耳が長く背が高いようだ。やはり種族が複数あるのだろう。


『それでは、本日のニュースです。』

『本日午前にボイド首相はソーグ連邦ケンク書記と会談を行いました。

 会談で両首脳は来年行われる終戦50年の平和の祭典を

 国境の都市トリニスタンにて行うことを正式に発表いたしました。


 トリニスタンは戦中に化学兵器が使用され、その後の両軍による市街戦にて

 多くの民間人が犠牲となった事が有名ですが、今回全ての犠牲者に哀悼の意を表すると共に

 お互いの平和を願う式典を執り行う事となりました。』


『次のニュースです・・・』


その後も芸能人の話題や天気予報などが放送された。

お陰でここがどこら辺なのか知ることが出来た。


私が目を覚ました場所は”セレフト大陸”というオーストラリア程の大きさの大陸の西側にある

レング共和国という国の南端だったようだ。

この地域はキルグ州という州政府が管理しており、レング共和国でも面積は最も広い様だ。

ただ、1/3が不毛な土地、1/3が通過してきたトリスト大樹海に覆われており、

実質1/3程度が人の住める地域となっているようだ。


レング共和国の隣国にはソーグ連邦共和国が存在しており、50年程前に凄惨な戦争を行ったようだ。

戦後は両国とも政治形態を変化させ歩み寄り戦後復興を成し遂げてきているらしい。


結構色々な人種が居る様だ。あと、魔法も存在するらしい。

バラエティ番組では魔法でドッキリを仕掛けるという事をやっていた。

科学と魔法を融合し技術発展を推し進めているようだ。


(このテレビといい、明らかにオーバーテクノロジーなものが存在しているのは魔法が絡んでいるからか)


どういった原理で動いているのか分からないが立体映像は非常に緻密だった。

画素数を増やして3次元に見えるといったものでは無さそうだ。


(ガラスの内側に魔法で投影しているとか?通信は電波で行って表示部は魔法の技術とか・・・)


50年前の戦争も気になる。

当時の戦争については映像が少し流されたが、地球の第一次大戦のようだった。

どうも魔法は個人の能力によってバラつきが出るため、あまり重要視されてこなかったらしく

科学技術による大量殺戮兵器などが投入され国境沿いで大規模な戦闘を3年程続けたらしい。


(ファンタジーな世界なのにファンタジー感が薄いな・・・)


大陸は3つあって複数の国家が存在するようだが、この大陸程発展しておらず、世界大戦も発生していないようだ。

2大国間では以前から戦争が度々発生しているらしい。

国境沿いに両国の信仰するトリシア教という宗教の聖都が存在するらしく、それの取り合いが過去何度か起きているらしい。


(明日役場でいろいろ教えてもらおう・・・記憶が戻れば何か分かるかも知れないし・・・)

考え事をしているうちに眠くなり、用意されたベッドで眠りについた。

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