じゅうしっ
学校サボって数日。
熱は引いたけど無気力。
完全に動けなくなっていた。
令が自殺したのは誰のせいだ?
それはオレかも知れない。
クソ教師に告白を促した。
その言葉に令は背中を押されて恋は盲目のまま告白。
そしてクソ教師のオモチャにされた。
でもそいつのこと大好きだったんだな。
令には二人だけの未来が見えていたのかも知れない。
それはクソ教師自らに砕かれた。
だからあんなに泣いて──。
でもあの後、少しだけ笑い合って。
あの時心が通じたと思った。
令は許してくれたと思ったんだ。
オレの今までの人生──。
だけど令は早く。本当は早く家に帰りたかったんだな。
自分の思いに決着をつけるために。
その判断が正しいとは思えない。
でも令の気持ちは分かる。
思い詰めたんだろう。
思い詰めてしまったんだろう──。
オレは自分のことを考えてた。
クソ教師と終わってラッキーって思いも正直どこかにはあった。あったよ。あった。これで令と一緒の時間が増えるかもって。
そしてもしかして。
もしかしたら──って。
令と一緒の未来になれるのかもって思ったんだ。
思ったんだよ……。
そんな思いの毎日。
家族も心配させている。
だがダメなんだ。体が重い。
令の葬儀は済んだのだろうか?
その場所に行ったら、きっと女々しく泣いてしまう。
遺影の笑顔なんて見たら絶対ェー無理だ。
動けなくなっちまう。
でも。
最後の別れくらいキチンとしなくちゃな。
オレはベッドから気怠げに起き上がった。
学生服を着て、髪型を決める。
準備はオッケーだ。
久しぶりに部屋から出て、ゆっくりと階段を降りる。リビングには母がいた。
「母さん」
「あらタケル。アンタ学校行くの?」
「行くけど今日じゃない。細井さんとこのレイの霊前に線香上げてこようと思って。香典袋ない? もちろん中身も」
「え!? レイちゃん死んじゃったの?」
はい──?
「レイ自殺したって、母さんから聞いたんだけど?」
「自殺したけど、死ななかったんだよ。まだ病院じゃない? 退院したって聞かないから」
「はぁ? それは自殺じゃねーじゃねーか! 自殺未遂とか自殺を図ったっつーんだよ! ちゃんとそう言ってくれよ! バカ! 母さんの大バカ!」
「なにおぅ? 夕飯抜き!」
「うるせー!」
母の言葉足らずだった。
ったく女ってやつはよぉー!
ムカつく。本当にムカつく。
だけど令はまだ生きてる。どんな状態かまだ分からないけどとにかく会いたい!
オレは慌てて駆け出し、細井家へと向かった。




