第3話 中学3年生その3
久しぶりの中学校へ向かう途中親友が後ろから声をかけてきた。
「お~い かおる~ まてよぉ」
この声をかけてきたのは 鈴木 樹 だ。
幼稚園の頃から同じクラスになる確率が高く、今の学年でも同じクラスだ。
僕よりも背が高く、何時も見上げる感じになるのはちょっと気分が悪くなる。
それでも何だかんだとたわいの無い会話をしながら、この清美中学校に到着した。
僕の下駄箱の蓋を開けると雪崩れるラブレターの山...
差出人は、男子70%、女子30%の割合のようだ。
あて先は「カオリ様<ハート>」「カオリ姫」...
ちょっと待てと魂の叫び!即ゴミ箱に放り込みたい気分だよ...
そして隣を見ると樹の下駄箱も同じようにラブレターが突っ込まれてた。
もちろん女性陣からの手紙だね。
樹は学校の連中からは王子って呼ばれていて、身長も高くかなりモテるのだが...
何故か断りまくってるらしい。
そしてため息をついている横を、クラスメイトが通る。
「かおりちゃん~おっはよぉ~~~」
「カオリ姫~おっは~~~」
「姫じゃ無いって言ってるだろ~~~」
ダメだ、僕のHPはもう0だよ。
教室に行っても姫って言われる...イメージを崩す為に短髪にしてるのに...
そして女性陣からは
「かおりちゃん何時でも言ってね~」
って セーラー服を取り出すのはヤメロ!どこから出したんだ?
「頼まれても着ないぞ」
「それからそのカツラもしまえ!」
うういちいち突っ込むのも疲れるのだが再度言う!
「僕はか・お・るだ! ちゃんずけもヤメロー!」
このクラスは変態なの巣窟なのか???