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【完結】奴隷少女は、笑わない  作者: 三城谷
第四章【血に飢えた少女】
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『自爆少女』

 投げた手榴弾は男の頭上へと投げられ、少女はそれを囮に男との距離を詰めた。

その詰めた途端、爆発させるか接近戦で決めるかという事を頭の中で思案していた。

だがしかし、距離を詰めた直後だ。男は前へ出た彼女に合わせ、男も前へと距離を詰めたのである。


 『遅ぇ、遅過ぎるぜ、糞ガキぃ~』

 「がはっ……」


 カンカンと地面に手榴弾が落ちたが、ピンを外していなかった事を忘れていたのだろう。

少女は爆発しない手榴弾それを眺め、男の様子を伺っている。

身体全体に走る痛みを抑えながら、彼女は左右に揺れて立ち上がる。


 『へぇ、立ち上がるのか。なかなかタフじゃねぇか』

 「はぁ、はぁ……動かないで」


 カチャリと撃鉄を落とし、男に向かって銃を構える少女。

その少女の様子を見た男は口角を上げ、楽しげに口を開くのであった。

恐怖した様子も無く、銃におくす様子も無く、ただいつも通りのように振舞ったのである。


 『八ッ!そんなんで俺を止めようとか、ふざけてるのか!?そりゃ、撃ってみろ!ほらほらほら!』

 「ぐっ……止まって!止まらないと本当に撃つ」

 『だから、撃ってみろっての!!!!糞ガキがぁ~!!』

 「ぐぅっ!?」


 首を絞められ、体が宙に浮かぶ感覚に襲われる彼女。

それもそのはずだ。男の手が隙間なく首を入っており、力の限りで首を絞められているのだ。

声も出す事も、身動きを取る事も困難になった彼女。だがしかし、少女は小さく笑ったのである。


 「フフフ……」

 『なんだ、痛みで可笑しくなったか?これだからガキは胸糞悪りぃんだよ。さっさとくたばれ』

 「ぐっ……私は、ちゃんと……」

 『あ?』


 掠れた声で出しながら、首の絞めつけ状態のまま口を開く。

小さい笑みを浮かべた少女を見て、男は微かに身震いをした。

何故なら、少女が纏った空気によって幻覚を視てしまったからである。

手から腕へ、腕から顔面へと向かってくるそれを視たのである。


 「忠告、した。動かないで、って!」


 ――カチン。

何かが外れる音が響き、男はその宙に浮くそれを見た。

それは地面へとゆっくり落ち、少女と男の間で主張をしていた。


 『テ、テメェ、いつの間にっ!?』

 「もう、遅いよ……」

 『く、クソがっ!!!!!』


 ハッとした男は、少女から咄嗟に手を離した。

だがしかし、重力は何処でも下へと向かっている。

人間や物は、その重力に逆らう事は出来ない。


 「――逃が、さないっ」

 『ぐっ、このガキ!離しやがれっ!!!』


 あと数秒で地面に当たるという場面で、逃げようとした男の服を少女は掴んだ。

そして全体重を男を掴んだ手に乗せて、男の動きを封じた結果だった。

地面へと当たった手榴弾は、火薬が充満した事によってタイムリミットを迎えた。

少女と男は、その部屋の中で爆煙に飲み込まれるのであった――。

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