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【完結】奴隷少女は、笑わない  作者: 三城谷
第四章【血に飢えた少女】
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『少女の行く先』

 彼女の行動は大胆の中には、かなりの慎重さを含まれている事が見て取れる。

部屋からの脱出を含めて、鍵を開けるまでの一連の動きは繋がっている様子に思えた。

私は、良い玩具モノを手に入れたものだと自負している最中だ。


 『……くっ、この!ちょこまかと!!』


 おやおや、大の大人が銃の扱いに戸惑っている。

その目の前に現れた少女は、なかなかの動きだと褒め称えたい気分である……――。


 

 「……――おじさん、退いて」

 『このガキッ!!』


 思い切り振り下ろされる鉄棒は、横に避けた私を通り過ぎて地面へと当たる。

金属音と鈍い音が同時に響き、目の前の男の人は痺れた手を押さえる。

その瞬間を狙っていた私は、ナイフで牽制(けんせい)し転ばせた。それと同時に馬乗りになり、そのまま……。


 『ぐ、ぐわああああああああっっ!!!!!!』

 「……!」


 男の喉元を狙って、思い切りナイフに全体重を上乗せした。

噴水のように溢れる赤い滴を浴びながら、私は反撃されないように二度三度と体重を乗せる。

やがて悲鳴のような断末魔が聞こえなくなり、私はゆっくりと突き刺した自分の状況を確認した。


 「……はぁ……まずは一人」


 赤く染まった頬からそれを拭き取り、突き刺したナイフはそのままにして男から降りた。

男の持っていた道具から、銃の弾薬と水。それとナイフを回収した。これでまだ戦える。


 「あとはこの血、どうしようかな?」


 周囲を確認しながら、自分の服へ付着した血液をどうするかを思案する。

候補はあるのだが、どうも納得のいく答えが見当たらない。


 「この水で、少し濡らしておけば良いかな。あとは絞るだけ絞って……また着れば良いよね」


 一旦落ち着ける場所を探し出し、私は汚れた服を軽く水で洗う。

ついでに顔も洗いながら、次の事を考えておくとしよう。

そう思っていた私だったが、背後から近付く気配を察知した。

やがてそれは私の姿を影で覆い、逃げ場を無くすようにして入り口に立っていた。


 「だれ?」

 『誰でも良いだろう?これから死ぬんだからさぁ!!!フンッ』


 振り下ろされた武器を避けた私は、近くに置いておいた銃を男へと向ける。

引き金を引いた瞬間、体勢が不十分な所為で反動を抑えられなかったのだろう。

身体が後方へとノックバックしてしまった。だがそれが運が良かった。


 『ぐおっ……お、うぅぅぅ……』

 

 男はゆっくりと倒れていき、私の目の前でうつ伏せとなったのである。

どうなったかを確認すると、どうやら男の額に着弾したらしい。間一髪である。


 「人の水浴び中に来るなんて、変態」


 私は倒れている男を睨みながら、そう小さく呟くのであった――。

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