『一週間クラフト』チュートリアル編3
夜が明けて視界が点滅し、防衛開始の文字が浮かぶ、表に出ると一面のゴブリンが見えた、今回は負けないぜ。
「お兄ちゃん早く引っ込んで、また死ぬよ」
俺は壁の内側にさがった。
ゴブリンは津波の様に攻めて来て入り口に殺到する。
狭い入り口から顔を出したゴブリンを俺は殴る、二、三回でギャーっとゴブリンは消滅して次が来る。
紫恩は何をしているのかと見上げると(屋根は無い)壁の上を走り回って魔法を放っていた。
見上げて油断した隙にゴブリンが俺の前を通り抜けた。
「しまった」
と、目で追うとそのゴブリンに氷のトゲが降り注ぎゴブリンが消滅した。
「お兄ちゃん油断しすぎー」
「すまん」
と、紫恩に言葉を飛ばしながらゴブリンを殴り続けた。
何回か『レベルアップしました』と視界に入るが永遠と現れるゴブリンにスキルを取る余裕が無い。
「終わんねえな」
「お兄ちゃんあと半分くらいだよ」
紫恩はそう言うが、じり貧で壁の内側にゴブリンがかなり入り込み、柵によじ登るのを紫恩が魔法で撃ち落としてる状態だ。
俺も体力回復に下がり弓で援護する。
矢を放つ俺にヘイトが集まったのかゴブリンが俺に向き直った、また土ペロかと覚悟したその時。
『あんたらキモいわねえ』
ピカちゃんが毒を吐いた、いや、言葉なんだけど。
それを聞いてゴブリン達はまたピカちゃんに向き直った。
ナイスな挑発なんだが、もしかしてコイツらピカちゃんがウザいから攻めて来てんじゃねえのか?
「お兄ちゃんあと少しだよ」
「おう」
と返事をするが、ピカちゃんにはゴブリンが取り付いてガンガンと攻撃されている。
『汚い手で触るんじゃないわよ、この、ピー………………』
ピカちゃんも禁止用語で応戦するが、ヘイトを集める以外役に立って無い。
俺は紫恩に防衛を任せてステータスを開き『ファイアーボール』にポイントを全部振り込んだ、『ファイアーボール』のレベルが6になった。
「お兄ちゃんもう無理ー」
「待たせたな紫恩『ファイアーボール』」
「え?」
俺の『ファイアーボール』レベル6は大きな爆炎を発生させゴブリンを吹き飛ばし地面を抉り飛ばした、ついでに紫恩が壁から落ちた。
その壁もかなり破壊し、残るは何故か最初と変わらない高さに浮かんだピカちゃんだけだった。
これ深い穴掘ったらピカちゃん無敵じゃねと思ったが下にはそんなに抉れなかった。
「勝ったな」
「お・に・い・ち・ゃ・ん」
「な、なんだ、紫恩、わ、悪かったないきなりで」
紫恩が怒ってる、あれ?これでクリアじゃなかったのか?
「こんなに壊して次はどうすんのよ、『ファイアーボール』で壊したら素材も無くなるんだから」
次?クリアじゃ無いのか?
「あれ?クリアだろ」
「そうだよ」
「次って?」
「今までのチュートリアルだから」
「んー、まさかこのまま」
「一週間後にイージーが始まるよ」
「すまん、悪かった紫恩」
「むー」
頬を膨らした紫恩をなだめていたらお昼ご飯だと母に呼ばれた。




