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『一週間クラフト』チュートリアル編

「『一週間クラフト』?聞いたこと無いな」

「そりゃそうだよお兄ちゃん、作者の妄想ゲームなんだから」

「止めろ、それ以上はいけない」

「うん」

 義妹の危険な発言は聞かなかった事にした。


 危険な事は忘れて早速プレイする、俺と義妹は光るクリスタルだけがある平野に降り立った。


「なにしたらいいんだ?」

 一見マイ○クラフトみたいなブロック感溢れる世界なんだが、名前とかどこまで出していいんだ?


「この光るクリスタルのピカちゃんを守るのが目的だよ、ゲーム内で7日目に敵が攻めてくるから今の内に準備をするんだ」

 ピカちゃんって、ピカち○○って伏せたら版権問題だよ。


『しっかり守んなさいよ』

「うわ、喋るのかよ」

「うん、ウザイから気にしたら時間の無駄だよ」


『ダラダラしてんじゃ無いわよー』

 壊してえ。


「じゃあ木を伐りに行くよ」

「どこに生えてるんだ?」

「どっか、ランダムだからねー」

 ふむ、サンドボックス型防衛ゲームか、大好物だな。


『どこ触ってんのよこのさくらんぼ』

「お兄ちゃん私らの攻撃効かないからね」

 俺の方は効いたよ。


 気を取り直して木を伐りに行く。

「お兄ちゃん寒いよ」

「義妹よ心を読まないでくれないか」

 ちょっと歩いたら林があった、全部伐って等間隔に植林したい、自動回収のギミックも……。


「お兄ちゃん時間に限りがあるからね」

「わかってるよ、どうやって伐るんだ?」

「一通りのアイテムは揃ってるよ、斧も基本装備だからね」

「ふうん、あ、あるある、スコップ、クワに」

 いろいろあったが義妹に急かされ木を集める。


「こういうゲームで思うのは主人公絶対四○元ポケット持ってるよな」

「ドラ○エのふくろとかも四○元ポケットだよね、お兄ちゃんのデータ、中ギチキチに入ってるし」

「捨てたり売るの勿体ないだろ」

 あと勝手に見ないで欲しい。


「なんか日が暮れてきたんだけど」

「まあ1日15分くらいだからね」

 まあ、そんなもんか、あのウザいクリスタル2分は蹴ってたし、まさかそれが罠。


「いや、時間の無駄だって言ったじゃん」

 そんな事より義妹のエスパー説が出てきたんだが。


 本拠地に着く頃にはすっかり暗くなっていた。


『ふん、いいご身分ね』

 お前だろうが。


「まあまあお兄ちゃんきちんと防衛拠点ができたらマシになるから」

「わかった」

 とりあえず蹴るのは止めにした。


「まずは暗いから松明を作って並べるよ」

 でた、お馴染みの無限に燃えて濡れても使える松明、しかも燃え移らない恐ろしさ。


「お兄ちゃん最初からそんな広範囲照さなくても大丈夫だよ」

 だって、等間隔に十字に道を照らしてからじゃないと落ち着かないから。


「もう、最初は作業スペースだけで大丈夫なんだから」

 しかし義妹よ、お兄ちゃんはピカちゃんを焼く様に設置してないぞ。


「とりあえず柵と木ブロックだね」

「おう」

 集めた木材をブロックにしていく、まあゲームだから気にしないが量がまた、義妹は柵を作って設置していた。


「なあ」

「なに、お兄ちゃん?」

「なんでもないわ」

「そお?できたら囲って壁にしてね」

 義妹よ、なんで壁で囲むのに柵でピカちゃんを閉じ込めるんだ?


 さて、ピカちゃんを見ない様にして壁を作る、案外すぐ終わるもんだな、義妹を見るとなにやら楽しそうにブロックの上からピカちゃんを見下ろしている、なんか恨みでもあるのか?


「準備終わったな、まだ6日もあるし」

「戦闘までスキップもできるよでも」

「お、これか」

 一瞬で朝になった、義妹は俺を見て固まっている。


 直後視界が赤く点滅し、防衛開始の文字が出る、外に飛び出すと一面に緑の壁がある。


 ブロックキャラだがゴブリンかな?


 異様に数が多い、二、三百はいるだろうか。


「なあどうしよう」

「お兄ちゃんのあほー、まだ迎え撃つ準備できて無いのに」

 まあなるようになるさ、こっそり木材から木の剣を作っておいたからな。


 俺は木の剣を下げ、義妹を守る様にゴブリンの群れの前に立った。




 1分掛からずにゲームオーバーになった。


「お兄ちゃん弱い」

 プクッと頬を膨らせて怒ってしまった。


「ごめん」


「ぶー」

「許してくれよ、なんでもするからさ」

 怒ると長いんだよなあ。


「なんでも?」

「あ、ああ、できる事なら」

「じゃあお兄ちゃん、これからは一生私の事名前で呼んで」

「し、紫恩、これでいいか?」

「えへぇ、許したげる」

 ゴロゴロと甘える紫恩の体温を感じながらちょっと近くないかと思った。


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