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第5話 一触即発。素敵な夜空を見るのは誰だ!

「さあ、言い訳を聞かせてもらおうか。」


 さして広くもない部屋の中で対峙する2人。


「何のことを言ってるのかしら? 試合は大ウケだったじゃない。ものすごく目立って名前も覚えてもらえて万々歳でしょう? 良かったじゃない。」


「全然良くねえよ。悪名だからなそれ。それと俺が言いたいのはそこじゃないんだよ。」


 さもいい仕事をしたみたいな顔しているマイヤ。


「観戦中の酒はどこで手に入れたんだ?」


「酒なんて飲んでないわよ。あんた疲れてるのよ。だからそんな幻覚を見るのよ。」



「酒臭い口で大嘘をついてんじゃねえよ! 酒はどうやって手に入れてきたんだ?」


 真っ赤な顔のマイヤ。決して看破されたことによる羞恥ではないのは周知の事実だと言っていいだろう。


「マイヤお姉さまのヘソクリだよ。」


 そいつはどういう事だ!俺は目で殺そうとするかのようにマイヤを睨みつける。


「…………武器屋に金を渡す前に少しだけ頂いたのよ。もしもの時のためよ。」


「ほほーう、それはもしも酒が飲みたくなったら買えるようにという事か?」


「ちょっとくらいはいいじゃない。それよりもいつまで部屋にいるつもりなのよ。ここは女子部屋よ!」


 魔王様は逆ギレな感じで話を変えてきやがったが、ちょっと待て。


「部屋は一つしか貰ってないんだぞ。それだったら俺はどこで寝ろって言うんだよ!」


「外で寝なさいよ。今日は星が綺麗よ。」


 部屋の外どころか建物の外で寝ろというのかよ!


「それならお前が外で寝たらどうだよ。酔っ払いが外で寝てるのはデフォだろ?」


「そういうクソ勇者は私を追い出してファフィーにイタズラするのね。変態よ変態。」


 ざざざと引くマイヤ。引くんじゃねえよ。俺は幼女に対して性的興奮を得る輩じゃないからな。


「誰が変態だ。」


「お姉さま、ファフィーはライルお兄ちゃんにイタズラされちゃうの? どんなイタズラするの?」


「それはね……」


「変な事を吹き込むんじゃない。安心しろファフィー。俺はイタズラとかしないからな。」


 ファフィーの耳によからぬ事を吹き込もうとするクソッタレ魔王の襟首を掴んで阻止する。


「とにかくここは男子禁制の女子部屋よ!私達は風呂に行くからそれまでに出ていきなさいよね。行くわよファフィー。」


 はーいと言って元気よく付いていくファフィー。宣言通りにマイヤはファフィーを連れて風呂に行ったようだ。

 さてと、俺はどうしたものか。

 ベットと机しかない簡素な部屋でまたしても難題にぶち当たるのだった。

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