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ru-pu  作者: 相猫K
第1章
10/14

強者

私は片足を引きずりながら男の後を必死について行った。

痛みに耐え、徐々に遠ざかっていく男の背中を見失わないように食らいついていった。


男はときどき立ち止まって私を待っていてくれている。そんな優しささえも私は素直に嬉しかった。


ふと、男がこちらを振り向いた。


「嬢ちゃん。名前、教えてくれよ」

「チハルです。名字はありません」

「ん、そうかい

俺の名はまた、後でな」


なんだ。教えてくれないのか。


「ケチ」

「あ? 何か言ったか?」

「いえ」


そんな事を話していた時だった。


「グラァァ!!」


突如、あの人型の蛇のような化け物が行く手をはばんだ。


「チッ、蛇がでたか……」


ヤバイ!


「ま、まずいです! 私の足を喰ったのも

こいつと同種です!」


「ほぅ。 なら何故チハルは今生きている?

こいつの同種に出くわして片足を喰われて

何故いきている?」


「そ、それは後で話しますから!

早く逃げないと!」


「忘れたか? 俺は不死だと言ったはずだ」


そうだった。


「それに、1度俺を殺したチハルの爆発もあ

るんだしな。後であの爆発についても教え

てくれよな」


そうだ。そういえば何故あたしの爆発を食らって1度死んだ後にすぐ爆発のことについて聞かなかったのだろうか。


「チハルはそこで見てな」


そう言って男は化け物、もとい『蛇』

の元へゆっくりと歩いていき、目標を睨みつけた。その瞬間、


空気が震えた。

尋常ではない殺気があたりを包む。


そして蛇の目の前にたつ。


蛇は動かない。

いや、動けないのだろう。

あの殺気を正面から向けられているのだから。


蛇の殺気などとは格が違った。


男はゆっくりと腕を蛇の頭部へと持ち上げ、鷲掴みにすると、


グチャ!


そのまま握りつぶした。


私は何も言えなかった。

圧倒的勝者を前にただ呆然と、眺めていた。


蛇の緑色の血のようなものがあたり一面に広がる。蛇は言うまでもなく絶命していた。


そして男は言った。


「さぁ行くぞ」



第1章完結。

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