6.
目覚めた私を、迎えたのは容赦ない太陽の光だった。
地面は固い。
寝るならば、柔らかいであろう砂の上で眠りたかったと思った途端、固い地面がふにゃりとした感覚に変わったので、慌てて叩いて、固めるイメージを送った。
どうやら、変幻自在なようだ。
作ったものを触るときは、要注意ということを、学んだ。
寝ぼけた頭は、慌てた事により、目覚めた。
いいことだが、なんだか情緒に欠けた目覚めだった。
なので、早く家を作らなくてはならないと、決心した。
ここに作る家のイメージは出来ている。
六つの道路にに沿った家だ。
バームクーヘンを放射線状に切った、その一欠片が家の形。
私の家は、入り口は、昨日作った中央から入れるようにする。
一メートル先ぐらいが入り口、その間はエントランスで、郵便受けを作り、小さな花壇を作ろう。
その後ろに、バームクーヘンの欠片のような、家を作るのだ
まずは、道具を作る。
大きなスコップ、小さなスコップ、壁になってもらう予定の板を数枚。
大きなスコップで、ぐちゃぐちゃと、砂と唾液を混ぜ合わせたものを、道路に沿って砂に差し込んだ板に塗りつけて行く。
均一とはいえない上、かなり薄いが壁であるものはできた。
板の大きさいっぱいに広げ取りはずと、案の定薄っぺらく、非均一な透過する壁が出来た。
しかしも風から身を守れるし、その風で煽られ倒れることもないので、その作業を繰り返し、壁を次々と作っていった。
空からみれば、台形の形をした壁が完成した。
次は、間取りだ。
一階の間取りは、大まかに四つにわける。
玄関から、廊下を伸ばし、その両側に二部屋、その奥が広々としたキッチン&ダイニングだ。一番奥のダイニングにはしごを設置し、二階の屋根裏部屋へといける仕組みにする予定だ。しかし、大量の砂を持ち上げるのは、大変だと思うので、厚さができず、を透過する屋根となるならば、地下に寝室を作ることとしよう。
なので、地面はまだ砂状で柔らかい。
また疲れたら、きっとまた眠ってしまうことだろう。
なので、早く、枠組みと屋根こと二階の床を作ってしまわないといけない。
慌てる私を尻目に、日は沈んでいく。
どうにかこうにか屋根が出来上がったが、板の高さを基準とした壁に板を乗せ、その上に同じよう砂を塗りたくできただけなもの。
つまり、天井が低すぎる。
半透過しているから、そこまでの圧迫感は感じないが、狭いのは確か。
だが、日が落ち、星が瞬くのがはっきり見える頃、再び私は眠くなる。
道具はしっかり、家の中にいれた、これで安心だとまぶたを閉じた。
翌朝、熱さを感じ目がさめた。
太陽は、登って、昨日と同じぐらい、強烈であった。
だけれども、もっと強烈なは熱さだ。
暑さといいたくないぐらい、熱い暑さだ。
きっと、私が人ならば、この密室の中の温度は生きていけないぐらい熱されているに違いない。
慌てて、扉を作り、窓を作り、風を通した。
さぁと吹き抜ける風に、ほっと息を吐いた。
壁の厚さは、強度の問題より、熱の問題で必要というのが解った。
私は、悩んだ。
壁を先に厚くするべきか、地下を作るべきか、それとも、屋根を作るべきか。
行動できる時間は、日中だけで、この砂を使ってなにかをしている時は、疲労度が増すというのは、経験上、理解させられていた。
どれか一つしか、もしくは、一つ半できたら、良い方だ。
悩んだあげくにした行動は、背伸びだった。
また、現実逃避である。
天井には手がつく、というより少しジャンプすると、ぶつかる高さだ。
なので、ぐっと伸ばそうとしても、手など伸びるはずがないのに、伸びた。
あの時の私は、何も考えず、背伸びをした。
ぐい、と伸びたのは背筋だけではなく、屋根も壁もだった。
斜めになった屋根をみて、家の四隅で同じように伸びる。
私は、独り手を叩き、喜んだ。
昨日頑張った屋根という名の二階の床は壊す予定であったし、どうやって上に伸ばそうかと考えていたからだ、はしごを使って作るのは非効率的だし、とおもっていたが、なんてことはない、一階部分の壁は見事に伸び、少しばかり低いが満足できる程度の高さになり、
少し解放感が出た。
ならば、屋根の作成だ。
正面から見たとき、三角屋根になっているような雰囲気にしたい。
それも、板状の屋根が重なっている雰囲気だ。
砂の上で、試行錯誤していたのが悪かったようだ。
あたりはすっかり暗くなっていた。
結局出来たのは、砂を板の上で塗りたくり二十五センチ辺の長い長いロールだ。
明日は、これを屋根にのせて、枠組みを作り、その後、ロールを並べていって屋根の完成としよう。
そんな事を考えて、眠りについた。