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5.

すっかり眠ってしまった私が、目覚めた時。

正確にいうならば、目覚め、外にでた時、世界がまた変わっているのに気付いた。


砂の色が、白くなっていた。

家の色がぽっかりと浮いてしまうぐらいに、真っ白な砂漠が広がっていた。

見渡す限り何も見つからないのは変わらない。


誰かにつまみ上げられて、ひょいと白い砂漠に放置されたみたいに世界が変わった。


また何かを作れば、世界は変わるのだろうか。

と思ったとき、びょぅと音を立てて、風が吹いた。

とっさに目を閉じる。


そして風が止んだとき、理由が分かった。

家が転がって移動したのだ。


今、家は、風とともに、ころころと転がって、遠くへ遠くへと転がりつづけていた。


そうして、私は最初の作品を無くした。


だが、私が気落ちすることは無かった。

なぜならば、そう大変な事では無かったから、また作ればいいだけの事。


それに、転がり続ける時起きた時、気持ちが悪そうとも思え

気分が悪くなるなら良いじゃないかと、独り笑う。

そんな人間的な事が起こるならば、もっと早くに影響が出ているのだから、

それを求めて歩き続けた日々の自分に、この時の自分があざ笑った。


そんな非生産的な事をしていた自分が、あまりにも可哀想で、笑うしか無かったのだ。


次に作るものを考える。


動かない家がほしい。


ならば土台作りからだ。


ぺっと、つばを砂に吐いた。

どこに吐いたかよく分からないぐらい、さっと砂に溶け消えた。

私はあたりをつけて踏む。


踏み固めるイメージをしながら踏みしめる。

さくりと、沈むはずの足に、しっかりした石の感触を伝えてきた。

よし、と私は、喜ぶ。


あとは、これがどこまでひろがるかだ。

両足で踏みしめ、石となった場所からぐるりと時計回りに回って

少しずつ、固い場所を広げていく。


渦巻き状態でどんどんと広がり、六メートル程度の円形が出来上がった。


まだまだ大きくなれば、家を作るには小さいと感じたが、この場所を中心として何かを作りたいと感じた。


だから、こりこりと、爪で、表面を削る。

せっかく作ったスコップは、外側の窓を作った際に、その場に置いてきてしまい、無くなしてしまった。


同じように削れることを確信して、道具を作る。

今回は、爪楊枝のような先の尖った棒だ。


こりこりと、削り見る間に、煉瓦で作られたような見た目になった。


私は満足した。

放射線状に、道を作る。

十字の道にしようかとおもったが、せっかくなので、六つの道路を作った。

同じように煉瓦をひいた道に見える見た目にした。


少し疲れたが、寝ることは出来ない。

このまま寝たら、家もないし、砂に埋もれるばかりだろう。


だが、とろりとしたあがらいがたい眠気は、まぶたという帳をおろし私はいつの間にやら眠ってしまった。


せっかくの家は、転がってしまいました。

でも、まぁいいかな主人公。きっとこの方、最後まで名前すらでないんだろうなと未来予想。

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