14.便利な道具
目覚めた。昨日の悩みの答えが、脳内ではっきりと形となった。
まるで夢の中で答えをみたような感覚、その夢が霧散しない内に作り始めることにした。
周りの砂色だと、そのまま見失うのは想像に難くない。
笑いが込みあがけてきて、くすくすと一人笑いながら、手を動かす。
砂は多め、水は少なめ、どちらも広く散布する形、そんな形の如雨露。
黄色の砂をつくって土台を作成、持ちやすい形、扇状に拡がった砂の排出口。
同じ形で、点滴できるよう、ストロー状に細く伸ばしてみた。
粗めの砂なので、水の排出口は、ここの細かな青白砂を使っての作成だ。
水用というのが解りやすくていいのではないだろうか。
さぁ、どうだろうか。
昨日と同じように壁の上に立つ。
風に流され押し寄せた砂が壁を隠してしまい、かろうじて壁がある箇所が盛り上がっているだけ、だけど、逆に考えれば、盛り上げる手間が省けたということ。
幅は人がすれ違える程度でいいだろう。
さてと、と肩に砂を入れた袋を担ぎ、出口から如雨露の中にはいるように設置、担ぐだけでは不安定すぎたので、紐をつけ腰位置から、如雨露に砂を注げるようにした。
砂だけのテストは上々。ただ、砂の粒子が細かく、風が強いと流されてしまうから
壁に近い位置に排出口を近づけなければいけない。
紐の長さを調整し、如雨露に水をいれ、傾ける。
水もいい具合だ。てくてくと歩くと、砂が足にかかり、水で固められていく。
足の甲に固まった砂が乗ってどんどん重くなる。靴のようだとも思うけど、邪魔なので、捨てる。後ろ向きに歩くのは怖いが、如雨露を後ろ向きにすればいいだけなので、セットし直し、再度歩き出す。
うまく振りかけられてるかどうかは不明。どんどんと歩くだけ。
少しでもぬれた砂があれば、風に運ばれた砂がくっついて固まるだろうし、風のままにつくられた自然の造形もおもしろいのではないか。
なんて、いいように思うことにする。
どんどん歩く、そして、気付く。
目立つかまくらがあるから、一周はしたことは簡単に解る。何に気付いたかといえば、一周しても、砂と水が減らない。これは、便利だ。
どこから来ているのかなんて考えるだけ無駄だ。
砂は周りに沢山ある。水は、もともとない。
それは今から作るもの、だから、今はまだ考える時ではない。
どんどんと壁は高くなっていく。少しずつ分厚く、高くなっていく城壁はやはり、歪んでいた。円でも角ない、湾曲した城壁。だ。まぁこれはこれでいいとする。
城壁の上の部分も、同じように湾曲させた角のないものにすることが決まった。
城壁の径はなかなか大きいようだ。だけれども、ここは第一城壁。
外から作ると中を作るに苦労したことを今思い出した。
まったく学習がなされていないことに、自分自身がっかりするが、きっと軌道修正はできるはずだ。それにこの城壁は、固めてしまったから、削るのは一苦労。
やっぱり、いろんな意味で学習の能力がないではないかと、太陽が沈み行くのをみて気付く。太陽は容赦なく沈む。今日は、沈んだ気持ちで、ゆっくり眠ることにしよう。
また、今朝みた夢のように、何かひらめくかもしれない。
そうだといいなぁ、と星が瞬きはじめた空を見上げる。
その向こうにそびえ建つ、城壁に頬が緩む。
まだ、息づいていない。
だけど、今から、目覚める。
おやすみ、護られた砂塵の街。また明日。
お久しぶりです、なかなか暑くなってきましたね。
続きは、また書けた時に……。




