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13.砂塵の王国

じわりじわりと、空の色が変わる。


目を灼くような光線を放ちながら太陽が昇り、世界に色が満ちる。

といっても、空を除けば、世界は一色の濃淡のみだ。今回の砂の色は、青みを帯びた白だった。


持ってきた砂の色と似通っていて、おもしろみはないけれど、一袋分砂を詰めてかまくらに置いておく。

もっと見やすくて、運びやすい形状ならいいのになぁと思うけれど、砂が固まった時のような不思議な現象は起こらず、さすがにそこまで便利にはならない様だ。


今回は、かなり大きな街になる。

だから、計画は念入りにだ。

削ることはできる塊砂だけど、削るには労力がいるし、高く積み上げるのだって苦労する。

だから、簡単に持ち運びできるようになればいいのにと思うのは、当然のことだろう。


砂を棒状にして、線を描くがすぐに風にけされてしまう。

中心をつくってから第一の城壁を作るべきか、それとも、適当に作るべきかと悩んでいたら、風が容赦なく砂を浴びせかけてくるし、中天に上った太陽は、容赦なく世界を熱していく。


何かしら行動するか、と歩き出す。

固まれ固まれと、念じつつ、水をまきながらまずは、土台だ。

円形にしているつもりだし、径も大きくしているつもりだけれど、実際どうなっているのかは、できてからのお楽しみ。

その土台ですら、すぐに砂に埋もれていってしまうから、始点終点が合わさるのか実に心配になる。

だから、途中から少しだけ壁状にしていく。

袋に砂を入れて、それをさらさらと撒きながら水もまく。後ろ向きに歩くから、尚更円にはならないだろうと思いながらどうにか、一周できたようだ。


歪んでいるかどうかは、今のところはわからない。

少しの高さでは、この風の強い砂漠では、どんどんと埋もれていく。

厚みが自動で出来ているのだからいいとする。壁の上に立つ。

この不安定さで後ろ歩きは無理だ。

それに、少し日が落ちてきたようだ。


今日は休むことにしよう。明日この壁がどこまで埋まっているのか。

そして、分厚くなっているのかはわからないけど、壁のすぐ側は風が弱まり良い感じだ


城壁には門があるのだから、薄いところもある、と穴を開けることを忘れたことを正当化しながら、かまくらに潜り込む。


どうにか、適度な水と砂を同時に撒く方法はないものか、そんな事を考えながら眠りについた。


梅雨入り、蒸し暑さ、皆さんいかがお過ごしょうか

先日、某所にある白砂漠に行ってきました。

度肝をぬかれる世界で、その中でらぶりぃなねずみさんや蜥蜴さんもいて、いやぁ実に楽しかった。

今回はちょっと短いですが、また早々にあげられるといいなぁと思いつつ、ネットの海に沈みます。


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