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10.新天地

眠りの旅は長かった。

幾度か目覚めて、白い砂ならばまた眠りを繰り返し、やっとこさ黄色の砂にたどり着いた頃には、眠るのに苦労するほど、時間がかかったようだった。


もしかすると、風まかせということで、同じ所をぐるぐると回り続けてしまったのかもしれない。地図も目星もない場所故に、真実は解らない。


そんなこんなでどうにかたどり着いた黄色の世界で、まずすることは、かまくらが転がらないように錨を降ろすことだ。


前回、完全に離れてしまった時、勝手に転がって行ってしまったかまくらだったけれど、

体の一部が触れているか、錨的なもの置くことによって転がることはないのも解った。


なので、眠れなくて本当に困った時は、かまくらを片足で触れ、井戸を作ったり、日陰となるオブジェクトを作ってみた。

錨でいいと解ってからは、砂漠にあるものという固定観念よりオアシスを作って見たりと楽しんでみた。


それを目印にとも考えていたけれど、白い砂漠を転がり続けた時に、始まりの街や私の建造物に出会うことはついぞ無かった。


あと、もう一つ判明したことがある。

かまくらの中にいて、どのように転がっているかと気になって起きていた事があるが、その場合、動くことがないということ。なので寝ているときのみ転がっており、起きたら止まるという状態で、どうあっても眠らなくてはならず、疲れるような行動を取るしかかなった。


オアシスには魚や鳥、植物なども作った。

残念というべきか、当然のことながら、水もなく、砂のオブジェでしか無かったが、形としてはなかなか美しく、完結した世界を作り上げることができたのではないかと自負している。


もう白い砂漠は、終わらないと思い、どんどんオアシスを作っていこう、次のオアシスはこんな風にと思っていたら、そのやる気を損ねるように黄色の砂漠になったのには、砂漠のように乾いた笑いしか出なかったものだ。

だが、望みすぎていても駄目なのかもしれない。


違う色の場所にと、望みすぎてたどり着かず、それをあきらめ新しい目標を掲げた途端、新天地に来られたという結果があるので、気楽にいくべきなのかもしれない。


ということで、黄色の砂漠。

ここは、粒子が粗い砂だ。

歩く度に、すり下ろされそうなざりざりとした音、そして露出している岩がある場所でなかなかの景観だ。


家はかまくらがあるから、そう急ぐものではないので、今回はしっかりと下調べをした後、街の作成に入りたい。

前回のようなやりきれない気持ちはごめんだから。


同じように岩を作り、洞窟のような外観の家を作るのも楽しい。

ならば、蟻の巣のように地下帝国を作るのはどうだろうか。


逃げ隠れた人が、集落を作り、同じように逃げて来た人たちが増え、いくしか地下が広がっていった、という歴史のある場所。

なので、地上部分は、目立たないようになっている。


水は、地下に巨大な穴があり、そこを階段状に掘り下げ、水を汲みに行く。

ロープとバケツでの汲み上げは可能だけど、一人は地下空洞にいなくてはならなくて大変だということ、それは子供の仕事であること、なんて設定も面白い。

地下空洞のさらに下を通る川となった水が湧き出しているので、砂で濾過され綺麗な水であり、いつしか魚が住み着いてい穴もあり、食糧の一つとなっている。


あとは、あの双子岩。

上の方が薄く、光が入っていて、その下の大地ではオリーブなどの農作物を隠して育てている。もちろんそれだけでは食糧は不足しているので、砂漠蜥蜴という生物がいて、その血肉が主食ということにしよう。


その蜥蜴の生態は、卵生、雌雄の区別がなく、繁殖後数日で両個体が五、六個の卵を産む。

体内にいくらのような半透明な卵を持っており、交尾することにより両遺伝子を持ち、細胞分裂が開始、と同時に殻が固体化する。なので数日で出産できる。


繁殖時期は決まっておらず、なのでほぼ常に体内に卵をもっており、ごちそうの一つである。蜥蜴のごちそうは、オリーブ、水に濡れたものであり、魚や水を含んだ砂も同様でありなので、人間の近くに狩られると解っていても存在している。


その上、卵体、幼体時期に人間に育てられる場合が多く、人慣れしてるのも原因であり、人間の近くにはいいものがあるということが本能的に刻み込まれている。


砂漠蜥蜴の卵は産み捨てで、最初の頃は、食べようと拾っていたが、孵化してしまい、いつしかそれを育てて、繁殖させるようになった。

だが、繁殖するも、食糧が必要で、ある程度大きくなった個体が逃げたり、それにのっとり放逐したりした。

その関係上、人間の近くにいる個体は、比較的大きく強い個体であり、警戒心も強い。

逆にその蜥蜴が隠れることにより、人々も隠れ続けられるという共存体となっている。

なんてのも面白い。

そんな風に考えていたら、岩に張り付く蜥蜴を作っていた。

ついつい手が動いていた。


年を取る毎に、大きくなり、体の起伏が激しくなる。

それにより朝露を受ける表面積を増やしている。普段の水はそのように手にいれている生態にしよう。

出来上がった、ごつごつとした岩のような風貌の蜥蜴をみて思う。


「うん、これはいい」

私はつい、声に出して言った。

ついでに言うなれば、笑い声を上げながらそう言った。


物語が繋がり広がる。

それがないならば、最初の街のように、断続的な話しになってしまう。


街をつくるならば、街一つも物語がなくてはならない。


この街の名前は決まった。

隠れ里なのだ、逃げると隠れるの意味する言葉から、フギラテトと名をつけよう。


見た目は、変えず。

砂漠蜥蜴だけが、這う場所。


蟻の巣のように枝分かれした迷宮のような街。


そう考える頭の中にぱっと地図が広がる。

三次元的な地図で、それもこの場所が示された地図。


この旅の間中、地図の事を考えていたからだろうか、能力が一つ開花したようだ。


それは、私という才能を示す、最初の啓示であったのは間違い無かった。

書けたので投下。三色目の砂漠の場所にたどり着きました。

イメージ、トルコなのはバレバレですね・笑

また行きたいですねー(お腹さえ壊さないなら・・・)

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