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1.

さらさらと、粒子の細かな砂が、音を立てて流れていく。

風が、旅人が残した足跡という軌跡もすべて消して砂は流れていく。


それはまるで、時間のようで……

それは、まるで、命のようで……


気が付けば、丘陵だった場所は、風紋を残すばかりの平地となり

また、逆も然り。



そんな、世界に私はいる。







あれは、いつぐらい前の頃だろうか

息苦しさを覚え、私は目覚めた。


だけれども、私は、動くことがままならなかった。

怪しい夢に囚われているような、そんな風で、うまく体が、そして頭も動かなかった。


目を開けても暗い世界に、ちらちらと微かな光が瞬き、

いつの間にか、それをぼぅと眺めていたら、星の瞬きだと気付く。


こんな暗闇の中、星を見たのはいつぶりだろう


そう、あの時の私はおもった、はずだ。

随分と昔のことすぎる話しだから、確かではない。


だが、今も変わらない、星空は、私の大事な最初の宝物となった。


息苦しさはあるが、奇っ怪な夢で見る星空は綺麗で

暫く眺めていた。そして気がついた時に、世界が色めいた。

それは、太陽が世界に現れた瞬間だった。


世界に色が溶けていくようだった。

じわりじわりと、闇色が、少しずつ藍に青に、紫に、黄色にと、変化していく。


その光景に、感極まり涙が零れた。

美しすぎた。

どう表現しても、そうとしか言えない景色だった。


そうして私は、二つ目の宝物を手に入れた。


じわじわと涙でにじむ視界で見た、この世界のはじめての朝。


少なくとも、あの日が私のはじめての夜であり、朝だった。


どこの砂漠をイメージしたのか、と考えたところで、ふと気付く。

夢であるはずなのに、記憶がすっかりと抜け落ちているという事実に……


私がどこのだれであるのか

どんな生活をし、どんな性格だったのか

それら全てが解らなくなっていた。


だが、あの時の私は、『夢』である故の曖昧さであると思った。

しかし、今の今ですら、私は思い返す、私というものの存在のありかを

非情なことだが、いくら夢想しても、ここにある私という存在は変わりはしない


ただただ、砂の世界でいきるものだ


たった、独りで……


おひさしぶりな方は、本当にお久しぶりなねこばばです。

ということで、。を使うようになった大人……?です(笑)


ムーンでもゆっくりさせてもらいましたが、久々に日の当たる場所にでての物書きとなります、前作などと雰囲気が違ってるかもしれませんが

ねこばば独特の世界をまた表現して、一緒に楽しめたら嬉しいです!


春めいた日の花びらのように、膨らみ広がる大輪の花の如く、共に愉しみましょう!

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