05 【OP】繋がる力が全てとなり、未来となる
本小説を読むときは、画面に近づきすぎず、猫背にならない程度に読もう。
「あの、アルバさん? なんですかこの注意書きは?」
「オープニングに約束は必要だろ?」
「約束を実現する前書きがどこにあるんですか!?」
「プルース。大事なのは、読んでくださる人の健康あってのことだ、覚えておけ」
「そのメタい話をここで書くからグダルんですよ」
「オープニング―、はっじまるよー」
「と、思っていたのだあぁあああっつ!?」
「アッちゃん、流石に鬱陶しいよー」
家族は冷たいですが、温かな本編をお願いします。
四人で降りたつ時、世界は花開く。
世界が夜明けを迎えるように、今を歩むのだ。
『きっと一人だと言うなら、種まきをして未来を開花させていこうぜ』
カウンターでクマサンとだらけて話している者こそが、この物語の主人公――アルバ。
黒いショートヘアーの癖っ毛はねに、前髪の一部が白髪になっているのが特徴である。
アルバは瞬間的にクマサンを殴り、店内は埃が漂っていた。
『離れても信じ合えるんです。そんな、騒がしい日常を僕にくれた家族だから』
見ていて慌てている灰色の七三髪は――ツッコミ担当のプルース。
髪からチラリと見える小さな角と、対惑星防護服コートを着ているのが特徴的である。
国連特別組織のラデクとアモウ、ジンの相手を外でしていたプルースは、振りかざされる剣や爆撃に見舞われていた。
プルースは周りに振りまわされながらも、一人前になろうと自分の事をきっちりとこなす、アドーレ店の中では一番の新人だ。
そんな黒焦げになったプルースが手を振った瞬間、爆撃と拳で画面は割れるように崩れ落ちる。
『私を見てくれるから、私は私であり続けたいんだよー』
黒い闇に左ワンサイドアップのピンク髪と、首につけた水色のストールをなびかせるのは――ステラ。
吸血鬼の末裔であり、赤い瞳を持った胸の大きい看板娘である。
ステラは宙に浮かびながら、魔王エテルと死闘を繰り広げていた。
飛び交う剣と魔法を拳一つで潜り抜けるのは、ステラが吸血鬼の力を生かした武闘派であるのを意味しているのだ。
魔法が見ていたアルバとプルースに直撃した時、真ん中に一本の白い光が走った。
『こいつらは俺の従業員だ。でもよ――かけがえのない、家族なんだぜ』
地面を殴って地下にある水脈が撃ち抜かれると、彼の上から水しぶきは降ってくる。
振るう剣は空を切り、アホ毛と白髪ショートが特徴的な、セキの姿を垣間見せた。
きりっとした白銀の瞳を持つ左目に、閉じた右目の首元まで伸びた深い傷は、セキという存在を証明している。
セキは国王のサピィと背中合わせをし、崩れ落ちそうな城内で剣を輝かせていた。
『毎日の日々に見て見ぬ振りをするなら、働く今に遊びが必要だろ?』
『いつも遊んでいるあんたが言っても……まあ、今回だけですよ』
アルバは店番をしながらも、プルースと働く遊びをする。
ステラに関しては、寝静まる空を飛び、魔王との契約をしたり、単独で仕入れを行ったりしている。
汚点頂であるセキは、毎度のようにステラの部屋やお風呂を覗いたりしては、容赦なく原型をとどめない粘土になっていた。
無論、従業員へのパワハラも忘れない、店長の鏡だ。
四人で囲う鍋に、ルールはない、戦え。
具材が飛び交っても、食材に感謝をして、家族仲良く箸を進めるのだ。
『渡る世界が変わっても、みんなは変わらないねー』
『見ている世界と、見えない心は瞳の内側だ』
アルバを中心に、異世界バイトマスターこと異世界渡人の本拠地であるアドーレ店前に四人で並んだ。
アルバは剣を、セキは刀を持ち、ステラはアルバに寄り添い、プルースがセキの横に並べば、家族として集まって繋がる。
異世界バイトマスター。人呼んで――異世界渡人。
「本作は、ご覧のコンサーの提供でお送りします」
「え、アルバさん? これにスポンサー何てついていたんですか?」
提供――【自主規制元から】ネノプロジェクト、の提供でお送りいたします。
「アウトォオオ!? なんで別作品のあれがスポンサーなんですか!? 自作品でも許されませんよ!?」
「後書きでのコンサーなんだから問題ないだろ! ……利用規約の穴を突いただけだ」
「本音言っちゃったよ……この人」
異世界バイトマスター、こんな感じの自由でやりたいようにやる、の提供でお送りいたします。