↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生悪女の妹は無双する  作者: 産婆の呼吸ラマーズ法
PR
13/17

13



「あの、今度、王家主催の夜会があるだろう?そのエスコートしてもいいだろうか」

「そんなものあったか?」

「急遽決まったんだ」

 

 でも、王命での婚約をしているもののまだ公表はしていない。


「えっと、婚約発表もまだですし、大丈夫なんですかそれって」


 ジークムントは、人気だ。

 私は可愛いけれど、姉から見たら世界一可愛いのであって、客観的に見ると普通くらいだ。

 釣り合いは取れていない。


「発表してなくても、別に良くないか」

「ですが」


 良くないだろ。ジークムントにエスコートされるポッと出の私。

 間違いなく恐ろしいお姉様方にいびられる。

 あんたにはジーク様は相応しくない。とか、なんとか言われそうだ。

 とても、繊細で気が弱い私がそんな地獄で生き残れるはずがない。


「ジーク、私をエスコートしてくれないの?前はよくしてくれたのに、困っているじゃないクラリスさんも」


 挨拶以降、ずっと空気だったアルネが唐突にそんな事を言い出す。

 この女、常識がないのか。

 勝手にすればいい。とは、思うが、なんだかムカつくなこの女。


「僕の婚約者はクラリス嬢だ。たとえ、クラリス嬢のエスコートをしなくても君のエスコートはしない」


 ジークムントは、意外にもキッパリとアルネの提案を断った。

 あれ?彼女のことを好きなんじゃないのか。

 まあ、別に私はこいつに愛されなくても結構だが。

 

「その、皇太子から直々に言われて、何か発表があるから一緒にいてくれって」

「発表の場に一緒にいればいいだけで、エスコートはしなくてもいいのでは?アルネは兄さんがいるじゃないか」


 なぜか言い合いになっている。

 痴話喧嘩は好きにやればいいけど、私を間に挟んでやるのはやめてくれないだろうか。迷惑だ。

 クラウスはそのやり取りを見ているだけで何も言わない。いいのか、それで、自分の婚約者がアホなこと言い出しているのに。


「あ~、面倒なのでいいです。エスコートも必要ないです」

「僕がエスコートしようか?」


 私が断ると今度はクラウスがエスコートを提案してきた。


「え、クラウス様がですか?」


 私が驚いていると、彼は私の耳元で小さな声で話し出した。

 

『実は、今回の件でアルネがヘソを曲げてしまって、僕や君を困らせようとやっているんだ。ちょっと仕返しをしないか?』


 聖女のくせに意外と心が狭いな。

 クラウスもわかっていて、こういう提案をしてきたように思える。

 彼も意外といい性格をしているのかもしれない。

 

「クラウスは、私の婚約者でしょう?だめよ!」

「君はジークムントがエスコートするんだし、別に問題はないだろう?クラリス嬢、仲良く参加しようか」


 アルネがダメだと怒るが、クラウスはどこ吹く風だ。

 怒らせたらいけないタイプなのは、こういう男なのかもしれない。

 こういう時は、逆らわないで乗るのが一番だ。


「そうしましょう!」

「そんな僕が婚約者なのに」


 ジークムントがショックを受けている。

 アルネと好きに乳繰り合ってればいい。なんなら勝手にくっついてそれぞれ婚約破棄になればいいのに。

 クラリスは理想的な男だと思う。


「ところで、サブリナ嬢はどうかな?」


 ジークムントの質問に、私は目を伏せた。


「あまり代わりませんね」

「……そうか」


 気遣わしげな視線。

 彼もクラウスの事を大切に思っているようなので、私の気持ちもわかるようだ。

 彼が真人間でよかった。


「彼女の好きな香油とか、石鹸とか保湿剤とか、教えて貰えば贈りたいんだが、もらっても迷惑じゃないだろうか?できれば一緒に選びたいのだが」


 よくわかってるじゃないか。コイツ。

 私はジークムントのことを少し見直した。


「ありがとうございます!喜んで受け取ります」


 だからといって、コイツと一生を共にする気は毛頭ないけれど。

 どうやったら結婚から逃げられるのか。


 一番お手軽な方法は、アルネとジークムントがくっつくことではないか。と、今閃いたのだ。


 そうと決まれば、私は二人をくっつくために動こうと決めた。

 だが、それはすぐに邪魔された。


「それで、いつ一緒に見に行く?」

「……」


 お前と交流するつもりはない!と、言いたかったが。すぐにクラウスが「いい考えだね!」とそれに乗ってしまったので言葉を飲み込む。


「初めてのデートだね」


 と、悪気なくクラウスが言うので、想像して鳥肌がたった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。