だからおおきいところでのおかいものはたのしい そのいち
礼輪5年半径30km圏内で一気に4つの同一企業が運営する商業施設が開業した。
千葉県に本社を置く有名企業である。新規開業が2つと既存施設を改装拡張したものが2つである。
長野市南部の南長野運動公園に隣接した土地に道路をまたぐ形で4月に開業した長野篠ノ井。
長野市北部の湯島君が自宅住所として登録している住所の近所にある商業施設が周辺の土地や施設を取り込んでこれまた道路をまたぐ形で6月に開業の長野三輪。
須坂市南西部、10月に最初は一つの建物で開業も礼輪6年1月には高速道路を挟んで7つもの建物からなる超巨大施設になって再開業した須坂。
最初の開業時は長野県下二位の規模とうたわれ、その後遥に大きな規模の施設が複数できたため改装拡張が行われた中野。
長野三輪は南西部にテレビ局のスタジオを持つ。これは取得というか利用権を得た土地の持ち主が信越地区をエリアとする老舗放送局の信越放送であり、この地が創業の土地であった。長野市街地にできた高層複合施設に本社が移転した後もスタジオが残された。
そのスタジオ建屋も取り込む形で地下3階構造の地下駐車場と地上5階建ての真四角な外見。
またこの長野三輪はほかの同系列商業施設における核スーパー部分の内食料品売り場のみBIGというディスカウントスーパーになっている。これは拡張改装前の商業施設で核となっていたスーパーがBIGだったことが関係しているのだろう。
湯島君の元職場が移転と業態変更を行い長野市街地の外れで営業していたものが今回、このモールに入居した。
須坂は開業時の時点で長野県下一位の規模だったが、礼輪6年1月の改装拡張後は長野県下だけでなく北陸甲信越地区最大規模となる。というか開業時と同じ規模の建物が3つとその半分ぐらいの大きさの建物が2つ。逆に倍規模の建物2つからなっている。
また長野電鉄屋代線の井上駅に直結というか井上駅から施設に入れるようになっている上施設が運営する新交通システムで敷地を軽々移動できるようになっている。
新潟県上越市にかつてウェスタンという名のショッピングモールがあった。
国道18号線沿いの好立地で大きめの駐車場も用意していたが施設の老朽化や核テナントの売り上げ低迷を受け平盛年間に閉店。その後土地を上記の有名企業が取得し、既存の上越店を移転しモールとして開業した。
とまあ、そんなIonMallの須坂店に立っていたのは
[初めてこの手の施設に来たが、平日だというのになかなかの人出なのだな。]
はい。我らが東条さんです。そしてその横に立つおしとやかな大和美人さんは、
「なんと様々なお店があるのですね。一つ一つ見ていきたいのですが英機さん、よろしいでしょうか?」
今上帝が溺愛する妹君で、我らが東条さんと3年前にご成婚なされた相子内親王である。そんな光景をブラックコーシー片手に眺めているのは皆さんおなじみ湯島君と塚口女史である。
かなりでかいIonMallができたと言うことで湯島君が塚口女史に声をかけ、最初彼女は渋っていたが直宮殿下が来るというのでしゃーねーなぁな感じでやってきていた。
第二専門店棟ことMarketNo.2と看板がついた建物の4階は真ん中ほどに長野県内二店舗目かつ北陸信越ブロック最大規模となる大手めがねチェーン店があった。4人がそのお店にやってきていたがこのお店に湯島君のお知り合いというかご友人の一人がいた。
[ふむ、このフレームは大変しなやかだな。]
「そうなのですよ、また大変軽い上にお鼻パッドも専用設計となっていて、つけたらずれにくくなりますので視点がぶれにくく疲れにくいできとなっているのです。」
[なるほど。これは良いな、そして、この調光レンズといったか。掛け替えることなくサングラスとしても使えるというのは良いな。]
「英機さんにはこのお色のフレームとこちらのお色のレンズが似合うと思います。」
相子内親王がうっとりとしながら店員の勧めるタイプのフレームから見繕い、東条さんに渡す。
[相子もこちらとこの色が合うのではないか?うむ。似合うな。すいませんこちらとこの緑の調光レンズ。こちらとピンクの調光レンズで作りたいのですが。]
店員に決まった旨を伝えて案内に従い受け付けを待つ。
「お待たせしました。」
先ほどの店員が湯島くんたちの元にやってくる。
「このゴムでできたフレームとおそろいな色の調光レンズとあのしなやかなフレームと調光レンズで作りたいんですが。あ、度なしで。」
「私は、あのコラボフレームとおそろいな色の調光レンズを一つずつで。」
受付のタイミングで、
「えーっとなんかすごいことになりますがよろしいですか?」
「支払い?それなら問題ないので大丈夫です。」
『測定でお待ちのトウジョウさまぁ。』
[ではいってくる。]
戦場に行くのではないのだがなぁ。
「じゃあ、こちらでお会計のご案内です。」
お知り合いな店員さんが大量な伝票をレジに読み込ませていく。
「あー。それでは…。」
店員さんによる会計時の購入商品確認をしていたら同僚がどんどんと顔色を変えていった。
「度あり?ちゃんと確認した?」
「度なしです。大きさなどは案内時から3回以上確認しました。」
店員がざわつくのも仕方が無い。
普段はどんなに高くても合計金額5万円台なのだが、今回は、
「えー改めまして。今回は…。」
なんと驚異の23万円弱。
「今回は譲ったるわ。今日は楽しいからなぁ」
それを聞いてウッキウキでスマートウォッチに登録したデビットカードで支払いを済ませる湯島君。
ちなみに塚口女史も東条夫妻の分をお支払い。
「では楽しみにしていますね。」
相子内親王の微笑みはかなりのプレッシャーとなったことだろう。
FoodPlaceと掲げられた建物でお昼を済ませた一行は、めがねを受け取りお店巡りを開始。
宝石店や化粧品店などを巡っていく。
[今日は実に楽しかった。北陸甲信越どころか中部地方最大級と聞いていたが、これは一日で楽しみきれる規模ではないな。またタイミングが合えば来たいと思うが、そうだな。先ずは幕張の所にも行ってみようか。]
「英機さん明日は長野市南部ですよ。」
施設直結というか内包された形の井上駅から須坂駅へ。特急に乗り換え湯田中駅へ。湯田中駅で某有名老舗高級旅館の送迎を受ける。
湯田中渋温泉郷は角間温泉の外れに長野電鉄角間車両基地がある。
湯田中駅で行われる長野電鉄長野線の普通列車増解結。それに使用される付属編成が待機清掃を受ける場所であり、簡易的整備も可能となっている。
「イヤー、君を脅した甲斐があったというものやね。」
「いや、あれ、がちでやめてください。あれマジで苦手なタイプの脅しですよ。」
そうは言いつつ塚口女史の要請を拒む気はない湯島君であった。
「先生の依頼は違法行為以外なら僕ができる範囲で対応しますっていつも言ってるじゃないですか。」
「なあ、あれって新車かなぁ。」
きいちゃいない。
「あー、あれ長電23系ですよ。」
「は?」
長電23系はNRのE233系を長電が導入し付与した形式名である。
その23系だが、登場から15年が経過し、お色直しと称して同社の特急用車両と同じ色を使用したカラーリングとなった。
正面のFRP部分は純白からクリーム色に塗り替えられ同社のコーポレートカラーである、深紅の帯が運転席の下に回り込むように配色されその線は車体側面でドア上の位置へ駆け上がる。
その駆け上がったあとには水色と青緑のNR新長野色と呼ばれる2色が流れる。
付属編成はこの配色が中間車を貫通するが、基本編成では異なる。
基本編成には4,5号車には二等車が連結されており3号車の4号車よりと6号車の5号車よりで二色の線が駆け上がり二階席の窓上位置へ逆に赤の線は一階席の窓上位置へ降りる。この交差では必ず赤い線が上になるようにデザインされていた。
このようなデザイン変更はお色直しというのは建前で本当はドア上の赤いライン以外は長野地区を走るE233系の4000番台と全く同じだったため見分けるのが面倒、紛らわしいという利用者からのクレームがたーっくさんきたから。
「お、きたきた。」
温泉街の外れにあると言うことも有って、ほかにも見物客がいるこの車両基地横の見学スペースでひときわ目立つ黒髪高身長の美女がスマホ片手に電車を連射している様を湯島君は、
「これでたまに基本編成も狂っていったらどうなるんやろ。」
とかんがえていた。そんなタイミングで、
「わ、わ、あれ、絶対長くて二階建て車両有るから基本編成やろ。え、あれも来るの?」「まあ、運用の都合上来ますよ。」
目の前を通り過ぎていくラインの変遷に大興奮な塚口女史。
[なにをみている?]
東条夫妻もやってきた。
[ほう。こんなところに車庫があるのか。]
さりげない形で、相子内親王を支え庇っている東条さん。できる男である。
[ふむ、。周りに倣って写真を撮ってみたがなんともしっくりこないものだな。]
言っておくが東条さんはまだ弱冠25歳である。
だが60超えていると言われてもしっくりきそうな威厳がある。
「そういえば、先生。そこの建物に鉄の湯って言う共同浴場ができたらしいです。露天風呂からはトレインビューらしいです。」
それを聞いて、湯島君の腕を引っ張っていく塚口女史。というのも、二人分の入浴用具は湯島君が持っており、ここで受け取るより、受付してからの方がいいと判断して引っ張っていったという。
[ちょっと行ってみるか?]
トレインビューな露天風呂に興味を引かれ、妻に問う東条さん。
承認の返答が来て施設に入っていく。
[よう。湯島よ、背中流してやろうか。]
こう声をかけられた時湯島君はちょうど髪を洗い流し終えたタイミングで東条さんを認識した途端に洗面器を置いている台にスネをぶつけた。
ちなみに塚口女史は椅子から転げ落ちたらしい。
まあ、その後4人は露天風呂で溶けていたのだが。
はーい。8ヶ月ぶりです。転職したり繁忙期が短いスパンで来てネタを練る余裕がなかったり。
という言い訳しつつ塚口女史のモデルになった絵師さんの絵に癒やされていました。




