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だからみんなでたちむかうからまきぐせがとれた

礼輪4年6月日本が誇る某笑顔の動画サイトとその親会社含めたグループ会社にサイバー攻撃が仕掛けられた痕跡が確認された。

同グループは妖怪金出させろたちの提供するシステムを導入していたこともあり妖怪金出させろがカウンターアタックを仕掛け、犯人グループの恥ずかしい写真などがインターネットの階層を深浅問わず幅広ーく世界中にばらまかれた。

そして、そのわずか数日後規模と手口を巧妙化してアメリカが誇る赤い再生ボタンマークの動画サイトと、その親会社、世界最大の検索エンジンを提供している会社などに同様の攻撃が加えられた。

今度はカウンターアタックが来ることもなく、データ1KBあたり5万円ドル換算で500万ドルを要求するという。

犯人側曰く盗み出し元を暗号化したデータの総量は実に85PB。金額にして425兆円。ドル換算では4京2500兆ドル。日本にとっては某美味な棒一本分くらいの感覚な金額になるが要求されたのはアメリカ企業。いかに規模が大きく世界的に有名と言っても資産規模は連邦政府には遠く及ばない。その連邦政府にとっても4京ドルは数百年分の国家予算に匹敵する大金。

要求を無視しつつ、バックアップからと考えたが、短時間にバックアップまでご丁寧に暗号化が仕掛けられている。数億人分のアカウントデータから各関連サービスでの決済情報など、サービス開始から実に20数年分の蓄積が回復不可能な状態になっていた。

困った同社CEOは大学時代の恩師である築地と職原に相談した。

日本の諜報を含めた情報を司る情報省の先代大臣だった築地が当代である唐原を紹介。

自分でも情報収集を行っていた唐原は、CEOを連れて長野へ。素っ頓狂集団に相談したところ、妖怪金出させろの情報担当がマジックテープをバリバリ言わせて任せろという。

ただこれ双方ともに明らかに元ネタを認識していない。

妖怪金出させろはその場であっさりと検索エンジンとそれに関連したアカウントサービスの暗号化を解除して見せた。曰く「ここが使えないと不便だからいろいろ準備はしていた。唐原さんから提案してもらおうと準備していたら、お越しいただいたのでやっただけ。」らしい。怪しいと思うも、この妖怪金出させろがシステム提供を渋ると困るのは自分なのでひとまず飲み込んだ。

それでも赤い再生ボタンマークの動画サイトは完全復旧に一ヶ月以上かかるという発表がなされた。

日本語圏では困るという人は少ないがそれ以外では数多くの悲鳴が上がった。

赤い再生ボタンマークの動画サイトが日本語圏であまり普及しなかった理由の一つが、某笑顔の動画サイトに比べて、検索がくそという物が上げられている。

某笑顔の動画サイトは、キーワード、タグといった物から検索がかけることができそれに該当する物のみと言う表示な上に、妖怪金出させろが開発した技術を導入した「A.I.ニコからのピックアップ」という物も人気だった。これはニコと名前のついた人工人格により全検索結果が100件以上有った場合、過去の視聴履歴などを参照して、現在の検索ワード、タグの中でもしかしたらこの動画を探していないかという提案をしてくれる機能で、この機能が実装され数日後運営会社の株価が暴騰し、そのご、暴騰後の価格が基準になるという状態となった。

対する赤い再生ボタンマークの動画サイトは某笑顔の動画サイトになれた人たちからすると、検索するとその検索ワードに関連する動画は数個だけで後は全然関係ない動画がずらーっと並ぶという状態が続いている。という。

これは現在日本語圏以外で隆盛しているA.Iがユーザーが同社サービスを利用して、行った検索結果や、関連サービスの利用実績などを用いて検索を行う仕様となっているから、という物。

また、広告の質も悪いと評判で、動画冒頭や、途中で終わるまで飛ばせない上にあまりにもその言語を馬鹿にしたような片言だったり、何が言いたいのか解らないないような内容の広告が続く。

某笑顔の動画サイトでも広告は流れるが、動画再生枠の上に字幕ニュースなどを流す枠があり、そこを使用した広告で、上記の形の広告は応募の時点ではじかれている。

ちなみに某笑顔の動画サイトが導入しているA.I.はAssistant Interface(本当はもっと長い由来があるが、A.I.の由来としてはこれで説明される。)で中身は文字通り、ユーザーを補助する人工人格である。

対して赤い再生ボタンマークの動画サイトが導入しているA.IはArtificial Intelligenceで、ようは人工知能である。

Iの後ろに.がつくか否かでそれが人工人格なのか人工知能なのか判別できるが、基本的に日本語圏では人工人格は妖怪金出させろやFruitsTechnology社製OS2種の日本語版をインストールしたとき、自動的にインストールされる。

同じ日本語版でも、日本語圏以外でインストールすると、この人工人格は入らないリージョン判定機能があり、日本語圏以外では人工人格のインストーラーが動かないようになっている。後から人工人格単体を導入しようとしても英、仏、露の3カ国以外ではインストールができないようにガチガチに制御されている。

そんな人工知能と人工人格の違いに自分たちが世界一とうぬぼれていたCEOはうなだれつつ、自身の年内報酬全カット+復旧までの休日返上を宣言。休日を会社が買い上げたという扱いで金額を算出し、部長クラス以下の全社員に対して復旧時の臨時ボーナスとする旨を社内告知した。発生から2週間たってようやく縮小版ができあがり、各国に復活の兆しを見せつけた。


ソーシャルネットワーキングサービス通称SNS

そのうち、某つぶやくサービスは令和元年に某笑顔の動画サイトと同じグループに収まった。

人工人格による悪質ななりすましやいわゆるパクリ投稿などは即座にアカウント削除まで行く重大な違反として規約に追加され、アカウント作成時だけでなく追加後の初回アクセス時にもその旨が大きく表示され、同意しないと利用ができない状態だった。

いわゆるインプレゾンビといわれるものはこの規約に違反していると判断され片っ端から排除された。

これらは某お顔の本に集まり、いわゆる治安が悪くなっていく。日本のネット文化と高いネット知識が組み込まれた上、いわゆるえせ科学や、適当知識、人種、性別蔑視、過度な男女平等などが排除された。性的な要素は登録時に入力された年齢をベースとして、タイムラインに表示されないよう制御されているが、過度なフェチシズム特に排泄行為嗜好や、生死を問わない人体損壊、違法行為を助長するような性的嗜好は投稿しても即剤削除され警告が出る。

複数回これらを投稿するとアカウントがロックされてしまい、インターネット上の情報を元に別アカウントが作成することができないよう制限されてしまう。

陰謀論者も同様であり、日本語圏においてはSNS=青い鳥マークであり、日本語圏内に他国と比べて陰謀論者が極端に少ないのはこの青い鳥マークのSNSが群を抜いて普及していることと、オカルト雑誌が学校教育現場において盛んに使用されており陰謀論というのはオカルトに耐性がない人がはまる物という認識となっている。


礼輪4年7月末

日経平均株価10万円の大台を突破。その平均値に某京都にある世界最大手ゲーム会社。と例の某笑顔の動画サイト、家電から映画、ゲームまで幅広く取り扱う会社が集まっていた。

外国為替も円高が大きく進み対ドルレートで初めて1円=100ドルを超える形となった。

一部では経済への影響ガーと騒がれたが、環太平洋地域というか日本語圏の通貨は円であり、その流通量はドルを遙かに超え数溝円(兆の1億倍のさらに1億倍)規模ととんでもない規模な分けで、日本経済が飛べば世界の経済が飛ぶとまで言われる。そんな日本語圏内で完結する経済が円高で揺れるかというと全然影響がなかった。むしろ、今まで円安だったのかということすら忘れられていたほど。

そして7月には世界最大の自動車会社トヨダが日本語圏内に置いてのみであるが、鉄道車輌製造に進出すると発表。これによる競争効果によって、圏内の各鉄道会社の車輌更新がより活発になることが期待されている。

ムーのボーイング社を傘下に収め、創業者の夢であった大空へを果たした馬鹿みたいな超低燃費をたたきだすバイクで有名な本田技術研究所もトヨダに続き気動車やハイブリッド鉄道車両分野に限って参入を発表した。

これに合わせてか、NR東日本は長野支社と秋田支社、福島支社で保有運行する観光列車用にトヨダが持つTHS(Toyoda Hybrid System)を使った車両の製造を依頼。デザインについてはトヨダのメビウス平盛32年モデルエクステリアデザインを手がけた人物に依頼することに。

―くん曰く「メビウスの平盛32年モデルが歴代で一番格好いい。礼輪2年モデルのデザインは何というかこう数千年前の人が考えたデザインっぽい。」ということなのだが、実はこの礼輪2年モデルは海外向けデザインの国内輸入型で、礼輪4年3月に新デザインとして平盛32年モデルと令和二年モデルの外観を足して割った形の物が発表され6月に皆さんご存じ妖怪金出させろが魔改造に魔改造を重ね、1リットルあたり35kPcnm(約2.3億光年)とか言うあほというかも宇宙背負うしかないというレベルの超がいくつも付く低燃費な代物を作りだし、―くんに押しつけた。今回はあっさりと車検を通すことができ前述のあほな燃費と、単体で恒星間航行可能な巡航性能から、日本政府はこの代物は自動車ではないので陸運局の管轄下ではなく、航空局の管轄だとした。そして、これに関連して税制管轄も変わり、金額が上がったことで―くん大喜びで多額納税をしまくった。

国土交通大臣と財務大臣、そして祭総理が直筆で手紙を送った上で―君の家まで来て「頼むから多額納税やめてくれ。財務省のほかの仕事が進まない上に、国交省まで関連業務にかり出されてるから。」と頭を下げられた―くん。

「総理のサインください。」

あいかわらずどこか飛んでいた。


さて、史実では開会式での歴史を揶揄したり名画をいじったり各競技での異常なレベルでの誤審などで話題になったパリオリンピック。

この世界でも7月末から始まったが、開会式で行われるものは国王臨席の上でセミリハーサルが行われ、すべて通して逐次国王の確認が入った。セミリハーサルは23年の春に行われ、このとき史実と同様の内容だった。首相のマクロムは誇らしげだったが国王は組織委員会の面々を叱責。開会式の企画者は罷免。そして、かつて国政の改革に尽力しその志半ばにで事故で命を落とした、隣国出身の王妃をあざ笑うかのような内容が問題となり、この内容を企画した企画者とそれをよしとした組織委員会、パリ市長、首相が不敬罪を通り越し国家反逆罪が適用され裁判が続けられパリ五輪開会直前に死刑となった。法務大臣は執行を渋ったが国王決裁を使い強行した。

開会式は史実と比べましにはなったが競技はといえばまあ、組織員会による審判選定がやり直された結果誤審が減ったが、柔道でのスペイン対日本戦で起きた審判の指示を無視した絞め技続行を受け、審判団はスペインの選手全員へ期間中の柔道出場権剥奪を宣告。

スペイン側は政府はもとよりこの件に関し確認と場合によっては指導をすべきスペイン柔道連盟までもが当該試合でのスペイン選手の正当性を訴えた結果、国際柔道連盟はスペインの全柔道家へ破門を通告という事態になった。

以後、スペインで柔道家を名乗る場合他国の柔道連盟や柔道協会において認定を受けねばならず。いかに過去有段者だったとしても一からの出発となってしまったことで、真に柔道を極めようとしていた者は悲しみに暮れつつもスペインを離れることになった。

セーヌ川での屋外水泳とトライアスロンは、前回大会である東京五輪にて、隅田川を使った同競技を見ての決定らしいのだが。

大都市東京を流れるはずなのに、いわゆる清流に分類される隅田川と、あの病原菌がものすごくて除去しきれないからやめろと言われても、鉄道会社傘下の地元球団がリーグ優勝する度に飛び込み病気になるあほが出る道頓堀川が数百倍きれいとまで比較されるセーヌ川を一緒にしちゃいけない。

前パリ市長が泳いだらあのヘドロが沈んだ水からフレッシュでフルーティな香りを感じる奇病にかかったほどだ。

ちなみに自国選手を含めて棄権が続出し、結局毎回道頓堀川に飛び込むあほを強制的に協力させて作り出した耐性獲得メニューを使い練習していたにほん、百済、高麗王国が表彰台に。というかその3カ国しかゴールできなかったという。

その上で王家が認めていない通貨発行が発覚し、大騒ぎになった。そして。

「今回の騒動は世界の平和を願い政治的意図を入れず武力で争うのではなくあくまで競技の成績を競うという五輪大会の理念を真っ向から否定する大変に悪しき内容であった。

この責は、FOCやフランス国内の各スポーツ連盟だけで片付けるのではなく、我がフランス王国民全員が一人一人考える問題につながる故、考える時間として、我がフランス王国は向こう100年間夏季、冬季問わず五輪大会並びに国際大会開催地への立候補を辞退することをここに宣言する。」

それは2030年冬季大会に立候補したリヨン市と2048年夏季大会の招致を目指して運動していた、マルセイユ市にとってとても悲しい宣告であったが、パリオリンピックでの騒動を見てそして、政府と組織委員会のずさんさを見て、涙を呑んだ。

国王としても、4年前の東京五輪における皇室のはっちゃけぶりをやってみたかった。まあ開会式までのいろいろでとてもじゃないけどそんなことできる空気ではなくなっていた。

オリンピック閉会式の後宮殿で王妃の膝に顔を埋めてやりたかったと愚痴るほどに楽しみにしていた。

この覚悟と国王の無念さをくみ取ったIOCは臨時総会を開催。その場でフランスという国の覚悟を受け取ったとして2030年オリンピックはリヨンに。そして2036年大会は今回のリベンジとしてフランス国王の英断をたたえてとして パリでの開催を決定した。

今回の大会で想像以上にきちゃないことが世界中に知れ渡ってしまったセーヌ川。

祭総理はフランス首相へ隅田川の浄化も行ったプログラムの提供を国王に進言してほしいと伝え、フランス側もこれを受け入れた。日本側から提示された計画は2034年まで10年かけ、セーヌ川を隅田川レベルまで浄化するという物。


頭をふっかふかに耕された上に追肥までされていたお花畑どもが退場したことでフランスはここ50年ほどの間はびこっていた社会主義的思想が国政から排除され、王族レベルと民間レベルでは仲がいいのに、政府、行政レベルでは周辺諸国と仲が悪いという状態だった物が改善された。

これを受け、英国はダイアナ王太后、エリザベス太王太后の進言の元7月に王位継承を済ませたばかりのウィリアム新王が直接、シャーロット王太子を伴い訪仏し、フランス国王の心労をねぎらった

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