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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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パニック関連

やまない雨

作者: よぎそーと
掲載日:2022/09/24

 終わる事無く雨が続いていた。

 既に三ヶ月ほど降り続いている。

 その間、晴れの日も何日かはあったが。

 曇った空は延々と水を降り注ぎ続けていた。



 世界各地で増水が発生していた。

 低地は既に水に沈んでいる。

 高知であっても、川の氾濫で孤立した地域が出ていた。

 それらを救助しに行こうにも、簡単にはいかない。

 風も吹き荒れてるので、飛行機やヘリコプターも飛ばせない。

 救助は全く進んでいなかった。



 そもそも救助ができる状況ではない。

 雨による増水は逃げ場を潰していた。

 どこにいても雨の影響は免れない。

 安全地帯などどこにもない。



 単に住む場所が無くなるだけではない。

 三ヶ月も日光がささない。

 主立った耕作地は水没している。

 この年の農作物は壊滅的だと確定している。

 例え雨が上がっても、その後の食糧難をどうするか。

 保存食も足りてないのだ。

 飢餓は確実とみなされていた。



 そこまで待つこともなく、食糧難は深刻化している。

 誰もが何ヶ月分もの食料を確保してるわけではない。

 政府は配給をしているが、それも充分とはいえない。



 そして、配給担当者は配給数をいじって自分の取り分を確保していく。

 避難所では、食料の強奪も行われている。

 力で奪うという単純な方法から。

 みんなで分け合うという嘘をついて、食料を強奪する者まで。

 ありとあらゆる方法で食料の争奪戦が起こっていた。



 果ては殺し合いまで起こっている。

 当然といえば当然の流れだった。

 殺さねば殺されるという状況なのだから。



 かくて、隔離された各避難所で殺し合いが行われ。

 生き残った者達がかろうじて食いつないでいった。

 それすらもほんの一時の間生き延びるに過ぎない。

 避難所の食料もやがては尽きる。

 そこで生き残った者達も終わる。

 終わらない雨に囲まれながら。



 そんな雨もやがては終わる。

 雲が途切れ、日差しがさしこんでくる。

 降り続けた雨は5ヶ月目にして消えた。



 あとに残ったのは水浸しの大地。

 水が引くまで誰も入り込む事はできない。

 その水が引いて、ようやく住処に戻っても、水浸しだった住居は使いものにならない。

 人は居場所を失った。



 それよりも問題なのは食糧だった。

 この年の農作物は絶望的。

 食糧難はまだ続く。

 奪い合いの殺し合いはまだまだ続く。



「来年になれば」

 希望を口にする者もいる。

 今年はもう駄目だ。

 でも、来年になれば好転すると。

 確かに、水が引いて田畑で再び農作物が実ればどうにかなるだろう。

 この苦しみも今年一年で終わる。



 だが、そんなわけもない。

 水没して、流れこんだ土砂だらけになった田畑。

 再び使えるようにするには、整備が必要になる。

 それが来年までに終わるわけがない。



 それに、たとえ田畑がまともに使えたとしてもだ。

 来年が好天に恵まれるという保証はない。

 今年と同じように雨が降り続けるかもしれない。

 逆に、炎天下が続くかもしれない。

 天候がどうなるかは全くわからない。



 晴れ渡った空は、確かに希望を感じさせる。

 だが、希望はあくまで空想だ。

 そうであってほしいという願望にすぎない。

 実際に希望に満ちた日々が待ってるとは限らない。

 最悪の日々がまだまだ続く可能性だってあるのだ。



 げんに、晴天の下で人は殺し合っている。

 生き延びるために、自分に必用なものを奪うために。

 そこに希望なんてみあたらない。

 やむえない事ではあるが、絶望だけがただよっている。



 今日もどこかで殺し合いが行われている。

 天候に振り回されながら。

 大自然はいまだに人類にとって大きな脅威で蟻続けている。

 水ひとつで人類を存亡の危機においやるほどに。



 そんな自然の中で、人は生きていくしかない。

 どれほど絶望にまみれようと。

 絶望と隣り合わせであろうと。

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