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テーマ詩集:ROCK'N'ROLL

ROCK'N'ROLL BITES

作者: 歌川 詩季

 ほら、またロックンロールってつけちゃいましたよ。

 出る杭を打ちつけて 紙やすりをかける

 うっとりする光沢に 頬ずりもしたそうだけど

 でこぼこも愛さなきゃ パーティは楽しくやれないぜ

 道化師の厚化粧に もう一筆をくわえよう


 果実が結ぶ真円をありがたがって

 手もつけずに腐らせるのが

 賢いやりかたとは とても思えないさ


 きれいな歯並びで 噛み合わせ気にしてた

 御行儀良く喰らいついたって

 傷痕のひとつさえ残せない

 鋭利な切り口ほど治りが早いもので

 喰い破れ 後世(こうせい)まで残る風穴 彫りつけろ

 へし折れた牙が(えが)く歯型が

 不格好なおれの生き様だから



 鳴く(きじ)を撃ち殺し 平穏を手にした

 ひっそりする静寂に 銃声はやけに響くよ

 いざこざも愛せれば 平日も楽しくやれるだろ

 ならずもののいでたちは もうひとひねり足りないや


 こたえの(ひそ)む深淵を(のぞ)きたがって

 のばした腕を()がれようと

 愚かなやりかたとは まるで思えないさ


 いびつな歯並びで あごのズレ気にしてた

 御丁寧に喰らいついたのち

 口もとをハンカチで(ぬぐ)うより

 粗っぽくかじるほど治りが遅いもので

 喰い千切れ 来世にまで(たた)る遺恨を刻み込め

 すり減った牙が(えが)く歯型に

 不格好とおれを笑えばいいぜ

 ロックンロールってつけちゃえば、タイトルとして成立する…って考えかたもどうかと(苦笑)

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