神をころした話(God Killer)
「オレを不幸にして、裏切って、それでもまだ神でいられると思うなぁああああ!!!!!」
ぼくの槍は、
呪われし八幡神を、刺し貫いた。
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恵まれない人生を、送ってきた。
欲しいものは何一つ、手に入れられず。
生まれたことを悔やみたくなるほどの、激しい苦しみ。
「う、うそだ!
そんなのってない……! どうして……」
恵まれたように思えた瞬間、
いつもいつも、それ以上の不幸は降りかかり、すべてを無に帰した。
この世が不公平なのは知ってる。けど、それにしたって。
「だったらなぜ、オレをこの世に生んだ…?」
求めているのに。ずっと頑張っているのに。
欲しいものは、何一つくれず。
ただ、侮辱と苦痛だけを与え、死ねと言う。
「これ以上、苦しめるなら………」
三叉の槍を、手に取った。
「――不幸の元凶・八幡。テメエを殺す」
オレの前にいる八幡神は、いかめしくも慈しみ深くもない表情で、そこにいた。
背が高くはあるが、人間並みの大きさだ。
「………………」
神は、逃げも隠れもしない。
本当は、誰にでも、すぐにでも殺せた。
だが、誰もそうしなかっただけだ。
神だからと恐がって……たった1人か2人(そのうち1人は渡航を名乗っていた)を贔屓するために干ばつが起こり、火災が発生し、天変地異で犠牲が大きくなっても、この神を退治しようという考えは、誰にも起こらなかった。
しかしそれでもこいつは、
オレを、不幸にした。
べつにオレは、犠牲になった人々のために復讐するんじゃない。
ただ、オレを不幸にしたことが許せないから、こいつを殺すのだ。
「この先、呪われるのは、オレをこんなに………こんなに不幸にしたテメエだ」
オレは八幡の心臓を突き刺した。
神は、苦しまなかった。
ただ受けいれた。
刺したところから砂になって、崩れ落ちていった。
風で砂が吹き飛ばされると、最期に、
とても綺麗な、白いハトが残った。
あまりに美しくてハトに見えなかったので、
ぼくはそいつに鶴と名付けた。
「行こうか、ツル」
「くるっくー♪」
この日、ぼくは幸せを探しに、旅に出た。
もう神も、人も、関係ない、
ぼくだけの倖せを。




