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深い森の中
深い微睡みの中、息が出来ない苦しさが迫る。
喉元に熱源がある様で、大きく咳き込んだ。
ここは……森?さっきまで図書館だったのに。
目を開ければ有り得ない光景が目の前にあった。
光の届かない背の高い木が所狭しと密集している。
地面から根が這って出ている木もある。
最悪な事に地面は湿っていて、接触面のお尻が気持ち悪い。
「さっさと、こんな所から帰らないと……うっ、痛ったァ……」
どうしてこんな所にいるのか、ここはどこなのか。
疑問は尽きることなく溢れ出す。
少し体を動かしただけで、酷い頭痛が襲う。あまりの痛さに、視野がぼやけ、立ちかけた姿勢は、膝から崩れた。
何とか這って木のふもとまで行き、背中を預け固く目をつぶる。
痛みが緩くなっていくのを感じる。
意識的に呼吸をする。大きく息を吸って、吐く。
2回3回と繰り返すうちに、頭痛はまだマシなレベルに落ち着いた。
どうしてこんなことになったんだっけ。
目を瞑りながらこれまでのことを思い出そうとする。そうすれば、何かこの意味わからない現状が打破出来るかもしれない。
えっと、自分は若奈白、大学生。
季節は夏、現状、夏休み。一人暮らしで、友達皆無。
いや、1人だな。
で、そうだ、図書館だ。
アレはどっから行ったけな。




