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91 イカゲソとイカ

本日三回目です!

≪古代異界烏賊≫のHPを修正致しました


 次のエリアに足を踏み入れた。≪輝きの大空洞03≫。

 そこはさっきまでよりも壁や天井の結晶体が多い。

 かなり明るくなっている。

 

 広い洞窟というのは変わっていない。

 見える範囲であの触手が二匹いる。

 地面から3m程の高さまで生えて、うねうね揺れている。


「触手狩りだー!」

「うおー! 狩るでゲソー!」


 いてもたってもいられない。

 素材を求めて駆け出した。

 タマもついてくる。

 ≪解放の左脚≫も活用して、触手は一瞬で目の前だ。


 触手の名前は≪古代異界烏賊エンシェントスピリットクラーケンの足≫となっている。

 つまりゲソだな。

 結晶みたいな質感だから分かりにくいけど、よく見ると吸盤のようなごつごつした部分もちゃんとある。

 そして足ということは本体がいるということだ。

 待ってろよ!


 足二本は俺とタマによって、一瞬で素材に換えられた。

 あえて通常攻撃で倒すのが楽しい。

 最近一撃ばかりだったから、剣で連続攻撃を当てるのがとても楽しい。


 触手の攻撃は触手自身を振り回したり、偶に結晶みたいなものを飛ばしてくる。

 Agiがとんでもない数字になってる俺達に当たるわけはなかったんだけどな。


 どんどん奥へ進んでいく。

 このエリアは触手とジュエルマンの白、黒、そして初登場の無しかいないようだ。

 無は白に似ているが、水晶のようでそんなにキラキラはしていない。


 白はダイヤなだけあってキラッキラしてるからな。

 さすが光属性担当。


 無は無属性の無で、周囲のモンスターに支援魔法をかけまくる上に水晶の塊を発射してくる。

 数が多いとそれなりに厄介だ。

 回復呪文は白の担当みたいだけど。


「お、足発見」

「ゲソー!」


 触手を見つけて狩ろうと思ったら、向こうもこっちに気付いたようだ。

 こっちに向かって来たんだが、おかしい。


 さっきの穴で見たように、穴からどんどん出てきて先端を伸ばしてくるのかと思ったら、なんと垂直に生えたままスライドするように移動してきた。

 地面の穴ごと移動してるように見える。


 さすがゲームだ。

 理屈が全く分からない。

 とりあえずさくっと両断してしまう。


 ≪古代異界烏賊の足≫のドロップは今のところ≪太古の結晶片≫と≪古代異界烏賊の吸盤≫と、何故か≪リンゴ≫。

 何故こいつがリンゴを?

 今度モグラにでも聞いてみよう。

 何か知っているかもしれない。


「この先に大きいのがいるよ!」


 どんどん進んでいると、タマが大物がいることを教えてくれた。

 本体に違いない。

 地面から生える巨大な結晶から覗き込むと、いた。

 大きな身体で、全身がクリスタルのような質感で周囲の明かりを反射して輝いている。

 良く見ると角度によって色んな色に見える。


 見えている部分は高さ10m程で、足の根本くらいから地面に埋まっている。

 二本程地面を這っているが、残りは埋まっているらしい。


 あれは足じゃなくて腕なんだっけ?

 ちなみに、周りにはさっきまで戦ってきた、縦のまま真っ直ぐ進んでくる触手が八体周囲をうろうろしている。

 あれが取り巻きってことなのかな。


 名前は≪古代異界烏賊エンシェントスピリットクラーケン≫。

 一つ気になるとすれば、身体の大部分が三角すいの貝の中に納まっていることだ。

 あれってアンモナイト? とかっていうんじゃなかったっけ。

 イカの仲間なのか?


 なんでもいいか。

 あれほどの大物ならきっとMVPボス。

 良い素材を落としてくれるに違いない。


「準備はいい?」

「おっけー!」

「大丈夫です」

「よし、それじゃあ各自バフをかけたら突撃しよう。タマは自由に動いていいぞ。魔法は多分通用しないから、物理で狙って」

「あいあいさー!」

「はい、了解です」


 まず俺は≪気功法≫を発動。

 ≪速度上昇≫と、≪無属性魔法≫のレベルが上がって習得した≪筋力上昇≫を全員が自身にかけた。

 準備は整った。

 いざ!


「とつげきー!」


 タマの姿が消えて、次の瞬間には本体を殴りつけていた。

 俺とミルキーも続く。

 とは言ってもあそこまで突貫はしないけど。

 まずは足をさっさと片付けてしまおう。


 古代異界烏賊はかなり強いみたいだが、俺達の方が強かった。

 触手は物理で殴れば簡単に木端微塵。

 本体も、HPがなんと驚きの1000万もあったがタマの怒涛の攻撃でごりごり削れていく。

 防御力も結構高いみたいなんだけどな。


 足は全滅させても、取り巻きを召喚されれば元通り。

 でも召喚するまで二十秒くらいは空くから、その間は三人で本体をひたすら攻撃する。


 HPバーが3割を割ったところで本体が地面から浮きあがった。

 いや、埋めていた足を抜いたようだ。

 直接触手をコントロールして更に赤いオーラに包まれた烏賊の攻撃は凄かった。


 が、やっぱり当たらない。

 Agiが高い上に瞬間移動も出来るからな。

 周辺を埋め尽くすような面の攻撃じゃなければ当たる気がしない。


 ミルキーはちょっとまだ不安だから、少し離れた位置で遠距離攻撃に徹してもらっている。

 スイッチが入ってからは取り巻きを召喚しなくなったからな。


 古代異界烏賊渾身の、光と結晶の混じったブレスも回避した。

 極太だし振り回すしで本来はかなり避けづらいんだろうけど、躱せてしまった。


 いっそ不憫になってくる。

 俺達の装備の為だから仕方ない。

 大事に使うから許してくれ。


「やー!」


 滅魔竜シリーズを利用した巨大な光の剣が叩きつけられた。

 堅そうな貝ごと真っ二つだ。

 真ん中から綺麗に左右に分かれた。

 古代異界烏賊のHPバーが消滅する。

 でもあれって魔法ダメージじゃないのか? もしかしてエフェクトの為だけに使ってるんじゃないよな。

 必殺技っぽいエフェクトが気に入ってるみたいだから有り得る。


「やったよモジャモジャー!」

「よーしよし、よくやったぞタマ」

「お疲れ様でした」


 強そうだった割にはあっさり倒せた。

 戦闘時間は多分一分くらい。

 俺達のステータスとスキルが異常なお陰だな。


 だけど、MVPの表示は出現しなかったうえにドロップもないようだ。

 あの強さでMVPじゃないなんてことあるのか?

 将軍クワガタよりも数倍強かったと思うんだけど。


「タマちゃんは本当に強いね」

「ふふーん、タマはさいきょーだからね!」


 とりあえずタマとミルキーのじゃれてる様子でも眺めてよう。

 そういえば、烏賊の死体が消えるの遅い気がするな。


 倒したモンスターの死体は段々と薄くなって消えて行く。

 完全に消えるまで大体十秒くらいだ。

 それがあの烏賊の死体はそろそろ二十秒経つのに薄くなってすらいない。

 おかしくないか?


 と思っていたら、やっぱりだった。

 烏賊の死体が少し浮いたと思ったらくっついて、再び地面に長い足を突き刺して埋まった。

 取り巻きが召喚されて二本の触腕と一緒に迫ってくる。

 HPバーも満タンだった。


「タマ、ミルキー、まだ倒せてなかった! もう一回倒すぞ!」

「もっかい倒せる! やったー!」

「はい!」


 タマが向かってくる触手を蹴散らすことで喜びを表現しながら本体の方へ向かっていく。

 間違いなく倒したと思ったのにな。

 もう一回倒せば倒せるのか? 



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