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8 転職の方針と三つ目の封印スキル


 今はレベルが4、職業レベルが5だ。

 兎相手には余裕で勝てるようになってきたしそろそろ他のモンスターとも戦ってみたい。


「今ので職業レベルは5?」

「そうですね」

「よし、それじゃあ耳よりな情報を教えてあげるよ」


 モグラが教えてくれたのは、転職についてだった。

 転職する際にはノービスで職業レベルを10まで上げて、冒険者ギルドにて転職出来る。

 その時にそれぞれに適正のある職業の中から選択する。

 じゃあその適正っていうのはどこで決めるのか。


 現実の肉体が持っていた得手不得手も若干考慮されるが、一番影響があるのはノービス時代のスキル。そしてステータス。

 この二つがすごく響くらしい。

 魔法系のスキルを取っていれば魔法職になりやすいし、Intを伸ばしていても同様。

 逆に物理攻撃職になりたければ、武器適正のスキルをとったりStrに振るといいらしい。


 職業を見据えてスキルやステータスを決めるか、好きなようにスキルやステータスを取った上で適正のある職業に決めるか。

 それも各個人の好みであり自由だとモグラは付け加えた。


 なんでこのタイミングで言ったのかと思ったら、そういうクエストがあるらしい。

 冒険者ギルドの初心者修練所以外でレベルを上げている冒険者にアドバイスする、的な。


 それの条件で、アドバイスをする対象は職業レベルが5になって間のない者、らしい。

 スキルが先か職業が先か、それを好きに選ばせる為の職業レベル5という条件なんだろう。


 俺の場合器用を伸ばしてるし職業スキルも前提のないものを色々とっている。

 サバイバルやら武器やら魔法。

 リラックスはMP回復の補正だから魔法職寄り?

 職業が先なら、なりたい職業に向けてステータスやスキルを固めないといけない。

 逆ならこのままやりたいようにやって、転職する時に選択肢を見てから決めればいい。


 どうしようか。

 まぁやりたいようにやろう。

 情報は大事だけど、後追いで他の人と同じような事ばかりするのは好きじゃない。偶然被ったら仕方ないな、うん。


 モグラにその旨を伝えると、まぁそうだろうね、みたいな顔をされた。


 話は戻って、移動だ。次なる強敵を求めるんだ。

 このフィールド自体強いモンスターはいないし、全てノンアクティブらしい。

 その中でも街に近いこの辺りは白耳兎が跳ねてるくらいで危険は少ないそうだ。


 たださっきモグラが言っていたように、兎でのレベルアップはこれ以上は時間ばっかりかかりそうだ。

 この世界での動きにも慣れてレベルも上がった俺とタマの二人なら、難易度を上げてもなんとかなるさ。


 というわけで街から離れるように草原を行く。

 そこで見つけたのは、それなりに大きなトカゲだ。


 名前は大愛蛇。これでオオカナヘビと読むらしい。

 見た目はほぼトカゲって感じ。

 茶色くてザラザラしてそうな鱗がたくさん生えている。側面に白っぽい筋が一本。

 大きさは……長い。

 しっぽまで入れたら1mくらい? 身体の太さは俺の腕くらい。


「あ、そいつは」

「大丈夫ですよ、とりあえずやってみます」


 結構でかいけど大丈夫、いけるはず。

 モグラが何か教えてくれようとしてたけど遮った。

 可愛い顔してるしいけるって。ぬるくなりすぎるのも良くない。


 ある程度までゆっくり近づいて、駆け出した。

 タマが宙を飛んで俺の後を追ってきている。


 走った勢いそのままにナイフを振り下ろす。外れた。

 いや、かわされた。


 すばしっこい!

 Dexにかなり振ってるはずなのにかわされた。

 もしかして回避がすごく高かったりする?


 考え事が出来たのもここまでだった。

 俺のナイフを躱したカナヘビは素早く俺の右腕を登ってきたかと思うと、上腕に噛みついた。


「いたたたたたたた!」


 左手で引きはがそうとするも中々剥がれない。足の力が強いぞこいつ!

 ナイフを左手に持ち替えて攻撃しようとすると、オオカナヘビは素早く飛び退いて地面に着地した。


 俺のHPは2割くらい減ってる。痛すぎる。怖すぎる!

 いけるとか言ってる場合じゃなかった。

 こうなったらやられる前にやるしかない。噛みつきにだけ気を付けてひたすらナイフで攻撃だ。






 ぜぇはぁ、体力とかはないのに息切れしてる気分になる。

 それくらい強敵だった。


 タマに食らいついて丸呑みしようと試みているオオカナヘビの後頭部にナイフをぶっ刺してようやく仕留めた。

 強かった。

 攻撃はそれなりに痛いしこっちの攻撃は中々当たらなかった。

 タマなんて体当たりを避けられた上に反撃とばかりに口でキャッチされてたからな。

 本当にこのエリアにポップするモンスターなんだろうな?


 あのカナヘビ、モグラが言うにはこのエリアの中ではかなり強めの敵らしい。

 初心者では太刀打ち出来ないくらい素早いと言おうと思ったところで俺が止めてしまったそうだ。なんてことをするんだ俺。

 Dexに振りまくってたのが幸いして攻撃が通用していたらしい。

 あれで当たってる方だったのか。驚きだ。


 強敵なだけあって、しっかりレベルが上がった。職業レベルも両方だ。


名前:ナガマサ

種族:人

Lv:5(1↑)

Str:5

Vit:4

Agi:8(1↑)

Dex:18(2↑)

Int:7

Luc:2


 ステータスに関しては前回と同じくDexに2、Agiに1だ。

 さっきのカナヘビに対して攻撃が全然当たらなかったからな。

 今はとにかくDex祭りだ! ふりまくれ!


職業:ノービス

職業Lv:6(1↑)


スキル:

サバイバルの心構え Lv1(使用不能)

武器修練 Lv1(使用不能)

リラックス Lv1(使用不能)

魔法適正 Lv1(使用不能)

属性適正・無 Lv1(使用不能)(New)


我が道を行く Lv3(1↑)

封印の左腕 Lv3(1↑)

封印の右腕 Lv1

封印の左脚 Lv1(New)


 スキルも取った。≪属性適正・無≫は魔法適正から派生したスキルだ。

 モグラに支援系のスキルが大体無属性らしいと聞いてとってみた。使用不能だけどな。


 ちなみにモグラの知る限りでは無属性魔法はプレイヤーには人気がないらしい。

 低レベルだと大した効果は出ない上にソロが多いのが理由だそうだ。

 いいんだ、他のゲームでも支援系好きだったし使ってみたいんだ。


 攻撃魔法も気になるけど、支援特化も捨てがたい。

 とりあえずはスキルを好きなように取っていこう。


 というわけで三つ目の封印スキルも取った。

 効果は、走れなくなる。

 ひどい効果だ。歩けるだけマシなのかな?

 戦闘中ステップを踏んだりは大丈夫らしいけど、逃げたりは厳しそうだ。


 あとなんか他の封印スキルのレベルが上がってる。

 ≪封印の左腕≫か。

 常に封印されてるから常に経験値が入ってるのかもしれない。


 レベルが上がっても特に効果に変化はないようだけど何か意味があるんだろうか。


 まぁいいや。少し休憩してまた狩りを再開しよう、

 俺でももっと倒しやすい相手だといいんだけど。


 封印スキルを増やしたことを伝えたらモグラは呆れた顔をしていた。

 それでもしばらくは付き合ってくれるらしい。

 走れないのに有難いことだ。



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