閑話
本編ではないのでとても短いです
本日はあと一回本編を更新します
「そういえば先輩、このゲームってユニークスキルあほみたいに多いって聞いたんっすけど」
「ああ、そうだな」
「あれって全部誰かが考えたんですか?」
「そんなわけあるか。誰がそんな面倒なことをやるんだ。そんなことをしているやつがいるなら、引きずって来てこの作業を手伝わせてやる」
「じゃあどうやって?」
「何も知らないんだな、お前は。ユニークスキルは脳をスキャンして勝手に生成されてるんだよ。だからスキルが発生して初めてこっちでも登録される」
「そういう仕組みだったんすか。それじゃあ被験者次第ってことですか?」
「そうなるな。使えないユニークスキルしか持ってない奴は、使えない被験者ってことだ」
「マジ鬼っすね」
「うるさい」
「あともう一つ気になってたんですけど」
「何だ?」
「ゲームの世界で死んだら負荷に耐え切れずに死ぬって説明してたと思」
「嘘だぞ」
「え?」
「嘘だ。大体そんなことで死んでいたら、現実世界でも何かある度に死んでいっているだろう」
「確かに」
「死ぬと伝えれば必死に生きるだろう? この実験ではそういう個人の生き様を観察したいから、必死になってもらわないと困るんだよ」
「じゃあHPが0になっても死なないってことですか?」
「いいや」
「えっ?」
「そこは伝えた通りに死んでもらう。……と言いたいところなんだがな」
「なんだ、やっぱり死なないんすか」
「脳をスキャンしたデータとそれまでの行動パターンを解析して、NPCとして生きていってもらうことになる」
「えっ、脳はどうなるんすか?」
「廃棄に決まっているだろう。むざむざ死ぬようなモルモットを飼うスペースなんて必要ない」
「この研究所マジ鬼っすね」
「いい加減無駄口を叩かずに働け。あんまりうるさいと脳に直接ケーブル繋いでAIパソコンにしてやるからな」
「冗談に聞こえないのが恐ろしいんですけど」
「……」
「黙って働きます」
「よろしい」




