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30 勘違いと超高速変則的反復横跳び


 折れた剣はストレージに仕舞っておこう。

 あとでマッスル☆タケダに謝りに行って、新しいのを買わせてもらわないといけないからな。

 モグラからの転職祝いでもあったからモグラにも謝っておかないと。


「あれ?」

「VitとStrの二極振りなのにあっさり壊されただと……!? 何しやがったぁ!」


 さっきまで絶叫をあげてたのに、もう立ち直った。

 いや、怒りで上書きしただけかもしれない。

 顔が超怖い。

 ちょっと今気になる事を見つけちゃったんで、後にしてほしいんだけど!


「知るかそんなこと! こっちは生きていくだけで精一杯だ!」

「っ!?」


 切りかかってくるミーガンの剣を避ける。

 何故こんなに遅いのかと不思議に思っていた。

 分かった。

 ミーガンは多分本気だ。手を抜いてるつもりはないだろう。


 逆だった。

 俺が速くなり過ぎていた。

 剣をストレージに仕舞う時に視界に入ったパラメータが明らかにおかしかったからやっと気付いた。

 なんで昨日気付かなかったんだろうか。


「くそっ、あたらねぇ!」


 いくら夜とはいっても、剣一本だけのミーガンの攻撃なんか余裕で避けられる。

 というか、いつのまにか周囲は発光する光の球体が配置されていて明るくなってる。

 タマが照明替わりに設置してくれたんだなきっと。

 ありがたい。


 そんなことにも気付かないくらい視野が狭くなっていた。

 いくらムカつくやつが目の前にいるからって、少し落ち着いた方がいい。


名前:ナガマサ

種族:人

Lv:10


Str:20

Vit:4(+210)

Agi:30(+490)

Dex:20(+2)

Int:10

Luc:2


職業:挑戦者チャレンジャー

職業Lv:7


スキル

サバイバルの心構え Lv4(1↑)

武器修練 Lv5(1↑)

武器適正・片手剣 Lv4(1↑)

リラックス Lv5(1↑)

魔法適正 Lv1

属性適正・無 Lv1 

フルスイング Lv1

目印 Lv1

応急手当 Lv1

武器修練・片手剣 Lv4(1↑)

無属性魔法・下級 Lv1

スマッシュ Lv1

魔力の波動 Lv1

敏捷強化 Lv4(2↑)

生命力強化 Lv3(2↑)


我が道を行く Lv10

解放の左腕 Lv7(1↑)

解放の右腕 Lv3

解放の左脚 Lv1

封印の右脚 Lv4

成長促進 Lv1(MAX)

取得経験値増加 Lv10(MAX)

無刀両断 Lv5(1↑)


 スキルも地味にレベルアップしてるわけだが、注目なのは各ステータスの部分だ。

 AgiとVitとDexの横に謎の修正値がある。


 Dexの(+2)は≪オオカナヘビの皮手袋≫の効果だ。

 じゃあVitとAgiは?

 スキルの補正値だ。


 アホな俺は≪解放の左腕≫の効果でスキルレベル倍で済むかと思ってたんだ。

 ≪解放の左腕≫はユニークスキル。

 ということは≪我が道を行く≫の効果の対象である。

 つまり、≪我が道を行く≫のスキルレベルが10だからさらに10倍されるわけだ。


 その結果がこのアホみたいな補正値だ。

 なんだよ。タマのことチートとか言っておきながら、俺の方がひどいじゃないか!

 タマのIntより高いぞこれ!

 そりゃあタマも楽しそうに追いかけてくるしミルキーは追いつけないよ!


 あの呆れ顔ととんでもないですねって言葉は、俺に向けられてたんじゃないか!

 でもいいんだ。

 この高いステータスのお蔭でミーガンに嫌がらせが出来るんだから。


「うばばばばば、も、もうやべべべべべ」


 今俺が何をしているのかというと、ミーガンを執拗に蹴り続けているだけだ。

 ただ普通に蹴ってるわけじゃない。


 ≪解放の左脚≫の効果で離れた距離に一歩で届く。

 つまりそれは、離れた位置から瞬間移動じみた蹴りを当てられるということだ。

 しかも空中も蹴れる。

 ということは蹴って退く時は、空中に退避出来る。

 そしてそこからまた空間を跳躍しての蹴り。

 三次元で見える位置ならどの方向へでも退避。

 そして蹴り。


 この繰り返しをAgi500とかいう数値をフル活用して、全速力で行うとどうなるか。

 ミーガンは全方位から、超高速の見えない蹴りをかまされて動けないでいる。

 蹴りが与えるダメージは1しかない。

 何故なら≪封印の右脚≫の効果で-80%、さらに≪我が道を行く≫の効果で10倍されて-800%されているからだ。

 -800%されたらマイナスじゃないかと思ったが、最低1は通るらしい。

 ただ衝撃はスキルの効果に関係なく発生するようだ。ミーガンは亀のようにうずくまったまま、まともに動けないでいる。


 最初はミーガンも反撃しようと剣を振ったり、防御しようとしたりしていた。

 でも俺はほぼ自由自在に動き回れる。

 ミーガンの身体を蹴った後は5m程距離を空けた場所を蹴るから反撃は届かないし、その攻撃が出来るような時間があれば、俺は既に背後の空中を経由して背中を蹴れる。

 どうやっても防げないと悟ったミーガンは、亀になってしまった。


 このミーガンの身体と、360°あらゆる角度の空中もしくは地面との間で行われる超高速変則的反復横跳びは、非常に楽しい。

 思考も加速されているのか、この速さで動いていても支障はない。

 感覚的には本当に反復横跳びをしているくらいでしかないからな。

 だから衝撃もそこまでのものじゃないはずだ。多分。


 ミーガンの頭上の空間を蹴る。

 ミーガンの脇腹を蹴る。


「ぐ」


 ミーガンの後ろの方の地面を蹴る。

 ミーガンの頭を蹴る。


「ぐ」


 何度も何度も何度も何度も。


「ががががががががががが」


 何度も何度も何度も何度も、何度も何度も何度も何度もミーガンの身体を蹴って跳び周った。


 ダメージ1とはいってもダメージには変わりない。

 ミーガンのHPも減っていく。

 そんな時の為のスキルがあった。


「応急手当!」


 蹴りの合間にこのスキルを混ぜるだけでいい。

 本来はごくごく僅かなHPしか回復出来ないが、ユニークスキルのおかげで数十倍の効果が発揮できる。

 1ずつのダメージなら充分だ。

 レベルが上がれば回復魔法がなくても大丈夫なくらい回復するかもしれない。

 

 飽きるまでミーガンに蹴りを入れ続ける。

 爽やかないい汗がかけそうだ


「タマもやるー!」

「タマは殺しちゃうからダメ!」

「はーい」



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