閑話
本編ではないのでとても短いです。
本日本編をもう一度か二度更新します。
「そういえば先輩、売った金額をアイテムやステータス、スキルに換算するってあれ大変そうっすよね」
「やってないぞそんなこと」
「え」
「やってない。明確に契約したわけでもないし、売却額がいくらだからこのスキルを得られます、なんて説明もない。元々のステータスや、生えてきたユニークスキルのことだろうと勘違いするだろうさ。そもそも、奴らはもうこっちに文句を言うことも出来ん。そんな面倒なことする訳がないだろう」
「うわー、この研究機関マジ鬼っすね」
「何とでも言え。信じる方がバカなんだ」
「うわー……。それを堂々と言っちゃうのも鬼っす」
「うるさい。作業に集中しろ」
「でも、よくよく考えると今進めてるプロジェクトもかなり鬼っすよね」
「よく考えないと分からないのか」
「被験者達は24倍の早さって聞かされてたのに実際はその逆で24分の1。実験開始から約5年を目途にカスタムパートナーオンラインの正式サービス開始とか」
「それくらいしないと実験にならないからな。仕方ない」
「あっ、でも被験者同士でゲーム開始時の時期とかの話してたら、食い違いでばれるんじゃないっすか?」
「ばれたところで奴らにはどうにも出来んと言ったはずだが。それに、脳を直接繋いでいるんだ。実験のことを含む現実でのことのほとんどにフィルターが掛けられていて、発言や記したりすることは出来ないようになっている」
「マジっすか」
「マジだ。きちんと契約書にも書いてあるからな。奴らはそんな契約でも結ばざるを得ない、もしくは結びたい実験台という訳だ」
「先輩マジ鬼っすね。鬼どころかもう鬼大王っす」
「正式サービス開始までにゲームバランスの改善と、ゲーム内時間を現実に合わせる為の準備があるんだ、キリキリ働け」
「へーいっす」