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247 廃坑道とスケルトンワーカー

祝☆60万字!


 出ない。

 一時間狩ったくらいじゃ≪ゴーレム結晶≫は落ちないのか。

 そもそもゴーレム自体少ないしな。

 もっとゴーレムばかりわらわら出現するエリアを探した方が効率が良いかもしれない。


「他のエリアに行ってみようか」

「いえっさー!」

「キュルル」


 せっかくなので歩いて移動する。

 山岳地帯だが、こういう道を歩くのも悪くない。

 西に向かってみようか。


 割とすぐに隣のエリアへの境界に来た。

 そのまま突入する。

 見た目はあまり変わらないが、全体の起伏が激しい感じになっている。


 出現するモンスターは、大きなサソリ、≪ストーンマン≫、≪ミネラル≫。

 おろし金とタマが蹂躙劇を繰り広げた。


 お目当てのゴーレムは欠片も存在しなかった。

 モンスターのランク下がってないか?


 それでもしばらく探索してみた。

 新しいエリアを歩くだけでも正直楽しい。

 もっと言えば、歩けるだけでもかなり楽しい。


 自分の足で地面を踏んで、蹴れば身体が前に進む。

 身体が動けば景色も動く。

 最高に生きてるって感じがするね。


「お?」

「入口っぽいよ! 突撃する? 突撃する?」

「ちょっと待ってね」

「あいあい!」


 しばらくうろついていると、盛り上がったところにぽっかりと横穴が空いているのを発見した。

 穴は真っ黒で、中がどうなっているか全く見えない。


 自然の穴じゃなく、人工物のようだ。

 入口のところが木枠で補強されている。


 怪しい。

 とりあえず興奮するタマを落ち着かせる。

 ダンジョンっぽいな。


 近寄って見てみる。

 木枠がそれなりに朽ちている。

 寂れ具合からして、今は使われていないようだ。

 多分これが鉱山跡だな。

 この奥に行けばゴーレムがワサワサいたりするんだろうか。


「おろし金、一旦戻ってもらっていいか?」

「キュル」

「ごめんな、後でまた呼ぶから」

「また後でね!」

「キュル!」


 おろし金は一度コインに戻す。

 鉱山の中は狭そうだし、何が起こるか分からないからな。

 カナヘビモードのおろし金を連れて歩くのはちょっと怖い。


「突撃だ!」

「うおー!」


 タマと一緒に入口へ飛び込む。

 見えないベールでも潜ったように、一瞬で景色が変わった。

 薄暗いが、見えない程じゃない。

 天井部分が微かに光っているようだ。


「何がいるかなー?」

「何がいるんだろうな?」


 通路を進んでいく。

 思った通りあまり広くない。

 横幅が4mくらい、縦も4mくらいだろうか。

 天井は弧を描いているから、壁際になるともう少し低くなる。


 しばらく歩くと、灯りが見えた。

 ゆらゆらと揺れている。

 近づいてみると、ランタンを持って歩く骨の姿が見えてきた。


 名前は≪スケルトンワーカー≫。

 この鉱山で働いていた人がアンデッド化した設定なんだろうか。

 右手にはツルハシを持ち、ガリガリと地面を引きずっている。

 左手のランタンはぼんやりと周囲を照らしている。


「とうっ!」


 タマの次元跳躍キックが突き刺さり、スケルトンワーカーは粉々に砕け散った。

 最近非生物の敵が多いから、砕け散るのに慣れてしまったな。

 生物もタマの攻撃を受ければ爆散はする。

 それでもそこまで派手ではない。

 派手にしたらえぐいことになるだろうからな。


「むふー!」

「よしよし、タマは強いな」

「さいきょーだからね!」


 やってやったぜ! みたいな顔をしているタマを撫でてやる。


 さて、ドロップアイテムは何かあるかな。

 ぽろっと何かが落ちたのは見えた。

 ≪スケルトンの骨≫に≪ランタン≫……おお、≪コイン:スケルトンワーカー≫もある。


 効果は、≪中型モンスター≫に与える物理ダメージに補正がかかるようだ。

 強そうだし便利そうだな。

 中型モンスターっていうのがどの程度の範囲なのか謎だけど。


 珍しく他のプレイヤーにも出会った。

 しかも、六人程だ。

 俺がよく行く狩場では人に出会わないからな。

 ちょっとびっくりしてしまった。


 パーティーというわけでもなく、みんな別々に狩りに来ているようだった。

 俗に言うソロ狩りだな。

 内二人は自律型の相棒を連れてたし、もう一人もペットを連れてたけど。


 皆一心不乱に≪スケルトンワーカー≫を狩っていた。

 鬼気迫る感じがしたし、特に用事もないから存在に気付いたら離れるように探索を続けた。

 とは言っても入り組んだ通路で出来たダンジョンだし、横を通ったりすれ違ったりすることもあった。


 誰もそそくさと通り過ぎていく。

 挨拶が返ってこないのは少し寂しい。

 タマが怒りの一歩を踏み出そうとしたから、すぐにそれどころじゃなくなったけど。


 ここ≪ストーレ鉱山跡01≫は≪スケルトンワーカー≫しか出現しないようだ。

沸きもそれなりに多い。

 骨と≪ランタンの破片≫というアイテムがそこそこ貯まった。


 奥のエリアへの入口を見つけたので、奥へ進むことにした。

 鉱山跡だからか、空気が悪い。

 奥はマシだといいんだけどなぁ。


 ≪ストーレ鉱山02≫も、さっきまでと余り様子が変わらない。

 出現するモンスターはどうだろうか。

 ゴーレムって大きいイメージがあるんだけど、こんなほぼ通路のダンジョンにいるのかな。


 小型のゴーレムとか、いないかな。

 いるといいなぁ。


 

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