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26 狩りの精算と九死に一生?

突然閲覧数が伸びてびっくりしています。

是非とも応援よろしくお願いします!


「さてと、装備の受け取りだったな。出来てるぜ」


 差し出されたのは、≪オオカナヘビの皮手袋≫。

 昨日このマッスル☆タケダに依頼してあったミルキーへの転職祝いだ。

 ありがたく受け取る。


「ありがとうございます。じゃあはい、ミルキーさん。転職のお祝いです」

「えっ、そんな、悪いですよ」


 案の定遠慮するミルキー。

 だけどここで受け取って貰えないとこのグローブは完全に無駄になってしまう。

 多少強引でも、ここはごり押しだ。


「俺はもう持ってる装備ですし、一緒に狩ったオオカナヘビの皮で作ったので是非受け取ってください。転職のお祝いなので」

「じゃあ……、有難くいただきます。ありがとうございます」

「いえいえ」


 俺もモグラにお世話になったからな。

 その分をミルキーに返してるんだと思って欲しい。


「タケダさん、ついでに今日の分の素材の買い取りもお願いしていいですか?」

「おう、任せとけ。ただそこまで余裕があるわけじゃないからな。欲しい素材以外は正直安いぞ。いいか?」


 どうせギルドでまとめて売ったところで大して変わらない。

 それならタケダに売って、付き合いも兼ねた方がきっとお得だ。

 タケダが欲しい素材やレアなアイテムがあれば、ギルドより高く売れるだろうし。


「今日もストーレの南で狩りしてきたの?」

「今日はその先の森まで行ってきました」

「えっ、マジで? ミルキーさんも一緒に?」

「あ、はい、そうですけど……」


 何故かモグラは慌てた様子だ。

 何かあったんだろうか。

 それは素材を取引ウインドウでやり取りしてるタケダも同様だった。


「……マジみたいだな。買い取り素材が、あそこの連中の素材だ」


 昨日タマが†紅の牙†に纏わりついて狩ってきた分も別会計でお願いしようと思ってまだ渡していない。

 今日の素材を見て驚いているようだ。


「ああー……二人とも運がいいんだね。何事もなくて良かったよ。まさにチャレンジャー」

「ああ、そうだな。下手すると死んでたぞ」


 え、死んでた? どういうこと?


「あの、どういうことですか?」

「知らなかったのか」


 恐る恐る聞いてみる。

 タケダとモグラは若干呆れたような顔だ。

 無知ですみません。


「ストーレの森01は戦いやすいMobがほとんどだけど、一体だけ他に比べてかなり強いのがいるんだ。武者クワガタっていう名前のMobで、転職したてくらいじゃPTでも厳しい相手だね」


 なんだそれ、初耳だ。


「それで、今日はそいつが入口近くを徘徊してるっていう目撃情報があったから、今日は誰も行かなかったんだよ」


 なるほど。

 あのMAPには嫌がらせみたいに配置されてる場違いなモンスターがいると。

 それが出入り口付近にいたと。

 それで皆が避けてたと。

 俺達はそこへ行ったと。


「……マジですか」

「マジ」

「私達、下手すると死んでてもおかしくなかったんじゃ……!」

「うん、そうだね」


 ミルキーの顔が青くなっていく。

 多分俺も同じような顔をしてるだろう。

 なんて恐ろしいことをしてたんだ。


「まさかもう森の方まで行くと思わなかったから注意してなかったよ。ごめんね」

「いえ、俺が無知だっただけなので……」


 ほんとにな!

 モグラが謝ってくれたけどモグラに責任はない。

 全ては自己責任。

 情報収集を怠った俺が悪いんだ。


 これから先に進む時は、少しでもモンスターの情報を集めてからにしよう。

 思いつきで行動するべきじゃないな。

 あの場所でタマを放ったのはマジで危険以外の何物でもなかった。

 ミルキーは命の恩人だ。


「無事だったんだからいいじゃないか。これからは慎重にな」

「はい、気を付けます」


 タケダが男前な感じで締めてくれる。

 ちなみにその武者クワガタは二足歩行するクワガタで、手には大振りの刀を2本持つらしい。

 モグラもPTを組んでやっと勝てるだろう、って程の強さだそうだ。

 俺じゃ瞬殺されてしまう。


 まぁ切り替えよう。

 他にも聞きたいことがあったんだ。


「そういえばこんなの拾ったんですけど、どうやって使うか分かりますか?」

「ん? ああ、もう拾ったのか。ほんとに運が良いね」


 ストレージから≪コイン:オオカナヘビ≫を取り出してモグラに見せる。

 知ってるようだ。


 モグラの説明によれば、これは一種のレアドロップだった。

 このゲームではほぼ全てのモンスターがこれを落とす。

 コインは種類に関わらず、ドロップ率はゲーム中最低確率。


 使い方はいくつかあるが、現在判明しているのはそれぞれで指定された装備にセットする。

 もう一つがモンスターをテイムする。

 最後に、テイムしたモンスターの強化素材にする。


 装備にセットする場合の効果は、モンスター毎に多種多様に設定されている。

 すごく強い効果もあれば、大した効果じゃないものもある。

 だから一律でドロップ確率は低いのに、当たり外れが大きいせいで効果が弱いものが出るとがっかり感がやばいらしい。

 そして装備にセットしたものは外れないらしいから注意が必要だ。


 モンスターをテイムする場合。

 こっちはノンアクティブ状態のモンスターにしか実行出来ない。

 ある程度強いモンスターは常時アクティブだから、弱めのモンスターしかテイム出来ない仕様だ。

 テイムするとコインに+の文字がつく。


 そして最後。

 テイムしたモンスターのコインに合成する。

 これをすることでテイムしているモンスターが全く新しいモンスターに生まれ変わったりするらしい。

 相性が良くないと、ステータスが少しだけ上昇して終わることもある。


 と、モグラとタケダが教えてくれた。

 ミルキーも俺と同じで初めて聞いた風だった。

 そもそもまだドロップしたことがないらしい。


「ちなみに、これはコインを持ってる状態でギルドに行くと始められるクエストをクリアすれば、教えてもらえるよ」


 そんな情報を教えて頂いてありがとうございます。

 さて、このコインどうしようかな。

 タマが拾ってきたんだしタマに任せようかな。

 でも装備にセットしても正直大した効果じゃない。

 一応聞くか。


「タマ、このコインどうしたいとかあるか?」

「うーん」


 タマは考え込んでいる。

 ちなみに売るとタケダが2000cで買い取ってくれるらしい。

 そこそこ高い。


「タマ、ペット飼いたい!」

 

 決定だ。

 オオカナヘビを捕獲しに行こう。


「他に精算する分があったんじゃなかったか?」

「ああ、そうでした」


 今日得た素材は売ってミルキーさんと半分こ。

 昨日タマが†紅の牙†に付きまといながら狩ってきた分の素材は別で売るからと話してあったんだった。

 取引ウインドウを開いてタマのストレージからアイテムを放り込んでいく。


「ん?」


 そこにはとんでもないものが入っていた。

 あのMAPには場違いな強さのモンスターがいる。

 そしてそれは出入り口付近で目撃されていた。

 タマを放流して呼び戻すまで、1分程時間があった。

 なるほど。


≪コイン:武者クワガタ≫

部位:鎧

魔力の封じられたコイン。

武者クワガタが描かれている。

魔法耐性+50%


 これどうしよう。



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