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23 偶然の再会と思い付きのお誘い


≪解放の右腕≫ Lv1

ユニーク/パッシブ

ユニークスキル以外のアクティブスキルの効果をスキルレベル倍にする。


≪解放の左脚≫ Lv1

ユニーク/パッシブ

目に見える範囲の間にある距離を無視して一歩で移動することが出来る。

遮られていても可能。

密閉空間への侵入は不可能。

空中を蹴ることも可能になる。

Agiに+スキルレベル


 そして解放スキル。

 右腕は左腕のアクティブスキル版。シンプルでとても分かりやすい。


 左脚は読んだだけだと、よく分からない。試してみるしかないな。

 しかもおまけみたいにAgiにボーナスがついてる。

 最大で+100されるんだけどこれは大丈夫か?

 まぁ儲けたと思えばいいか。


 めでたく魔法も使えるようになったし、狩りに出て色々試してみるか。

 そろそろ先のエリアにも行ってみたいところだけど迷う。

 とりあえず外に出てから決めようかな。

 

「行くぞタマ。まずは朝ごはんだ!」

「はーい!」


 食堂でご飯を食べたら、部屋の契約更新も忘れずにやっておく。

 ここはもはや俺の拠点みたいなものだ。

 いつかは本当に専用の拠点が欲しいな。賃貸でもいいから一軒家がいい。


 時刻は午前10時。

 ちょっと遅く起きたせいかすっかりいい時間だ。

 街のすぐ南、初心者向けのMAPへとやってきた。

 昨日も狩りをしていた草原だ。


 モンスターも全部ノンアクティブで、数も少ないから危険も少ない。

 色々試すのにいいかと思ったけどプレイヤーがいっぱいいる。


 そういえば昨日もこんな感じだった。

 むしろ増えてるかもしれない。

 仕方ないから先に進んでみようか……。


「あ、ナガマサさん。おはです」

「あれ、ミルキーさん。おはようございます」

「ミルミルおはよー!」

「タマちゃんもおはよう」

「いえーい!」


 声をかけられて振り向くと、笑顔のミルキーがいた。

 丁度街から出てきたところらしい。


「ナガマサさんもこれから狩りですか?」

「モジャとタマはこれから狩りだよ!」

「はい。ということはミルキーさんも?」

「はい! 転職して新しい武器を買って、お金が無くなったのでいっぱい稼がないとです」


 そういえば昨日職業レベルが10になって転職しに行ったんだっけ。

 装備も雰囲気が変わっている。

 戦士って感じじゃないな。魔法使いっぽい雰囲気がある。


「何に転職したんですか?」

「マジシャンです」

「魔法使い系の1次職でしたっけ」

「はい」


 なるほど。

 黒いローブにとんがり帽子。そんな感じだ。


「だけど結構混んでるみたいですね」

「そうなんですよね」


 そうだ。どうせなら誘ってみるか。


「余りにも混んでるのでもっと先に行ってみようかと思うんですけど、良かったら一緒にどうですか?」

「いいんですか? ご迷惑でなければ……」

「迷惑なんてとんでもないですよ」

「それじゃあお願いします」

「ミルミルも一緒ー! 蹴散らすぞー!」


 突発的に今日もミルキーと狩りをすることになった。

 タマもミルキーに懐いているらしく、喜んでいる。

 蹴散らすのはいいけど程々にしてね。俺もスキルを試したいんだから。


 ストーレの街から下、つまり南に出るとここ、ストーレフィールド05だ。

 今日はそこから更に南へ進んでみる。


 道中のモンスターは無視して、あっという間にエリアの境界まで来た。

 どうせほとんどがプレイヤーが近くにいるし、取り合う必要もない。

 今日は†紅の牙†は見掛けなかった。


 なんか少し木が増えているような気がする。

 そのまま先へ進んで次のMAPへ突入した。

 エリア名は≪ストーレの森01≫になっている。安直だな。


 木がまばらに生えているがそこまで密集もしていないし、歩きづらくもなさそうだ。

 まずはどんなモンスターがいるか探索だな。


「すごーい! 見て見てモジャ、木だよ!」

「おう、木だな」


 前衛俺、後衛ミルキー、遊撃タマの布陣だ。

 そのタマは初めての森で大興奮だ。

 昨日から思ってたけど犬みたいなやつだな。名前は猫なのに。


 少し進むとモンスターがいた。

 60cmくらいのクワガタみたいなやつだ。

 名前は――。


「えりゃ!」


 HPバーと一緒に名前もアイコンも砕け散った。

 タマの先制攻撃が決まったな!


「やったよモジャマサ!」

「よーしよし、タマは強いからちょっと大人しくしててねー。出来るかな?」

「はーい!」

「よーし良い子だ。タマはしばらく手を出すんじゃないぞ」

「わかった!」


 タマはまだ小さな子供(?)なんだ。ここは抑えないとな。

 気を取り直して次の獲物を探そう。


「いた、さっきと同じや」

「どーん!」


 発見したモンスターは、謎の結晶みたいなもので串刺しになって即死していた。


「分かってないじゃないかこのタマー!」

「うわー!」


 ダメだ。タマの殺意が高すぎる。

 倒すのが早すぎてまた名前が確認出来なかった。

 アクティブなのかどうかも謎だ。

 もしかしたら昨日の狩りごっこで野生の本能か何かが目覚めてしまったのかもしれないな。


「タマ、ちょっと遊んできていいぞ」

「はーい」


 高速で走り去るタマ。

 制御しきれないと感じた俺は、相棒を一時放流することに決めたのだった。まる。


 メッセージも送れるし、プレイヤーの共通スキルで≪相棒召喚パートナーコール≫が使えるからきっと大丈夫だ。

 このスキルは相棒が見えない範囲にいる場合に使用出来る。

 ただし詠唱時間が固定で30秒。緊急時に使えるかは微妙なところだ。

 

「一人で行かせて良かったんですか?」

「多分大丈夫ですよ。タマは最強ですし」

「そうじゃなくて、もしもここのモンスターですごく強いアクティブモンスターがいたら……」

「相棒召喚!!」


 結局タマはすぐ呼び戻すことにした。

 余計なリスクは負わない方が良いんだ。

 タマは突然呼び戻されて面白がっていた。


 今度こそ本当に気を取り直して狩りだ!

 どんなモンスターに出会えるかな!

 


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