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213 筋肉の粋

本日二回目の更新です


「おはようございます」

「おはまっする!」

「おう、おはよう。待ってたぜ。タマちゃんもおはマッスル!」


 まだ朝だというのに、マッスル☆タケダはそこにいた。

 露店もしっかり設営が終わっている。


 スキルでワンタッチらしいから、大変じゃないらしい。

 もし全部手動だと手間だからな。

 せっかくゲームの世界なんだし、ある程度は簡略化されていてもいいと俺は思う。


 タケダが何やら操作をして、一つの武器が姿を現した。

 なんというか、すごくでかい。

 デザインがやばい。


「俺の筋力の全てを叩き込んだ力作だ。受け取ってくれ」

「はい、ありがとうございます」

「すごーい! かっこいいー!」

「はっはっはっ、やっぱタマちゃんには分かるか」

「うん!」


 その大きな……なんだろう、剣?

 これは剣なのか?

 武器を受け取る。

 分厚くて長い刀身に、柄が伸びている。


 結構重たい感じがする。

 長さは、全長3,5mくらい。柄だけでも80cmくらいある。

 見た目は、手刀の形をとった筋肉ムキムキの人の腕の肘から先を武器にした感じ。

 なんとなく狂気を感じる。


 細かい性能も確認しておこう。


≪筋肉大手刀・ギガントマッスル≫

武器/大剣 レア度:C+ 品質:A+

Atk:437 Matk:0

凝縮された大地の欠片を、強靭な筋肉と共に加工して作られた圧倒的な筋肉。

武器であり筋肉、筋肉であり武器。

全ての技は筋肉と共にあり。

純粋なStr10毎にAtk+10

筋肉値:10000

筋肉値は武器を使用する毎に減少する。

筋肉値は所持者が睡眠をとることで回復する。

回復した筋肉値10につきAtk+1

上昇するAtkの最大値は筋肉値の最大値と等しい。

この武器による攻撃は全て≪格闘攻撃≫として扱われる。


「うわぁ……」

「どうだ、すごいだろう」

「とんでもないですね」


 タケダは渾身のいい笑顔だ。

 性能は確かにすごい。

 多分普通のプレイヤーが装備する分にはただの趣味の悪い大剣なんだけど、俺との相性がすごくいい。


 まず、Str依存のAtkボーナス。

 俺のStrは既に数万を越えている。

 ボーナスが10に対して10だから、数万に対して数万上がる。

 普通のプレイヤーだと200とかにしかならないだろうから、そう考えると普通の範囲のボーナスなんだけどな。


 もう一つは、判定が格闘攻撃になる点。

 俺は≪五体解放≫の効果で格闘攻撃の威力は10倍になる。

 そこに≪我らが道を行く≫で10倍の、100倍。

 攻撃力が100倍になる武器、と考えるとやばいのはすぐに分かる筈だ。


 もう一つの効果は、使えば使う程攻撃力が上がっていくらしい。

 この筋肉値っていう数値は初めて見たが、≪筋肉の塊≫を素材にした武器では標準装備なのかもしれない。

 武器自体の攻撃力も10437まで上がるとか、普通にやばいなこれ。


「筋肉が最強だってのが証明されてしまったな」

「うーん、この性能を見ると否定出来ませんね」

「筋肉の粋を集めたと言っても過言じゃないからな」


 それぐらいこの武器はとんでもない。

 筋肉がコンセプトだからこんな腕みたいなデザインだったんだな。

 そのお陰で格闘属性になってる訳だけど、なんだか複雑な気分だ。

 でも強いのは間違いない。

 有難く使わせてもらおう。


「よっと」

「なんですか、それ?」


 タケダは巨大なハンマーのようなものを取り出した。

 先端部分は握りこぶしのようになっている。

 なんだろう、同じような系統の武器を今ストレージに仕舞ったような気がする。


「実は材料が余ってもう一つ出来たんだけどな、こっちは買い取ってもいいか?」

「いいですよ。流石に大剣があればハンマーは使わないと思うので」


 一応性能だけ見せてもらった。

 名前は≪筋肉大拳骨ギガントマッスル≫。

 武器のカテゴリ違いでも、名前自体は同じか。

 シリーズものなんだろうか。

 性能は似たような感じだった。


「これでこっちの用事は終わりだな。ナガマサさんは何かあるか?」

「ついでに素材の買い取りをお願いしたいんですが」 

「おう、喜んで買い取らせてもらうぜ。ナガマサさんが持ってきてくれる素材は質も性能も良いものが多いからな」

「ありがとうございます」


 喜んで頷いてくれたので、取引ウインドウを呼び出す。

 ストレージから素材を放り込んでいく。

 メインは畑で収穫したイカの素材だ。


 主に皮と吸盤、それと吸盤。

 身も落ちるけどこれは食材だから売らない。

 ウチには食いしん坊がいるからな。

 

「そういえば、≪魔導機械≫の職人は見つかったか?」

「あー、まだ捜せてないですね」

「そうか。俺もなんとか伝手をあたってるんだが、ダメだな。二人いたが、どちらも忙しいらしくて相手にしてもらえなかった。すまねぇな」

「お気持ちだけでも有り難いですよ」

「ただ、なんか最近そっちの製造に手を出した奴がいるって噂だ。露店を見て周ったら試作品を売ってる奴が見つかるかもしれないぞ。作った本人じゃなくても、誰から買ったか聞けば職人に辿り着くことが出来るかもな」

「なるほど、ありがとうございます」


 素材の取引が終わってタケダの露店を後にする。

 良い事が聞けたぞ。

 取引が終わったらそのまま帰るつもりだったけど、少し寄り道してから帰るか。


「タマ、少し露店を見て帰ろうか」

「はーい!」



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