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201 付き添いと転職

本日二回目の更新です。

職業の説明だけでほぼ一話使ってしまいました。


 通されたのは、いつものそんなに広くない部屋だ。

 中央にクリスタルが設置されていて、側に操作用のパネルのようなものがある。

 そのパネルにギルドのお姉さんがスタンバイして、葵はクリスタルの前に誘導される。


 そして手を翳すと、転職可能な職業(ジョブ)のリストが現れる。

 ファンタジーと機械が融合した、まさにゲーム的な光景だ。

 葵はリストを見ながら唸っている。

 良い職業が出ていないんだろうか。


「付き添いの方もリストをご覧になられますか?」

「見れるんですか?」

「はい。転職希望の冒険者様の承諾があれば可能です」

「別に見てもいいよ。というか、一緒に悩んで欲しい……」

「分かった。じゃあお願いします」

「かしこまりました」


 お姉さんがパネルを操作すると、俺の前にウインドウが現れた。

 人の転職可能リストなんて見るのは初めてだ。

 どんな感じなんだろう。どれどれ。


剣士

魔剣士

重剣士

軽剣士

魔道機械士

神憑き


 選択肢は六つ。

 多いのか少ないのかは分からないな。

 俺の時は≪挑戦者≫一択だったから、それに比べればかなり多い。


「葵様はとても才能がおありのようですね」

「そうなんですか?」

「ノービスからの転職の際は普通三つか四つなので、六つは多い方です。内二つが特殊職業というのを合わせて考えると、才能に溢れていると断言出来ます」

「だってさ、良かったね」

「うん」


 葵ちゃんは、じっと画面を見つめている。

 それぞれの職業の特性をしっかり読み込んでいるんだろう。

 父親みたいになりたいらしいから、どんな職業になるかはかなり大事だからな。


 あまり話しかけて邪魔するのも良くない。

 俺も効果を読んでみよう。


 上四つは通常の一次職。

 全部剣士系なのは、ミルキーの授業の賜物かな。

 それぞれ違った特徴があるようだ。


 ≪剣士≫はオーソドックスな、そのままずばりの剣士。

 あらゆる場面で戦える感じ。

 いわゆる万能型?

 転職先も多そうな感じのことが書いてある。

 一旦これに転職して、自分のスタイルを見つけるのに良さそうだ。


 ≪魔剣士≫は魔法の込められた剣や技で戦う剣士。

 どちらかと言うと威力重視で、魔法攻撃が出来るから物理に強い相手でも活躍出来る。

 殲滅を考えるとこれかな。


 ≪重剣士≫は攻撃と防御を高めた重武装スタイルの剣士。

 攻撃特化にも出来るし防御特化にも出来るっぽい。

 戦いに関しては魔剣士と同じくらい向いてそうだけど、ソロよりはパーティー向けに感じる。

 死んだら終わりのこの世界だと、防御特化で壁特化はしたがる人少なそうだな。


 ≪軽剣士≫は速度を重視した軽装備スタイルの剣士。

 回避能力や攻撃速度を上げるスキルが揃っているようだ。

 サポートも出来る感じだし、≪剣士≫と同じくらい使いやすそう。

 ソロでもパーティーでもしっかり戦えると思う。


 ここまでが通常枠。

 なるほど、確かに特徴はあれど、そこまで癖は強くなさそうだ。


 残りの二つは特殊一次職と呼ばれるもの。

 ≪挑戦者≫もここに含まれる。

 その名の通り、特殊な条件を満たすとリストに現れる。

 俺の場合は、使用可能なパーソナルスキルを所持していない状態で転職、だった。


 その特殊一次職が二つ。

 一体どんな職業なんだろうか。

 詳細を開く。

 うーん、なるほど?


 ≪魔導機械士マジックギアウォーリア≫は、そのまま≪魔導機械(マジックギア)≫という武器を使いこなす戦闘職、らしい。

 転職条件は、『魔導機械で一定の数のモンスターを倒すこと』。

 葵の持っているあの剣は魔導機械に分類されるようだ。


 特徴としては、≪魔剣士≫よりも派手な攻撃スキルが多いっぽい。

 多分範囲攻撃も豊富なんだろうな。

 あの剣を使いこなすなら、これがいいのかもしれない。


 ≪神憑き(ゴッドポゼッション)≫……これはまた、変わった職業だ。

 自分に神の一部を憑依させることで、バフを掛けた上で相手を粉砕する、戦闘職らしい。

 能力値を上げて物理で殴る、みたいな。

 転職条件は、『自分よりレベルの高い者の助けを得て、一度もダメージを受けたことのない状態。且つ、全てのモンスターを一撃で倒している状態』。

 これって完全に俺のせいだな。


 バフ職かー。

 葵のユニークスキルとの相性はどうだろう。

 効果が跳ねあがることを考えると有用かもしれない。

 だけどデメリットのせいで、いくつも使うのは難しい。

 正直微妙な気がする。

 どんなスキルがあるか分からないから、断言は出来ないけど。


「決まりそう?」

「うー……どれがいいか分かんない」

「ざっくり説明するよ」


 リストを眺めながら考えていたことを葵に伝える。

 分かりやすいように簡単に。

 

 分かりやすいのは一般職の四つ。

 その中でも≪剣士≫と≪軽剣士≫は特に使いやすそう。


 葵の剣の力を最大限引き出すなら≪魔導機械士≫。

 一番強そうなのは≪神憑き≫。

 条件が一番厳しいし、神の力なら弱いなんてことはないだろう。


 で、追加の選択肢として≪挑戦者≫。

 1ポイントで取得出来るスキルをひたすらとって、ひたすら封印。

 そうすればとんでもない倍率になるから、そのステータスで殴る。

 いくつかは普通に使えるし、それが一番分かりやすい気がする。


 というのを説明した。

 葵はしばらく考え込み、決めた。



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