外伝 CO-ROU・THE・CROSSOVER Ⅳ
クロスオーバー外伝これにて終わりです!
詳細は後書きにて!
※最後に追加しました
派手な音楽とMVPの文字がタマの頭上で踊る。
なんとかモンスターの群れを片づけた。
タマ大暴れ。
大半はタマが二人になったりしながら蹴散らした。
途中からおろし金も参戦して怪獣大決戦だった。
≪大将軍クワガタ≫も中々の暴れっぷりだった。
一対一だと大太刀で。
複数相手は背中の幟を振り回す仕様らしい。
その幟も普通の旗じゃなく、雷光を纏っててなんか凄かった。
「ふー、なんとか生き残った。っていうかタマ強すぎ。なんだあれ」
「タマちゃん凄かった! 相棒ってあんなに強くなるんだね!」
「分裂するし空中蹴るし瞬間移動するし――立派な忍者じゃね? もしくは超強化した≪“青冠”の嶺兎≫」
「あ、分かる!」
カイトとレナの二人はどっかりと地面に腰を下ろしている。
レナみたく完璧なタイミングで範囲攻撃が使えない俺達は、範囲攻撃はほぼ封印して戦っていた。
そのせいで時間が掛かった。
その分、カイトやレナの負担も増えてしまった。
「でも楽しかったね」
「そりゃああれだけ自由にぶっ放してたら楽しいだろうさ」
「カイトなら避けてくれるって信じてたから」
「お蔭様で≪空蝉≫と≪代わり身≫のタイミングは察せるようになりましたよ」
ドロップアイテムは回収した。
このまま無言で去るのも味気ない。
声は掛けておこう。
「お疲れ様。アイテム半分渡すよ」
「ナガマサ――いや、いい。俺達はほとんど倒してないからな」
「まぁまぁそう言わないで」
「まぁまぁそう言わないで」
「なんでレナまでそっちにいるんだよ」
強引に取引申請を送る。
レナも俺に同調してカイトに迫る。
諦めたように、渋々受け取ってくれた。
「タマ、気分転換になったし帰ろうか」
「はーい!」
「キュルル!」
「待ってくれ」
「どうしました?」
「こんなことNPCに言っても仕方ないかもだけど――ええっと、くそ。今、俺達はここじゃない世界をメインに戦ってる。この世界にいるのは、偶々で、ただの息抜きだ。明後日には元の世界に帰る」
「はい」
「だけどいつか、その内またここに来る。その時はしっかりレベルも上げて、もっとスキルも使いこなす。だからその時は、また戦ってくれないか?」
カイトの眼は真剣だ。
どうやら、俺がNPCであることを配慮して言葉を合わせてくれたらしい。
「いいですよ」
「よし、約束だからな!」
「はい」
そのお願いは、断る理由が無い。
さっきの戦いは見てて面白かったからな。
いつか来るその時までに、俺もしっかり戦い方というのを学んでおきたいと思えた。
「男同士の友情ってやつ?」
「タマ分かんないモジャ」
「えー、私もカイトと熱い友情を越えた何かを育みたいなー。羨ましいー」
カイトと握手を交わす。
遠巻きに見ているレナとタマは何か会話をしているが、距離があって聞き取れない。
「俺達も帰るか。今日は色々と満足した」
「そうだね、流石に私も疲れちゃったよ」
「もし良ければなんだけど、乗っていく?」
「「え?」」
背中にカイトとレナとタマを乗せて、ドラゴンモードのおろし金が飛び立つ。
タマは二人が落ちないように、セットで支えてもらっている。
乗れるスペースは狭いから、俺は空を駆ける。
「あの人も空中蹴れるのか――って、うわっ、たかっ」
「待ってちょちょちょ、ちかいちかいうひゃおう」
「何? 風切音が凄くて聞こえないぞ!」
「なんでもなーい! 空の旅最高ー!!!」
これが、元気な二人組との出会いだった。
次はいつ会えるだろうか。
今からその日が楽しみだ。
「ナガマサさん凄かったね。あれだけのモンスター相手に一方的だったよ。タマちゃんもすごい勢いで蹴散らしてたし!」
「あれヤバ過ぎるだろ。βNPCってのはみんなああなのかね」
「掲示板とか覗いてみたけど、そうじゃないみたいよ」
「あの人だけが特別なのか、なんか燃えてくるな」
「再戦の約束したんだよね?」
「ああ。でもま、しばらくはCO-ROU・THE・CHRONICLEに集中するつもりだ。あの人は、ゲーム人生のラスボスくらいの目標だな」
「そっか、カスタムパートナーオンラインに浮気したらどうしようかと思ったよ!」
「浮気って。どっぷりハマってるから大丈夫だよ。レナも責任持って付き合ってくれよ?」
「勿論! 地獄の果てまで付き合うからね!」
「地獄の果てはちょっと」
「そこは喜ぶとこじゃない!?」
クロスオーバーを募集されているところへ私が飛びついて、実現させて頂きました。
作品は烏妣 揺先生の「CO-ROU・THE・CHRONICLE〜虎狼忍術史伝〜」です。
URLはこちら「https://ncode.syosetu.com/n5108fh/」
同じVRMMOジャンルですが、忍者をテーマにしたゲームと、ヒロインと主人公の掛け合いが魅力的な楽しい作品です。
恐らく先生の作品の魅力を最大限発揮することは私では出来ないと思いますので、少しでも興味が湧きましたら是非、本家本元を読んでみてください!




