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21 記念の装備


「お疲れ様でした」

「あ、はい。おつでした」


 †紅の牙†の相棒である黒剣をタマにへし折らせたあと、俺とミルキーは引き続き狩りをした。

 獲物は相変わらず少なかったけど、オオカナヘビを何匹か狩れたから経験値的には良かった、らいいな。


 そして夕方になったので、そろそろ引き上げようと街まで戻ってきた。

 今はドロップアイテムを半分ずつ分配し終わったところだ。


「今日はありがとうございました」

「いえいえ、こちらこそ付き合ってもらってありがとう」


 一人でいるよりも楽しかったしな。

 支援系のスキルを取れればもっと楽しくなるんだろうけど。


「良ければフレンド登録お願いします」

「あ、喜んで。また狩りしましょう」

「はい、是非お願いします!」 


 ミルキーは職業レベルが10になったそうで、これから転職だそうだ。

 早くない?

 オオカナヘビの群れにも遭遇したし、ほとんどオオカナヘビばかり狩ってたお陰かな。

 

 本当はモグラみたいに付き添いたかったんだけど、マッスル☆タケダとの約束もあるし諦めた。

 俺が付き添って何かアドバイス出来る訳でもないし。


「おお、いらっしゃい」

「どうも」


 マッスル☆タケダの露店に到着した。

 場所は変わっておらず、立派な筋肉も変わりないようだ。


「装備出来てるぞ。確認してくれ」

「ありがとうございます」


 頼んでいた装備を受け取る。

 どれどれ、どうなったかな。


≪オオカナヘビの皮鎧≫

防具/鎧 レア度:E+ 品質:C-

Def:+6 Mdef:0

オオカナヘビの皮で作られた鎧。

鱗はそれなりの強度があり、軽くて丈夫。


≪オオカナヘビの皮手袋≫

防具/手袋 レア度:E+ 品質:D+

Def:+1 Mdef:0

オオカナヘビの皮で作られた手袋。

甲の部分は鱗で覆われており、手を守っている。

Dex+2


 おー、結構良さげだ。


「いい感じですよ、ありがとうございます!」

「そうかそうか。そりゃあ良かった。んで、皮が少しだけ余ったんだが買い取らせてもらってもいいか?」

「いいですけど、どうかしたんですか?」

「それがな」


 どうやら手袋にDexのボーナスがついてたので自分用にも欲しくなったそうだ。

 全然構わない。それどころかオオカナヘビの皮なら追加がある。


「今日もオオカナヘビ狩ってきたんですが、皮が必要なら売りますよ?」

「マジか! いやぁ、そいつは助かる」

「ただちょっとお願いがあるんですけど」

「おう、俺に出来ることなら何でも協力するぞ!」


 どうせもののついでだ。

 グローブをもう一双作ってもらおう。

 ミルキーの転職祝いだ。

 モグラはグローブは装備してたし、また別の機会だな。


「じゃあ買い取り金額から今回のグローブの分の代金を引いて、占めて387だから……おまけして390cでどうだ?」

「じゃあそれで」

「取引成立だな。毎度あり!」


 タケダから作成費用を引いた、買い取りの代金を受け取った。

 正直相場なんてよく分からない。

 信用取引で大丈夫だろう。

 これでも昨日より稼げてるしな。順調順調。


「ところで、ナガマサさんの相棒はどうしたんだ?」

「あー、タマですか。実は色々ありまして」


 今俺の横にタマはいない。

 別行動だ。

 ただそれを説明する為には、今日あったことを話さないといけない。

 仕方ないから大雑把にかいつまんで、†紅の牙†の相棒をへし折ったところまで説明した。


「っはー、訳の分からん奴がいるもんだな」

「全くです」


 危うく死ぬところだったからな!


「だからオオカナヘビの皮があれだけあったのか。それで、タマちゃんがいない理由はなんなんだ?」


 そう、それなんだが、タマにはあるお願いをした。

 本当なら12匹のオオカナヘビから生き延びた後に絡んできた†紅の牙†を、適当にやり過ごしてから実行するはずだった作戦だ。

 あんまりにも不愉快だったからまず相棒をへし折ったわけだ。


 そしてその作戦とは、まぁ単なる嫌がらせでしかない。

 タマを奴の近くに張り付かせて、モンスターを見つけて寄っていったところで先に倒させる。

 ただそれだけのことだ。

 あいつ自身が何もしてないモンスターを倒しても問題ない、早い者勝ちだと言ってたし問題なんてどこにもない筈だ。

 ≪自律行動≫の特徴スキルを伸ばすと、プレイヤーから離れて行動することも可能になるらしい。

 タマが設定をいじったりステータスやスキルのポイントを自由に振れたのも、このスキルのお陰だそうだ。


「おいおい、えげつねぇことするなぁ」

「こっちは死にかけてますからね。むしろそのくらいで済ますなんて優しいと思いますよ」

「ま、ちげぇねぇ」


 とりあえず今日一日は獲物が目の前でとられる悲しみを存分に味わうがいいさ。

 これで懲りてくれるといいんだけど。


 タケダの露店をお暇した後は、宿までの道中にある露店で腹を満たした。

 憧れの露店。買い食い。最高だ!


 そして部屋に帰ってきた。

 ベッドに倒れこむ

 疲れた。

 本気で疲れた。

 色々あり過ぎてレベルアップの操作を一切してない。

 いくつか上がってたとは思うんだけど……明日でいいや。


 死にそうな目に遭うのは二度と御免だ。

 その為にはしっかり鍛えよう。

 タマがいれば、がっつりレベル上げ出来るはずだ。


 情けなくはないはず。タマは俺の相棒だし。

 いっそ情けなくたっていいか。

 強い者に頼って何が悪いのか。生きる為なんだから何も問題ない。

 あいつにタマをけしかけたのだって、殺されそうになったんだからあれくらいの仕返しは可愛いものだ。


 ああもうやめやめ。

 寝よう。



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