19 タマ爆発とネタバラし
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目の前の光景は凄惨なものだった。
あまりの惨状に目を覆いたくなる。
どうしてこんなことに……。
あれだけいたオオカナヘビは、見るも無残にバラバラにされてしまっていた。
ドロップアイテムを残して消えていく。
オオカナヘビは全滅した。
タマはどこ行ったかって?
俺の腹にすり寄って来てるよ。何故か人型になってな!
「モジャマサ~!」
「モジャマサじゃない! ナガマサだ!」
「モジャモジャ~!」
「ああもう!」
どうしてこうなった!?
さっきタマが俺の前に飛び出してオオカナヘビに集られそうになった時、一瞬タマの球体みたいな身体が激しく発光した。
あまりの眩しさに目を閉じたんだが、目を開けたらもうこの惨状だった。
そしてタマもこの姿になっていた。
外見は大きなサイドテールの、中学生くらいの女の子。
服装は最初の俺と同じく、質素な服に初心者装備。
言葉も話せるようになったらしい。
俺の天パ気味の髪の毛が気に入ってたようでモジャモジャうるさい。
わけがわからない。
あの群れどうやって倒したんだ。
最近全く確認してないけどタマのレベルは全く上がってなくて、スキルもないしステータスも1だったはず。
「タマ強いでしょー。褒めて褒めてー!」
「あ、ああ、すごいすごい」
「やったー!」
こんな調子じゃ本人に聞いても理解出来るか分からない。
とりあえずタマのステータスを確認すれば何か分かるかもしれない。
名前:タマ
種別:相棒/???
Lv:32
Str:48
Vit:115
Agi:87
Dex:138
Int:212
Luc:58
相棒Lv:23
スキル:
取得経験値増加 Lv10(MAX)
大いなる躍進 Lv10(MAX)
命の輝き Lv10(MAX)
奇跡の心 Lv10(MAX)
超時空閃光弾 Lv10(MAX)
煌晶刃 Lv10(MAX)
滅魔光竜法 Lv10(MAX)
我が道を行く Lv10(MAX)
特徴スキル:
自律行動 Lv10(MAX)
自律思考 Lv5
魔法強化 Lv10(MAX)
火属性魔法 Lv10(MAX)
風属性魔法 Lv10(MAX)
光属性魔法 Lv10(MAX)
攻撃力強化 Lv10(MAX)
防御力強化 Lv10(MAX)
魔法攻撃力強化 Lv10(MAX)
魔法防御力強化 Lv10(MAX)
浮遊 Lv10(MAX)
飛翔 Lv10(MAX)
敏捷性強化 Lv10(MAX)
人型 Lv3
なんだこれ。
タマのパラメータがえげつないことになってる。
まずステータスがやばい。
一番低いStrが48。
まぁまだこれは常識的な数値かもしれない。
だけどIntが212!?
レベルいくつになったらこんな数字になるんだよ!?
パーソナルスキルもやばい。
効果も全ては確認してないけどちらっと見たかんじでは、かなりやばい。
全部ユニークスキルで、何故かある≪我が道を行く≫の対象になってるからとんでもないことになっている。
「タマ、ちょっとこっち! カモン!」
「はーい!」
一旦操作をやめてタマを呼ぶ。
いつの間にかミルキーに褒めてもらっていたタマは、元気よく返事をして駆け寄ってきた。
ミルキーは困惑しながらも相手をしてくれてたみたいだ。
有難い。
だけど俺も困惑してるからちょっと説明は待ってほしい。
「タマ、ちょっと聞きたいんだけどいいか?」
「いーよー!」
一体何がどうなってこうなったのか。
しばらく時間をかけて問い詰めた話をまとめると、こういうことだった。
スキル≪自律行動≫を得たタマは、俺の発言に怯えた。
そう、レベルが上がったら強化して投げてぶつけるという、冗談だ。
まず最初にログの設定を勝手に弄って、タマのレベルアップ関係を非表示にしたらしい。
そして何故かモリモリ入ってくる経験値にこれ幸いとスキルを取っていたら、モグラがくれた情報でパートナーリンクを実行。俺の≪我が道を行く≫を入手。
代わりにくれたのは≪取得経験値増加≫。
急に出現してたから何かと思ったらタマの仕業だった。
それでこっそり強化を続けていたらさっきの場面で、急きょ予定を繰り上げた。
残してあったポイントをつぎ込んで人型の特徴スキルを取得。
オオカナヘビの群れを瞬殺して、今に至るというわけだ。
俺もチートじみたことをしてると思っていたけど、相棒の方が酷かった。
いやおかげで助かったんだけど。
ステータスや特徴スキルの伸びがおかしい理由も分かった。
タマの持つユニークスキル、≪大いなる躍進≫の効果だった。
これは全ての取得経験値をスキルレベル倍にする上に、基本レベルのアップ時にもらえるステータスポイントに+2。相棒レベルのアップ時にもらえるスキルポイントに+1するとかいうとんでもスキルだった。
これだけならまだしも俺から≪我が道を行く≫を引っ張って来てるせいで1レベル上がる毎にステータスポイントが20、スキルポイントは10上がるチートと化していた。
酷過ぎる。
「すごいでしょ! これでタマを投げたりしないよね!?」
でもまぁ俺の発言のせいでもあるみたいだし仕方ないか。
戦力としては申し分ないわけだしよしとしよう、うん。
ゲームならチートなんて最初は面白くてもすぐ飽きて退屈なだけだ。
でもこの世界は違う。
第二の人生だ。
楽が出来るならするべきだ。
さっきもタマが育ってなかったら多分死んでた。
うん。俺の相棒は最強だ。
「おー、生きてたのか。おつかれおつかれ」
「ちょっとあなた、よく顔が出せましたね!」
気を取り直したところで†紅の牙†が戻ってきた。
流石にミルキーも我慢出来なかったのか食って掛かる。
「なんだよ、うるさいな。そんなことよりほら」
「は? なんですか?」
「ドロップアイテムだよ鈍いな。オレの獲物横取りしたんだからさっさとオレの取り分よこせよ」
「はぁ!?」
ミルキーの動きが止まった。
呆れて言葉が出ないんだろう。
今回は俺もなぁなぁで済ます気にはなれない。
とっちめてやる。




