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175 祝勝会と畑仕事

本日二回目の更新です。


 買い物に行って戻ると、二人とも居なくなっていた。

 倒れた伊達を†紅の牙†が運んで行ったのかもしれない。


 パーティーが始まった。

 前回より食材がかなり多いから、バーベキューコンロを二台増設した。

 お陰で適度に人数がばらけていい感じになった。

 どんどん焼いてはどんどん食べる。


 今回はみんなが食材を持ち寄ってくれたから、量も種類も多い。

 村で買ったお肉と野菜。

 ミゼルが用意してくれた高級品のお肉と野菜。


 モグラとゴロウは≪霜降らせ牛(フロストブル)≫のお肉を狩ってきた。

 レアなモンスターで、このお肉もかなり高価らしい。

 しかもその分美味しい。


 昭二は村の畑で採れた野菜と、こちらも村で作ったお酒を持って来てくれた。

 野菜はタマネギ、ピーマン、ネギ等バーベキューでは定番らしいものがしっかり揃っていた。

 普通の野菜も畑に植えてみようか。

 お金も入ったし、ミルキーに相談して畑を拡張するのも良さそうだ。


 パシオンが持ってきてくれたのは、チーズだった。

 一抱えもあるような大きな塊だ。


「これをこうすれば……うむ、うまい」

「お兄様、私にもくださいな」

「よしよし、かけてやるぞ」

「パシオン様、私にもください」

「よしきた」

「パシオン様オレにもちょうだいー」

「あ、俺にはブロックで」

「俺も一つもらえるか」

「ええい、男共は自分でやれい!」

『わらわもこのチーズというのを食べてみたいのじゃ』

「順番だからな、少し待っていろ」

『うむ』


 溶かして掛けても良し、ブロックにして焼いて食べても良しと、好評だった。

 チーズ担当になったのか、せっせと注文に応えていっている。

 文句を言いながらも無視することはない。

 シスコンさえ発揮しなければ有能なんだよなぁ。

 

「このお肉は全部タマのだー!」

「あっ、それはオレが焼いてたやつ! 渡さないよ!」

「肉! 肉! にくううぅぅぅぅぅぅぅうう!!」


 一か所でタマ、モグラ、ゴロウによる肉の奪い合いが起きていた。

 チーズを取りに行った隙にタマが侵略したらしい。

 

 勿論勝ったのはタマだ。

 倒れ伏した二人に腰かけて、幸せそうにお肉を頬張っている。

 お土産の高級なお肉はまだいっぱいあるから、そんなに慌てなくても良いのに。


 石華はお酒を用意してくれた。

 赤ワインだけどアイテム名は≪クリスタルワイン≫となっていた。

 これが好評で、特にパシオンが気に入っていた。

 お城で飲みたいらしく取引まで始め出した。


 石華に聞いてみると、お小遣いで買ったワイン樽を結晶城で保管していたらああなったらしい。

 宝石化したハーブ類と合わせて、この村の名産にならないだろうか。


 名産と言えば、畑で食材としてのイカも収穫出来た。

 生えている足を攻撃して倒す。

 すると、素材をドロップする。


 大体は≪輝きの大空洞≫で拾ったアイテムのままだったが、畑に植えた影響か包丁系の装備でなくとも食材を落とすようだった。


 お陰で唯一の海鮮として人気が出ている。

 皆海鮮に飢えてるんだろうか。

 港町に行ったら色々食べよう。


 パーティーは大いに盛り上がった。

 前回の反省を踏まえてか、モグラもマッスル☆タケダも酔って暴れることはなかった。

 出汁巻と三人で裸にはなってたけどな。

 早々にタマとミルキーにしばかれていた。


 翌日。

 朝になった。


 うちに泊まったのは、モグラタケダゴロウの三人組。

 今回は空き部屋に大人しく収まって一安心だ。

 

「モジャが落ちてる! 抜こう!」

「うわああああああああ」


 タマとの心温まるやり取りを終えてリビングに降りた。

 時間はまだ朝6時なのにみんな起きていた。


「おはようございます、タマちゃん、ナガマサさん」

「おっはよー!」

「おはようミルキー。あれ、おはようございます。みんな早いですね」


 挨拶を交わしながら話を聞く。

 みんな朝の畑仕事を手伝ってくれる為に起きてきたらしい。

 せっかくだし手伝ってもらおう。


 ミルキー以外の皆で畑へ移動する。

 いつも通り結晶が生えている。

 隣の畑には侵食していないところを見ると、その辺りはシステムで保護されているようだ。


 良かった良かった。

 隣の畑にまでイカの足や雑晶が生えたら大変だ。

 また謝らないといけなってしまう。


 雑晶を抜いて、粉を撒く。

 いつも通りの日課だ。


「これを抜けばいいの?」

「はい、お願いします」

「ようし、俺の筋肉に任せとけ」

「頑張るぞー」


 けど今日は人数が多い。

 いつも通りの畑仕事も賑やかだ。


「ふん! ほうりゃ! よいしょ!」

「タケダさん張り切ってるねー」

「最近は防具の作成依頼が多くてな。偶には筋肉を動かさないと鈍っちまう」

「今話題の職人だもんねー」

「そうなんですか?」

「ナガマサさんの持ち込んでくれる素材のお陰でな。儲かってるのはいいんだが、そろそろまたタマちゃんの鎧みたいな力作を作りたいもんだ」


 雑談をしながらのんびりと作業を進める。

 タマとおろし金は粉を撒いてくれている。


 今日はハーブと薬草が収穫可能になっていたので葉を摘む。

 品質も高いし、何かに使いたい。

 生産スキルを取ろう取ろうと思ってるのに、ついつい後回しにしてしまう。


 家に戻ったら朝食だ。

 ミルキーの用意してくれたサラダとスープを皆で食べる。

 野菜は、昨日昭二がくれたものの残りだ。

 生で食べても美味しい。


 今日は何をしようかな。

 せっかく皆がいるし、どこかに狩りに行くのも良い。

 伊達が教えてくれた島も気になる。

 とりあえず相談してみよう。

 


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