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170 決着と食材集め



 †紅の牙†と伊達正宗の決闘は、†紅の牙†の勝利で終わった。

 そもそもどうして二人が戦ってたのかが、よく分からない。

 モグラが言うには伊達が俺を後ろから攻撃しようとした、ように見えたんだとか。


 それを†紅の牙†が止めるのが分からないんだよな。

 しかも決闘にまで発展するのが、本当に謎。


 二人の戦いが終わったところで俺達は撤収することにした。

 三日月との戦いは俺達が勝利したし、残ってる意味がない。

 これからみんなで勝利のパーティーだ。


 †紅の牙†も誘ってみようかと思ったけど、声を掛けてみたらすごい怯えてたからやめた。

 そんなに怖がらなくても良いのに。

 少しだけ話をしたけど、三人も仲間が出来て楽しくやっているらしい。


 女の子ばかりで、まるでアニメか何かの主人公みたいだ。

 短期間ですごく強くなってるからな。

 トッププレイヤーの中でも有名な、伊達に勝利するくらいの急成長っぷりだ。


 あの呪いとやらは俺にも有効なのか聞いてみたら、Lucが高い相手には効かないとのことだった。

 ちょっと安心した。


 補正値が反転したら、間違いなく1になるからな。

 チート殺しみたいなスキルだ。

 マイナスをプラスにするスキルといい、それすらも主人公っぽい。


 というか、このゲームの状態異常は全て何れかのステータスで抵抗出来るらしい。

 つまり俺達には状態異常はほぼ利かない。

 良い事を聞いた。


 パーティーの話に戻ろう。

 我が家に戻った俺達は、分担して準備をすることにした。

 準備と言っても特別なことは何もない。

 ただの食材集めだ。


 内容は話し合いの結果、今回もバーベキューとなった。

 放牧エリアは八割方城で埋まっているが、まだバーベキューが出来るくらいのスペースはある。

 道具なんかは前回のものをそのまま使えるから、後は食材だけというわけだ。


「ようし、ゴロウちゃん、とびきり美味しい肉を狩りに行くよ! ついでにタケダも連れて来よう!」

「合点承知!」

「出汁巻玉子、城へ戻って一級の食材を手配してくださる?」

「畏まりましたっす」

『ではわらわはとっておきの酒でも用意しておくとしようかのう』

「儂も秘蔵の酒を出すぞ! うちの畑で採れた野菜も持って来るけんな!」


 皆大張り切りで食材の準備に駆け出していく。

 家に残ったのは俺、タマ、ミルキー、ミゼル、おろし金だ。

 俺も何か仕入れて来ないといけないな。

 ミルキーは食器とかの準備と、ミゼルを一人にするのもあれだからお留守番をしてもらう。


「それじゃあ俺もちょっと出かけてくるね。行ってきます」

「行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい。気を付けて」

「いってらっしゃいませ」


 裏口から放牧スペースへと出る。

 タマとおろし金も一緒だ。


 さて、どこへ行こう。

 こうして考えると、今まで行ったことのある場所で食べられそうなモンスターがほとんど思いつかない。

 最近石とか宝石を砕く日々を過ごしてたせいだ。


 その前も、クワガタばかりを蹴散らしてたから食材に縁が無い。

 辛うじて狼のモンスターなら食べられるか?

 ≪ジュエルマン≫や≪ストーンマン≫よりは肉付きが良いし大丈夫だな。


 それなら、クワガタ系も案外いけるんじゃないか?

 将軍クワガタはあれだけど、他のクワガタなら普通に食べられそうな気がする。

 よし、早速狩りに行こう。


「おろし金、頼む。まずはストーレの森に向かってくれ」

「キュルア!」


 ドラゴンモードのおろし金に乗って空へと飛び立つ。

 タマは相変わらず、おろし金の傍を高速で飛び回っている。

 あっという間にストーレの森へと到着した。


「さて、何が獲れるかな」


 ストレージの中から一つの武器を選択して装備する。

 それは、使い込まれた包丁だった。

 ストーレの街の宿を出る時に餞別にもらった物だ。


 見た目は少し古いけど、性能は悪くない。

 それどころか、食材のドロップ率向上もついてるからかなり良さそうに見える。


 肉等の食材は、普通はドロップしない。

 包丁等の特殊な武器を使用することで、モンスターに応じた食材がドロップするようになる仕様だ。

 その場合、普通の素材がドロップする確率が低下して、その分が食材のドロップ率に回されるらしい。


「どんどん狩るぞ!」

「おー!」

「キュルル!」


 森の中を駆け回り、目についたモンスターを片っ端から包丁で切り裂いていく。

 包丁自体の攻撃力はそこまで高くないが、高いステータスのお陰でどいつも余裕で倒せる。

 向かってくる敵は全て食材だ。


 ≪ソードビートル≫や≪クワガタ弓兵≫、≪武者クワガタ≫を蹴散らしていく。

 このモンスター達ももはや懐かしい。


 ただ、食材を落とす筈が、どいつも虫そのもののアイテムをドロップする。

 前ここで狩りをしてた時は一度も拾わなかったから、多分これがここの食材なんだろう。

 ビジュアルが中々刺激的だけど、食材として設定されてるわけだし大丈夫だな。

 どんどん狩ろう。


 三十分程で、虫がどっちゃり集まった。

 両手で抱えるくらいのクワガタを丸焼きにしたら、ボリュームに大満足間違いなしだ。


 時々、幼虫もドロップした。

 見た目は完全に太くて大きな芋虫だ。

 これも串に刺して丸焼きかな。


 狼も狩ろうと思ってたけど、虫をかなり集めてしまった。

 他の人も用意してくれる訳だしこのくらいにして、ミルキーを手伝うか。


「そろそろ戻ろうか」

「はーい!」

「おろし金、頼む」

「キュルル!」


 沢山の材料を持って家路につく。

 大漁大漁。

 喜んでくれるといいな。


「ただいま」

「ただいまー!」

「キュルル!」

「おかえりなさい」

「ナガマサ様、早かったですわね」

「ミルキーの方を手伝おうと思ってね。でも結構集まったよ」

「何を採って来たんですか?」

「ナガマサ様の採ってこられた食材、どのようなものでしょう」

「ん、これだよ」


 ストレージの中から、今日の収穫の一部をテーブルの上にいくつか取り出す。

 クワガタやカブトムシ、そして幼虫が山積みになる。

 まるごとなだけあって微妙に動いている。

 新鮮な証拠だ。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] 犯罪者がどんな設定かはわからんがやりようによっては王女を巻き込んで沙汰できたような気はするよね(笑)不敬罪、反逆罪で(笑)
2020/01/06 10:11 退会済み
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