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155 宴会跡とお引越し

本日三回目の更新です

※ダイヤモンドクイーンの名前を金剛石華に変更しました


「ふわぁ……もう朝か」


 リビングで寝てしまっていたらしい。

 のっそりと身体を起こす。

 

 宴会は盛り上がった。

 盛り上がり過ぎて混沌としてた。

 王女のミゼルの前で脱ぎだした男共三人は、最終的にミルキーの手で空き部屋の中に叩きこまれていた。


 下手すると不敬罪とかになるんじゃないのかあれは。

 シスコンのパシオンが不在で良かったな。


 それでも、酒を樽で用意しておいてよかった。

 こんなに楽しく騒いだことは無かったから、間違ってなかったと思う。

 ミルキーには迷惑かけて申し訳ないけど。


 モグラやマッスル☆タケダが飲むのは知ってたけど、出汁巻玉子や昭二まで飲むとは思わなかった。

 女王まで飲みだしたのはもっと予想外だったな。

 そもそも、食べたり飲んだりすると思わなかった。

 主食は魔力だけど、人間と同じものも食べられるらしい。


 床に転がってるモグラやタケダ、ゴロウを踏まないようにリビングを横断する。

 他の人達の姿はない。

 放牧スペースでのバーベキューは20時くらいで終了した。

 その時点でミゼル達と昭二は帰宅した。

 出汁巻はパンツ一丁の姿で、ノーチェに引きずられていった。


 残ったメンバーで、リビングにて二次会が開始された。

 22時を過ぎたくらいでお開きということで各々部屋に帰って行った。

 タマは寝てしまったのでミルキーにお願いして部屋へ運んでもらった。


 俺は残された裸三人衆の残り二人と、酔い潰れて寝てしまったゴロウの世話があったからな。


 一階の空き部屋に向かおうとしたところで、二人が這い出てきた。

 そこからは地獄の三次会の始まりだ。

 色々聞かれたし、色々話した。

 酒と一緒に下らない事や愚痴なんかも一杯交わして、間違いなく楽しかった。


 ツマミが欲しいと言い出して、家を飛び出して畑に向かったのはやばかった。

 ≪モジャ畑≫に生えてるイカの足に挑んでいく裸の男二人。

 完全に、狩りに挑む原始人だった。

 イカの足の一薙ぎで飛んでいくマッパの男は酷い絵面だったよほんとに。


 原始人共は敵わないと思ったのか、大人しく家に戻って更に飲んでいた。

 俺は2時くらいに力尽きたが、この様子だと結局夜明け近くまで飲んでたんじゃないか。

 

「おはようございます」

「おはよー!」

「あ、おはよう。タマ、ミルキー」


 空になった樽やコップを片づけていると、二階からミルキーとタマが下りてきた。

 二人の後ろをおろし金もついてくる。

 器用に階段を下りるなぁ。


「今日は狩りはどうしますか?」

「どうしようかなぁ」


 俺はそんなにお酒を飲んでないから体調は悪くない。

 時間は……まだ6時か。

 体調は悪くないが、なんかちょっと休みたい気分だ。

 少なくとも部屋で二度寝をしたい。


「……お昼まで二度寝してから考えても良い?」

「ふふっ、いいですよ。私もゆっくりしてますね」

「ありがとう」

「タマもモジャモジャするー」

「俺はモジャモジャしないと思うぞ」


 ミルキーとタマも片付けを手伝ってくれてすぐに綺麗になった。

 許可ももらえたしゆっくり二度寝するか。

 遅くまで騒いでのんびり二度寝する、これも楽しいな。

 この世界にきて本当に良かった。


 ――ドンドンドン!


 突然、玄関のドアが強くノックされた。

 拳で叩いてるような感じの音だ。

 間を置かずに声も響いてくる。


「おーい! ナガマサさん、起きとるかー!?」

「はーい、今出ます! 昭二さんだ。一体どうしたんだろう」

「どうしたんでしょうね」

「うぅん……」


 玄関へ向かう。

 大きな声でモグラが反応したが、今は無視だ。

 昭二の声はかなり焦ってるように聞こえる。


 ドアを開けると、やっぱり焦ったような顔をした昭二が立っていた。


「おはようございます」

「ああ、おはよう。ナガマサさんや、家の裏は見たかい?」

「裏? 今日はまだ見てませんけど、どうしたんですか?」


 家の裏というのは、放牧スペースがある。

 昨日バーベキューをした後は片づけもしたし変なものは無い筈なんだけど。


「ありゃあ何と言っていいもんか分からん。直接見た方がええわ」

「分かりました。どうぞ、中から行きましょう。ミルキー、ちょっと放牧スペースに行こう」

「はい」

「タマもー」

「うぅ、何の騒ぎ……?」


 昭二を中に招き入れて一緒に裏口へと向かう。

 裏口から出るとすぐに放牧スペースだ。

 タマとミルキー、起きてきたモグラを連れてドアを開ける。


「なんだこれ」

「綺麗……」

「お城だー!」

「お城だねー」


 そこには、結晶で出来た城があった。

 ≪輝きの大空洞≫で見たような、少しスケールの小さいお城を更に小さくしたようなサイズだ。

 小屋を除いた放牧スペースの8割を占拠している。

 入口と思われる扉の前には≪クリスタルナイト≫が二体、立ち番をしている。


 昨日の時点では間違いなく無かった。

 夜の内に作られたようだ。

 このビジュアルからして、誰がやったか予想はつくんだけどな。


『おや、おはよう。朝も早くから皆揃ってどうしたのじゃ?』


 城の入り口から≪ダイヤモンドクイーン≫の金剛石華が姿を現した。

 思った通りだ。


 昭二はこれを見せたかったらしい。

 うちの放牧スペースだし、金剛とも昨日のバーベキューで顔見知りになってたから危ないものとは思わなかったが、一応確認がしたかったとのことだった。

 いつもすみません。



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