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154 挨拶回りとバーベキュー

本日二回目の更新です。

※ダイヤモンドクイーンの名前を金剛石華に変更しました


 畑の中心部には≪古代異界烏賊≫の顔から上が出ている。

 パーティーの時に被る三角帽子みたいな貝も合わせると、高さは5m程にもなる。

 正直言うと空から見えてた。

 とぼけてみようと思ったが、無理があったな。


 足は全て地面の下を経由して、畑のあちこちから生えている。

 その表面は結晶のようなもので覆われており、≪輝きの大空洞≫で見たそのままの姿だ。

 少しだけ小さいかな。


 隣のエリアには侵食していないし、ハーブなどの植物の周りにも生えていない。

 ピンポン玉は賢いようだ。


 村の皆には騒がせたことを謝罪した。

 昭二の取り成しもあってか、皆快く許してくれた。

 村の主な住民は大体集まってたから、ついでに≪ダイヤモンドクイーン≫の金剛石華のことも説明しておいた。


 特に問題はないようだ。

 口々に、気にしないから大丈夫と言って貰えて良かった。

 この村の人達は大らかだな。


 何人かいたプレイヤーはかなり驚いてたけど。

 それでも、あの畑に埋まってるイカよりはインパクトが小さいようだ。


『あれは、大海魔!? 何故このような場所にまで!』


 と、ピンポン玉を見た石華が臨戦態勢に入ったのはちょっとびっくりした。

 女王にとっては宿敵みたいなものだもんな。

 配慮が足りなかった。

 それでも、きちんと説明したら納得してくれた。


 それどころか、同僚であり先輩として敬うようだ。

 俺のペット扱いされても嫌そうにしなかったし、石華も大概器がでかい。


 危険性のないことが分かって村の人達は引き上げて行った。

 ≪モジャ畑≫のエリアに入ると危険だから気を付けるように、とはしっかり伝えてある。


 モジャ畑の前に残ったのは、俺達だけだ。

 少し畑の様子を見ておこう。


 畑の管理画面から一括で収穫、なんてことは出来ないようだ。

 収穫は普通にその作物を刈るなり抜くなりすればいいのか。

 どの作物が収穫時期か、とかは管理画面で確認出来るらしい。

 これだけでも便利に違いない。


 今生えてるのは≪古代異界烏賊≫の本体と、足が20本くらい。

 後はハーブ類か。

 どれもまだ収穫時期ではないようだ。


 というかこの足って収穫出来るの?

 一体何が採れるのか謎だな。


「それにしても、すごい光景ですね」

「そうだなー。出来心で植えてみたらこんなことになっちゃったよ」


 隣で俺の操作する画面を眺めていたミルキーが、改めて畑を見てから呟いた。

 さっきは村の人達がいてそれどころじゃなかったからな。


 落ち着いてやっと自分の感想が出てきたんだろう。

 タマは畑の中に入って足と戯れている。


 他の畑は普通の畑なのに、うちの畑だけ深海探検みたいな感じだもんな。

 すごい光景としか言えない。


「ナガマサさんは、いつもやることがとんでもないです。石華さんのこともそうですし」

『わらわがどうかしたか?』

「ナガマサさんはすごいな、って話ですよ」

『なるほどのう。うむ、ご主人様はすごい。わらわを、こうしてこの地へ連れてきたのじゃからな』

「ご主人様は勘弁してください」

『ともかくとして、敬語は使わずともよいぞ。気安く話しかけるのじゃ』


 金剛も交えて、なんだかいっぱい褒められた。

 何か特別なことをしたつもりはない。

 ただ、楽しく生きていく為に頑張っただけで、それが偶々うまくいっただけだ。

 これからものんびり、楽しく過ごしたい。

 その為ならどんなことだってしてやる。


 金剛を連れて村を周った。

 いずれ一人でお買い物とかするかもしれないし、お店の人に挨拶も兼ねてだ。

 大体の村人にはさっき出会ってたけど、改めてした方が印象が良い。


 お店のおじさんおばさんも、商売中にも関わらず笑顔で応じてくれた。

 ついでに買い物もしておいた。


 一通り案内して、家に帰った。

 金剛に個室を一つ割り当てようとしたら、断られてしまった。

 放牧スペースで良いらしい。

 本当に良いのかと思ったが、どうしてもと言われて押し切られた。


 その代わりってわけじゃないけど、ミルキーとも相談して二段階拡張しておいた。

 小屋は一つ立ててあるし、なんとか住めると思う。


「今日は金剛石華の歓迎会をやろう!」

「やふー!」

「いいですね!」

『持て成したい、というのならば止めはせぬ。存分に持て成すがよいぞ』


 というわけで今夜はパーティーだ。

 ミゼルも招待した。

 護衛で一緒にいた出汁巻玉子とノーチェにも声を掛けた。


 そんなに期間が経ってないのに、既に迷惑を掛けまくっている昭二さんも呼ぶことにした。


「メニューはどうしましょうか?」

「人数も多いし、放牧地でバーベキューはどうかな?」

「いいですね!」


 今夜のメニューはバーベキューに決定した。

 実は以前からやってみたかったんだよな。

 楽しみだ。


 俺達は分担して準備に当たった。

 テーブルはリビングのを外に出すとして、道具は一切ない。

 俺はおろし金に乗ってストーレの街へ飛んだ。


 お店や露店を周って必要なものを買っていく。

 一回買ってしまえば繰り返し使えるし、全部揃えてしまうつもりだ。

 ついでに食材も買い込む。

 お酒はあんまり飲めないけど、誰か飲むかもしれないから買っておこう。

 

 ついでにモグラ、マッスル☆タケダ、ゴロウもおろし金の背中に乗せる。

 どうせならみんなで騒ごう。

 三人共二つ返事で付いてきたし。


 我が家へ帰ってきた。 

 バーベキューコンロは、そのものは売ってなかったから使えそうな材料を買った。

 放牧スペースで、タケダとゴロウがコンロや網を作り上げていく。


 すっかり暗くなった頃に、全ての準備が完了した。

 さぁ、パーティーの始まりだ。



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