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151 宝石の心臓と異界暴食大海魔

本日三回目の更新です。

感想やブックマーク等お気軽にどうぞ。

とても喜びます!


 一時間で一セット。

 終わったら休憩二十分を挟む。

 休憩の間はおろし金に見張って貰う。

 おろし金もかなり強く、騎士が6体集まっていても問題なく倒せている。


 見張りの間は素材も好きに食べさせているからか、身体の結晶部分の輝きが増している気がする。

 どんどん食べて立派に育つんだぞ。


 三セット目を終えたところで、≪宝石の心臓≫は528個になっていた。

 目標達成!

 今の時間は14時半過ぎ。

 一セット目を終わらせたところでお昼ご飯も食べたし、少し休憩したらいよいよメインイベントだ。


「500集まったよ。休憩したらあの人魂のところに行こう」

「分かったモジャ」

「集めるの結構大変でしたね」

「ドロップ率に関しては何も補正が掛かってないからね。増えるようなスキルがあればいいんだけど」


 ドロップが増えるスキルがあれば、こういう収集系のクエストも楽になるに違いない。

 普通のスキルでも効果が100倍。

 ユニークスキルなら1000倍とかいう、とんでも状態だからな。


 これが普通のオンラインゲームなら、チートを確信されるレベルだ。

 そもそも即座に運営に修正されて終わりの気もするが。

 それほど今の俺達の状態はひどいと思う。


 実験とはいえ、よく運営は放置してくれるな。


 さて、二十分が経過した。

 休憩は終わりだ。

 おろし金をコインに戻す。


 謁見の間はそこまで遠くないが、間にいるモンスターはそれなりにいるだろう。

 お金も素材も欲しいからおろし金には我慢してもらう。

 今度お肉あげるからな。


 謁見の間に到着した。

 相変わらず、燃えるようなオーラに包まれた球体が浮いている。


「宝石の心臓を入れるよ」

「はーい!」

「はい」


 宝石の心臓を球体に突っ込んでいく。

 一個ずつ入れるのが面倒になって、人魂の上にストレージから取り出してぶちこんだ。

 自分の周囲なら好きな位置に取り出せるのは地味に有難い。


 カウントが499になった。

 途中何度かキリのいいところで声が響いてきたけど、不快な声だから聞こえないように頑張った。


 お陰で何を喋っていたのか全く記憶にない。

 どうせ倒すんだから今回はスルーだ。

 他のイベントはちゃんと聞くから。


 最後の一個を入れる。

 カウントが500になった。

 人魂が黒い光を放ち始める。


「多分ボス戦だから、気を付けて。慎重にいこう」

「あいあい!」

「はい」


 段々と光が強くなる。

 いよいよボスか。

 この三人なら何が来ても大丈夫だろうけど、警戒しておくにこしたことはない。


 ビシッ――。


 人魂の後ろの空間にひびが入った。

 蜘蛛の巣のようなそれは、段々と広がっていく。

 ガラスでもないのに破片が零れ落ちる。

 その向こう側は、真っ暗だ。


 パリーン!!


 ヒビの入った空間が砕け散り、大きな穴となった。

 そこからワニのような口が現れて、人魂を呑み込んだ。

 そのまま、巨体が姿を現す。


 でかい。

 ワニのような顔と身体。

 太い前脚。

 全てが黒い結晶のようなもので覆われている。


 這いずり出てきたその下半身は、烏賊のようになっている。

 無数の足が蠢いていて気味が悪い。

 名前は≪異界暴食大海魔スピリットクロコダイルクラーケン


「迫力あるなぁ」

「HPは約8000万です」

「よし、それじゃあなるべく攻撃はくらわないように」

「いえっさー!」

「はい、ナガマサさんも気を付けてくださいね」

「勿論」


 突っ込んできたワニの口を散開して躱す。

 固まってたらみんなまとめて丸呑みに出来そうだ。

 いくらステータスが高くても即死とかあるかもしれないし、気を付けないとな。


 触手が空間を貫いて黒い穴へと消えていく。

 何かと思ったら、俺の横の空間に穴が空いて触手が飛び出してきた。

 剣で迎撃して切り裂く。

 ただの遠距離物理攻撃扱いらしく、斬ってもダメージは与えられないようだ。


 試しに≪無弾≫を撃ってみると、やはりというべきか魔法はダメージにならなかった。

 物理だけで倒せって、中々他のプレイヤーにはきついんじゃないのか?

 捜せば、逆に物理がほとんど効かないモンスターもいるのかもしれないな。


 しかし攻撃はそこまで怖くない。

 主な攻撃手段は触手と噛みつき。

 後は宝石の槍の射出。

 魔法攻撃は、光で出来たような槍がよく飛んでくる。

 遠距離攻撃は空間に穴を空けて飛んでくるからすごく避けづらいが、俺達なら避けられる。


 ブレスなんかも吐いてくるけど、予備動作が大きいからこれも問題ない。

 瞬間移動が便利過ぎてやばい。


 タマが様子を見ながら攻撃を加えているだけで、もう瀕死な気がする。

 赤黒いオーラが噴出して動きが速くなった。


 負けじと≪気功法≫、そして≪六道踏破≫を発動させる。

 俺の黄金パターンだ。


「とどめいくぞ!」

「モジャ!」

「私もいきます!」


 三つの巨大な剣がワニを呑み込んだ。

 軽快な音楽と文字がタマの頭上に現れる。

 MVPはタマか。


「タマさいきょー!」

「よしよし、がんばったな」

「ぶい!」

「お疲れ様でした」

「お疲れ様。何か落としたかなー」


 お待ちかねのドロップアイテムの確認だ。

 ≪暴食大海魔の牙≫と、これは……なんだか懐かしいな。


 それは、何も描かれていないコインだった。

 以前魔王っぽいやつを倒した時もこれをドロップした。


 ミルキーに渡す指輪の素材にしたから結局何に使えるものか分からなかったけど、まさかまた手に入るとは。


 レアアイテムっぽいし、今回も有効活用したい。



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