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144 宝石の騎士

本日一回目の更新です。


 俺達はダイヤモンドクイーンからの依頼を受けることにした


 向かう先は異次元。

 そこに、イカの元祖とも言えるモンスターがいるらしい。

 一体どんなところなんだろうか。


 異次元で遭遇するであろうモンスターについて、いくつか情報をもらった。

 イカだけでなく他にも出現するようだ。


『ではお主らを向こうへ送るぞ。準備はよいか?』

「はい」

「おっけー!」

「大丈夫です」


 ダイヤモンドクイーンが何か呟くと、視界が歪んだ。

 気付けば謁見の間とは別の場所へ移動していた。


「ここが異次元?」

「さっきのお城の中に似てますね」

「そう言われると確かに」


 今いる場所は、≪輝きの城≫に入ってすぐのエントランスによく似ていた。

 でも雰囲気が全く違う。

 あそこは床も壁もキラキラ光ってて綺麗だった。


 質感は同じなのに、ここは薄暗くて陰気だ。

 何か邪悪なものが潜んでると言われてもおかしくない。

 というか、実際に潜んでるんだったな。


「タマにそっくりー!」


 俺達の前には光る球が浮いていた。

 まるで昔のタマみたいだ。

 本人もそう思ったみたいで喜んでいる。

 嬉しいか?


『その玉はわらわと繋がっておる。帰りたくなれば話しかけるがよい』

「わかりました」

『では頼む。我が戦士達の無念、晴らしておくれ』

「いってきます」


 光る玉が中継地点の役目を果たしているようで、相変わらず声が頭に響いてくる。


 ここは別マップ扱いらしいな。

 名前が≪無明の城≫となっている。

 向こうの城の構造と同じっぽいのは何故だろう。

 異次元だけど、あの城をモチーフにして作り上げたんだろうか。


 目的のイカがどこに潜んでるかは分からない。

 この城の中を這いずり回ってるんだろうか。


「それじゃあ行こうか。慎重にね」

「いえっさー!」

「はい」


 とりあえずみんなに支援を掛ける。

 安全第一で行こうと思うと、少しの底上げでもやっておいた方が良い。

 俺の元のステータスからすると微妙に見えるが、1000も上がれば大きく違う筈だ。 

 多分。


 通路を歩いていると、人影のようなものが見えた。

 それはさっき見た≪クリスタルナイト≫に似ている。


 段々と近付いてくる。


 薄暗いせいでよく見えないな。

 ようやく姿がはっきり見えたと思ったら、突然走り出した。


「えいっ」


 そしてタマに粉砕された。

 ≪エメラルドナイト≫という、緑色の宝石で出来た騎士だった。

 ここはイカと戦った戦士達の魂が、モンスターと化して彷徨っているらしい。

 由来からしてジュエルマンの上位互換みたいだな。


 タマが瞬殺したからよく分からないけど、多分そうだろう。

 歩いていてもジュエルマンより早かった。

 走り出した動きも早かったと思う。


 何か持っていたと思うけど、そこまでは確認できなかった。

 名前を確認できただけでも上出来だ。


 このマップはジュエルマンの上位である宝石の騎士達が沸く。

 特徴として、ジュエルマン同様宝石毎の属性を持つ。

 正直色と属性くらいしか違いの無かった手抜きモンスターと違って、宝石毎の特色が際立っている。


 そもそも、ジュエルマンは宝石の塊を継ぎ接ぎして作ったような姿だ。

 出来の悪い人形というのがしっくりくる。

 歩き方も攻撃のモーションも、どこかぎこちない。

 

 対して、クリスタルナイトを含めて宝石の騎士は、それぞれの石を削り出して騎士甲冑を作ったような、そのまま城に飾れそうな立派なデザインだ。

 かっこいいに決まってる。

 ちなみに、砕いても中身は敷き詰まってる。

 まさにファンタジー。


 せっかくだから宝石の騎士達について記録しておこう。


 赤い宝石の騎士、≪ルビーナイト≫。

 炎を象った大き目の騎士甲冑。

 火属性。

 宝石の騎士の中でも一番大きく、多分パワーキャラ。

 武器は大剣。

 タマキックで木端微塵。


 青い宝石の騎士、≪サファイヤナイト≫。

 波を象った普通サイズの騎士甲冑。

 水属性。

 動きは普通だけどデバフをかけてくる。多分頭脳派キャラ。

 武器は片手剣。

 タマショットガンで粉微塵。


 緑の宝石の騎士、≪エメラルドナイト≫。

 雷を象った細見の騎士甲冑。

 風属性。

 動きが一番速く、範囲攻撃までしかけてきた。

 武器は短剣二刀。

 タマドラゴンブローで弾け飛んだ。


 黄の宝石の騎士、≪スファレライトナイト≫。

 大地を象った小型の騎士甲冑。

 地属性。

 動きは二番目に早い。

 支援型らしくて後ろの方でうろちょろしながら他の騎士を回復させたりする。

 他よりも脆いようだ。

 武器は杖。

 タマツインソードでみじん切り。


 白の宝石の騎士、≪ダイヤモンドナイト≫。

 光を象った標準サイズの騎士甲冑。

 光属性。

 動きも速いし支援もするし、攻撃を引き受ける万能型。

 他よりも一段と防御が高そうだった。

 武器は大盾と片手剣。

 タマオメガクローで粉々。 


 黒の宝石の騎士、≪ブラックダイヤモンドナイト≫

 闇を象った細見の騎士甲冑。

 闇属性。

 動きが速いのに魔法を得意としていて、攻撃魔法はもちろん状態異常をばら撒いていたと思うが、俺達には効かなかったからよく分からない。

 武器はクロー。

 タマジェノサイドで消し飛んだ。


 タマの蹂躙劇だった。

 何故か一度、全種類が一体ずつのよくばりセットで来たから、その時の様子も交えてみた。

 少し強いモンスター相手に考えた必殺技を試すのはまだブームが去っていないようだ。

 怖い。


 ドロップアイテムは主に三種類あった。

 ジュエルマンと共通の≪結晶の欠片≫。

 色とりどりの宝石で出来た心臓の≪宝石の心臓≫。

 これは騎士で共通ドロップのようだ。


 そして、対応した宝石。

 

 その他何度も騎士達と遭遇した。

 一体でうろうろしてるのもいれば、複数体でまとまって行動してるのもいる。

 黄色はあまり単独ではいないようだ。

 支援職だからだろうか。


 女王には悪い気もするが、騎士達はどんどん砕いていく。

 宝石を落とすからだ。


 しかもなんとなくドロップ率が良い気がするし、品質も高い。

 イカそっちのけでしばらくここにこもりたいくらいだ。

 ≪強欲グリード≫のお陰で拾う手間も省けて効率は良さそうだ。


 お願いしたら許してもらえないだろうか。



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