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142 楽しい狩りと思い付き

本日一回目の更新です。


 しばらく足を狩って回った。

 トレインすると効率がいいな。


 新しく取得した≪強欲≫のお陰で転がったアイテムも一瞬で回収出来るし、快調そのものだ。

 多少離れてても数が多くても問題ないのは強い。

 レベル1がMAXだから、これ以上成長しないことだけが残念だ。


 待ち合わせの時間まであと15分。

 駆け回って狩っていたが、なんとなくまばらになってきた。

 一部だけ避けてるから、沸いたモンスターがそこだけ減らずに固まってるんだな。


 普通はそうならないように万遍なく周る。

 今はMVPボスが固定沸きするであろう場所を避けていたんだからそうなるのも当然だ。


 ウォーミングアップとしては問題なかった。

 本体との戦闘も大丈夫だろう。

 タマ達と合流する前に片づけておくか。


「おお、いるいる」


 ≪古代異界烏賊≫の沸くポイントが見える場所で立ち止まる。

 でかいから離れていてもその存在が分かる。

 その周りには、ジュエルマンや足がうじゃうじゃいる。

 やっぱり偏ってたか。


 六色の光る球体が俺の周囲に現れる。

 ≪六道踏破≫の攻撃力上乗せ分だ。


 イカ相手だと魔法ダメージは効かないのが勿体ない。

 無くても十分倒せる威力だとは思うんだけどな。


 本体の前に瞬間移動で跳ぶ。

 本体も周りのモンスターも、俺に反応して遠距離攻撃を放ってくる。


 当たっても痛くない。

 だけどあえて避ける。

 少し横にずれるだけで、魔法や礫は素通りしていく。

 

 本体の前を横切るように移動しながらモンスター達から距離を取る。


 ああ、楽しい!


 モンスター達は遠距離攻撃を放ちながら向かってくる。

 ここには、足を止めて遠距離攻撃に専念するタイプはいない。


 少しまとまったところで一気に移動。

 群れの背後を取る。

 本体は右側にいるが、多分当たるだろう。


「滅魔、刃竜剣!!」


 剣を横一閃に薙いだ。

 ≪六道踏破≫が上乗せされた俺の最強スキルで、モンスター達は一撃で全滅だ。

 ついでのように巻き込まれた≪古代異界烏賊≫も砕け散った。


 確かHP1000万くらいあったよな。

 あれを一撃で倒せるなんて、恐ろしい威力だ。


 おっと、本体を倒さないと。

 共有された≪看破の魔眼≫の効果か、前は見えなかった本体の姿が見える。

 俺には目もくれず、その頭上には詠唱バーが溜っていく。

 あれがフルになったらまた復活するんだろうな。


 さっさと倒して――。


 俺の脳に電流が奔った。

 俺の脳はむき出しで電極が突っ込まれてるだろうが、そうじゃない。

 ちょっと思いついたことがある。

 上手くいくかどうかはわからないが、試してみればすぐに分かることだ。







 タマとミルキーとの待ち合わせ場所へ着いた。

 三人が別行動するから、一時間で区切って落ち合うように約束していた。

 狩りは楽しいからつい熱中してしまう。

 もし約束をしていなかったら、時間を忘れて延々と狩りを続けていただろう。


 本物の肉体じゃないから、いくら動いても肉体が疲労することはない。

 だからいつまででも動ける気がする。

 だけど脳だけは本物だ。

 脳だけは疲れる。


 狩りをしてる最中に脳に限界が来て動けなくなったり、気絶なんかしてしまったら死ぬのは間違いない。

 そんなことになるのは嫌だ。

 モンスター相手の狩りは一時間で区切ることに決めた。 

 勿論話し合ってだ。


 今も休憩をする為の待ち合わせだ。


「あれ、ナガマサさん早いですね」

「入口まで来た時に五分前だったから、キリもいいかなと思って」

「なるほど。タマちゃんは」

「ただいまー!!」

「時間ぴったりだったな。おかえり、タマ」

「ですね。おかえりなさい、タマちゃん」


 全員集合したら休憩開始だ。

 ミルキーの用意してくれたシートを広げて、そこに三人で座る。

 おろし金はすぐ側で周辺の警戒にあたってくれている。


 何かが近づけばすぐさま片付けてくれる。

 心強い。

 気のせいか、おろし金の身体の一部に結晶のようなものが埋め込まれているように見える。

 ここのモンスターを食べて成長してる証かもしれない。


「こんなに狩れましたよ!」

「タマも! ざっくざく!」


 雑談のついでに成果も見せ合う。

 タマもミルキーもかなり狩っている。

 だけど俺も負けてない。


「二人ともすごいね。負けないように俺も頑張ったよ。ほら」

「おー! いっぱいだ!」

「すごいです。かなり効率よく狩りをしてるみたいですね」


 とは言っても、自慢出来る程のことでもない。

 タマとミルキーは二人なのに対して、俺は三層で一人で狩っている。

 ジュエルマンは足が遅いから纏めるより各個撃破した方が早い。


 そして新スキルのお陰でアイテムを拾う手間が無い。

 これだけの要素があれば、効率が良くて当然だろう。

 第二の人生の俺は恵まれてるな。


 タマが何か言いたげに目の前に移動して来た。

 そわそわしている。


「モジャマサ、城攻めする?」

「城攻め? ……ああ、そうういえばあったな」

「一層の途中ですよね。もしかして、忘れてたんですか?」


 前にこのダンジョンに来た時に、タマの攻撃で隠されているような通路を見つけた。

 奥にあったのは、結晶の城。

 その時は他に目的があったから素通りした。

 どうやらタマはそこへ行きたいらしい。


 存在自体をすっかり忘れてた。

 ミルキーは覚えていたが、俺が話題に出さないから今日も行かずに二層と三層の狩りに専念するのかと思ってたそうだ。


 未知のエリアは警戒しないといけないから効率は二の次になってしまう。

 お金を稼ぐのが目的なら、放置するべきだろう。


 だけどあそこは俺も気になる。

 タマもすごく行きたそうにしている。

 さっきの一時間でも結構稼げたし、ちょっとくらい大丈夫だろう。


「よし、休憩の後はあのお城に行ってみようか」

「やったー! 城攻めだー! ぶっ壊すぞー!」

「分かりました。レアなアイテムがあるといいですね」


 討ち入り決定。

 タマのテンションも最高潮だ。

 どんな場所なのか楽しみだな。


 

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