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134 お昼ご飯とピクニック

本日二回目の更新です。


「モジャー、お腹が空いたよー」

「あっ、ごめんなさいタマちゃん、もうこれで終わりだからお昼ご飯にしましょう」

「うん、そうしよう」

「やったー!」


 買い物を終えた俺達は、一旦お昼ご飯を食べることにした。

 買い物に夢中になりすぎて気付けば15時を回っていた。

 すっかり空腹だ。

 もうそんな時間か。


 タマが素材を齧り出す前に区切りがついて良かった。

 この時間までタマが空腹を訴えなかったってことは、タマも楽しかったんだろうけど、今度からは合間で屋台の食べ物でもあげよう。


 目的の家具は、たっぷり時間をかけてお店を周ったお陰で、一通り揃えることが出来た。

 何か足りないものがあるかもしれないが、それは配置したり生活してみたら気付く筈だ。

 それから追加すれば良いだろう。


 たくさん買い込んだ家具達は、全てストレージへ納められている。

 大きさに関係なく入るからこういう時便利だ。


 適当に目についた酒場へ入る。

 いつも行ってるところは少し距離があったから今日は止めた。

 タマもだけど、俺もミルキーも空腹が限界で、すぐにでも食べたかったからだ。


 冒険者御用達の、謎肉と謎野菜の炒めものを食べた。

 相変わらずワイルドな味付けで美味しい。

 タマも骨のついたワイルドな肉に、ワイルドに齧りついていた。

 よっぽどお腹減ってたんだな。


 遅い昼食を終えた後は、俺達の拠点へ戻る。

 買い込んだ家具を設置してリビングや個室を好きに模様替えするぞと、ミルキーも張り切っている。

 その辺りやっぱり女の子なんだなと思う。


「それじゃあお城からおろし金で飛んで行こうか」

「はーい」

「すみません、ちょっと提案があるんですけど」

「ん、何?」

「せっかくなので歩いて移動しませんか? 村の周辺の様子も知りたいですし」

「あー、なるほど」


 さくっと空を移動して向かおうと思っていたら、ミルキーが地上を行こうと言った。

 早く村に戻りたいのかと思っていたが、最初から飛んでいくのも確かに無粋かもしれない。


 西は草原が広がっているらしいし、ピクニックがてら行くのも良いな。

 うん、楽しそうだ。

 ピクニックもしたことないし、憧れる。


「いいですね、それじゃあ歩いて向かいましょうか」

「ありがとうございます」

「ちょっと屋台で食べ物買っておきましょう」

「わーい!」


 歩きながら食べられるようにいくつか串焼きをストレージに仕舞い込んで、西の門から街を出た。

 街に隣接してるフィールドにアクティブモンスターはいない。

 危険が少ないからこの世界に来たばかりのプレイヤーが溢れ返ってたんだが、少なくなってきたように思える。


 酷い時にはフリーのモンスターはほとんどおらず、プレイヤー達が走り回って争奪戦を繰り広げていた。

 他の人が狩ろうとしてるモンスターも平気で狩るような奴もいたし、落ち着いたんなら良かった。


 そういえばあの≪†紅の牙†≫は反省したんだろうか。

 あいつがミルキーに絡んでたのが、ミルキーと知り合いになるきっかけだったんだよな。


 タマに相棒を叩き折らせたし、大丈夫だとは思う。

 もしまた見かけた時に、マナーが悪いのが治ってなかったらしっかり教えてあげないと。


 これも、本人を含めて初心者を助けることに繋がる筈だ。

 モグラから受けた恩を初心者へ返すという目標も、まだ生きてるからな。


 ストーレの西側≪ストーレフィールド07≫は草原地帯。

 木も生えてるから野原になるのかな?

 門からはそれなりの広さの道が一本伸びている。

 これはバーリルの入口で見たあの道に繋がってるんだろうか。


「それじゃあ行こう」

「しゅっぱーつ!」

「おー」


 タマがいつも通り元気よく号令をかける。ミルキーも小さく腕を掲げて応じている。

 こっちはどんなマップになってるのか楽しみだ。


 どんどん西へ。

 ストーレフィールド07の次はストーレ草原06。

 ここも風景はさっきと変わらない。


 出てくるモンスターは少し変化していて、巨大な二足歩行で楽器を持ったバッタ≪ベース≫や、白耳兎が少し大きくなったような≪灰耳兎≫がのんきに飛び跳ねている。


 お馴染のプルンもいるし、緑色にしただけの≪ププルン≫とやらもいる。

 少し強くなってるみたいだ。HPが10倍くらいある。

 20が200になっても俺達には誤差でしかないけど。


 アクティブモンスターは、≪弾丸鷹(ブリットホーク)≫という小さ目の鷹がたまに突っ込んできた。

 素早いし空を飛んでるしで、中々厄介そうなモンスターだ。


 ミルキーのスキルで見てもらったらHPは少ないし、多分耐久力は低くなってるんだろう。

 防御力は確かめようがないから分からない。


 でもスピードタイプのモンスターは低耐久と大体決まっているし、こんな街のすぐ近くのエリアで高速高耐久のモンスターなんか出てこないだろう。多分。


「モージャモジャッモジャモージャモジャ」

「いい景色だなぁ。のんびりしてるしお昼寝するのも気持ちよさそう」

「本当ですね」


 景色を眺めながら串焼きを齧り、更に進む。

 BGMはタマの謎の歌だ。


 その更に西、ストーレ草原05もほとんど変わらなかった。

 むしろストーレの街の隣接マップとほとんど変わらない気もする。


 ここから南に行けばもう村だからな。

 多分村や街の周囲は難易度が低くなってるんだろう。


 弾丸鷹がいなくなった代わりに、≪草羊(グラスシープ)≫という緑色の草に覆われた羊を見つけた。

 ノンアクティブらしく呑気に草を食べていて、可愛い感じの顔をしている。


 村へ向かう最中で二匹しか見かけなかったから、数は少ないんだろう。

 試しに狩ってみたら不思議な感触のする毛皮が採れた。

 この羊のコインをなんとか手に入れて、拠点で飼うのも良いかもしれない。


 再びバーリルへとやって来た。

 さぁて、まずは家具の配置と模様替えからだな。



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