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115 露店巡りとポーション講座

本日一回目の更新です。


 俺とミルキーとタマの三人で露店を巡る。

 大通りに並ぶ露店は一等地に許可をもらえる程の店ということで、どこもレベルが高い。

 品ぞろえが良かったり、安かったり、品質が高かったり、何か売りが無いとここには露店を出せないらしいからな。


 許可をもらえたとしても、実際に露店を開くスペースは早い者勝ち。

 埋まってしまえば空くのを待つか、他の場所で露店を開くしかない。

 だからこの大通りは、8時から21時の間はみっちり埋まっているんだそうだ。


 新しい装備を受け取ったばかりでも、色々な装備を眺めるのは楽しい。

 効果や性能を見ているだけでも楽しいし、いっそ見た目だけ見ても楽しい。

 それが親しい人と一緒なら、楽しくないわけがない。


 露店に並ぶのは装備だけじゃない。

 アイテムや素材もあれば、何に使うのか分からないものまで様々だ。


 露店で売るのに値段は自由だが、当然売れなくても自己責任だ。

 値段の設定が自由ということは、高くも出来るし安くも出来る。


 拾ったドロップアイテムが何に使えるのかよく分からなくて適当な値段で売ったら、クエストやアイテムの素材に使えるレアアイテムだったというのは、他のゲームでもよくある話だ。


 そういった掘り出し物を見つけるのを楽しみにしてる人もいる。

 モグラも良く探してると言っていた。

 俺はこのゲームに詳しくないし、鑑定眼にも自信はない。

 歩きながら見てるだけで楽しいから、俺はそれでいいんだ。


「ナガマサさん、これ見てください!」

「どうしました?」

「≪ウサミミカチューシャ≫だそうですよ。こんなものまであるんですね」

「うちのイチオシ商品だよ。他にも色々あるから見て行ってー!」

「ほほう」

 

 ミルキーに呼ばれて行ってみると、その手にはウサミミが握られていた。

 店主の言葉に従って商品を見てみる。

 ウサミミの他にネコミミ、イヌミミ、キツネミミ、有名どころは大体揃ってるようだ。

 ヒツジミミやヤギミミなんていう、他ではあまり見たこと無いものまである。


「動物が好きならウチのも見て行って! 可愛い帽子屋さんだよ!」

「ミルキー、動物の帽子だって」

「へー、こっちも色々ありますね」


 確かに色々な動物の帽子がある。

 可愛くデフォルメされた動物の顔を被るような感じだ。

 この街の周囲のフィールドにいるモンスター、≪白耳兎≫を模した帽子もある。


 被ったら兎を乗っけてるような感じになるのかな。

 この毛の手触りは結構好きだな。

 ふわふわのさらさらだ。


「いい手触りだろ? 素材にちゃんと白耳兎の毛を使ってるからね」

「なるほど」


 モンスターの素材からこういう見た目重視の装備も作れるのはいいな。

 性能が良い装備は段々揃ってきたから、見た目だけの装備をいくつか持っておいても楽しそうだ。

 ネタと言われるようなものも集めてみたい。


「ここは回復薬のお店みたいですよ」

「回復薬か、そういえば全然使ってなかったけど当然あるよな」

「おっ、良かったら見ていってよ。自作だから少し高いけど、その分効果も高いから」

「へー、色とりどりなんですね」

「もしかしてポーション知らない?」

「……ほとんど使ったことないですね」


 回復薬は確か、モグラと狩りした時にもらったのを少し使っただけで、後は使った覚えがない。

 ゲームの世界なんだからあるのは当然だよな。


 色々急展開が続いてたから全然気付かなかった。

 今じゃ≪応急手当≫で100%回復出来るし、そもそもダメージすらほとんど負わなくなってしまった。

 忘れてしまうのも無理はないな。


「あー、まぁ見た目からして初心者みたいだし仕方ないか。回復薬はすごく大事だから覚えておくんだぞ」


 ここで売っている回復薬はポーションという名前だ。

 店主の≪ヨモギモチ≫は親切なようで、色々教えてくれた。


 ポーションにはいくつか種類があって、見た目通りの色がそのまま名前になっている。

 レッドポーション、HPを少し回復。下級ポーションとも呼ばれる。

 イエローポーション、HPを結構回復。中級ポーションとも呼ばれる。

 ホワイトポーション、HPをかなり回復。上級ポーションとも呼ばれる。


 後はSPを回復させる青、SPを多く回復させる紫、状態異常を回復させる緑等があるらしい。

 ポーションは飲むかかけるかすれば効果を発揮する。

 品質によって回復量が上下する。

 こんな感じだ。

 


 回復量は割合じゃなくて実数値だから、最大HPが多くなったら効果の高いものを買うようにという言葉と一緒に、レッドポーションを10個渡された。

 初心者じゃないとは伝えてみたものの、信じてもらえなかった。


 そんなに弱そうに……見えるか。

 パッと見インナーに≪オオカナヘビの皮鎧≫だけだからな。

 転職した時にもらえる職業ごとの初期装備ですら無いから、背伸びしたノービスに見えるに違いない。


 少なくとも、変なのに絡まれる程度には弱そうなんだろう。

 タケダに頼んだ上着が今日には完成すると思うから、それを着たらマシになるといいんだけど。


 鎧を更新するのも考えたが、初めて作った装備で思い入れがあるから代えたくない。

 少しいいものにしたところで多分数値的には誤差でしかないだろうし。


 まぁ見た目のことはこれから考えるとして、≪ヨモギモチ≫には何かの機会で恩を返そう。

 勘違いさせてしまったし、恩を受けっぱなしだと悪い気がする。

 このポーションが必要な初心者はきっと他にいるのに、俺なんかが受け取ってしまったのはなんだか申し訳ないからな。


「ナガマサさん! SPを消費するとジトッとする杖が売ってますよ!」

「わー! じっとりする! すごい!」


 タマが実際に使用させてもらってはしゃいでいる。

 確かにある意味ではすごいんだけど、一体何に使うんだ。

 店主であり製作者でもある≪ミカゲ≫に聞いてみたが、やはり本人も分からないようだった。



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