表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

104/407

101 成長と物欲センサー

本日一回目の更新です!


「行くぞー!」

「おー!」

「ふふ」


 休憩を終えて、エリアの境界を跨ぐ。

 無事に≪輝きの大空洞02≫へと辿り着いた。


 本音を言えば前のエリアで銀鉱石を集めたり、クリスタルなお城を探索したりもしたかった。

 ただ今日は、メインの目的があるからそっちを優先だ。


「宝石狩りだー!」

「狩りだー! うおー!」


 マッスル☆タケダやギルドで値段を査定してもらったところ、宝石は結構な値段で売れることが判明した。

 装飾品としての意味もあるが、プレイヤーを含む冒険者からは素材として必要とされているらしい。


 宝石を素材に使用した装備は魔法に補正がかかりやすくなるらしい。

 単純に威力がアップしたり、詠唱時間の短縮、消費SPの削減等、魔法職にとってかなり重要な感じだ。


 だからどうしてもテンションが上がってしまう。

 タマもいつにも増してハイテンションだ。

 シエルの依頼もあるが、どうせここのモンスターは各種入り乱れている。

 狙いのジュエルマン(緑)だけを集めて効率良く狩るなんて出来ないし、このエリアの敵を狩りつくすつもりでやろう。


「このエリアはそこそこ広いから、二手に分かれよう。タマとおろし金はとりあえず一番向こうまで行ってから、こっちに向かって好きに進んでくれ」

「らじゃー!」

「キュルル」

「ミルキーもそれでいい?」

「はい、大丈夫です!」

「それじゃあ1時間したらまたここに集合しよう。ゴーゴー!」


 全員の了解を得たところで行動開始だ。

 伝えた通りに、タマとおろし金ペアは奥へと消えていった。


 全員かなり強いし一人ずつで散った方が効率はもっといいんだろうけど、ミルキーが不安そうな顔をしてたから二手にしておいた。

 二手でと聞いた時にほっとしてた感じだったし、俺の判断は間違っていなかったと思う。


 効率よりも快適さや安定感を第一に行動していきたい。

 そうしたら安全第一にも繋がってくるからな。


 ちなみに、おろし金だけで行動させることはここではない。

 おろし金が倒したモンスターの素材は食べていい約束になっているから、素材集めで放流すると効率が落ちてしまう。

 それをおろし金自身理解しているのか、カナヘビモードのままだった。

 経験値が目的だったり、素材に興味が無い時にいっぱい暴れてもらおう。


 わらわらと群がってくるジュエルマン達を粉砕しては、ドロップアイテムを拾っていく。

 

「おー、小突いただけで敵が死ぬ」

「私も短剣の一撃で倒せるようになりました。ナガマサさんのユニークスキルおか――とんでもないですね」

「ほんとにね」


 ジュエルマン達のHPは色によって少し違うが、大体3万前後だ。

 それが素手の一撃で砕け散っていく。

 ミルキーも威力が低めだったはずの近接攻撃で1確出来ることに驚いている。

 おかしいと言いかけたような気もするが、それでも全く否定出来ないから同意しておく。


 穏やかに会話をしているように見えても、実際は寄ってくるジュエルマンを殴ったり、スキルや魔法を連射して殲滅の真っ最中だ。

 ミルキーの得たユニークスキル、≪思念詠唱≫の効果はスキル名を口で言わなくても発動出来るようになる。

 おかげで会話をしながらスキルが撃てるというわけだ。


 ジュエルマン達が必死に撃ち込んでくる魔法も、≪信念の障壁≫の魔法耐性2%が数十倍されて100%を超えているせいでダメ-ジが入らない。

 最低保証の1だけ受けても全く痛くないからな。

 

 時々混じる≪古代異界烏賊の足≫も問題にならない。

 魔法は通用しないが、攻撃方法はいくらでもある。

 大体は≪裂空指弾≫で瞬殺だ。


 こんな状態になってるのも、俺のユニークスキルのおかげだ。

 ミルキーがおかしいとかとんでもないと思うのも仕方がない。

 俺も思うし。


 途中ご機嫌なタマペアとすれ違って更に奥へと進む。

 このエリアは横幅が広くてほぼ一本道だが、横道が無いわけではない。

 が、結局どの道に入っても真っすぐ進めば一番太い道に合流する。

 太い道だけを通っているとモンスターの沸きが偏るということで、横道にも入っていく。


 そこにはみっちりジュエルマンが詰まっていたりもしたが、問題なく対処していく。

 昨日新しく習得した≪弾属性魔法≫の≪焼夷弾≫と≪氷結弾≫を連打すれば、後には何も残らない。

 範囲攻撃って便利だなー。


 と思っていたらジュエルマン(青)は残っていた。

 水属性だから火属性と水属性は通らないんだったっけ。

 仕方ないから接近して通常攻撃で砕いておいた。

 こうなると、他の属性の範囲攻撃も欲しくなってくる。


 レベルもいくつか上がっているが、今は後回しだ。

 一時間で区切っているからそれまでは狩りに集中しておきたい。

 一時間でどのくらいの効率というか、稼ぎになるのか知っておいた方が色々と目安に出来るからな。


 そうこうして一時間が経過した。

 タマとおろし金のペアもきっちり時間通りに戻ってきた。

 俺達プレイヤーは時計が表示されるけど、タマ達はどうやって時間を計ったんだろうか。謎だ。


 一時間の成果を計算しないとな。

 タマのストレージの中の物も一旦俺の方へ移す。

 ミルキーが拾った分も受け取って、さぁどうなったかな。


 結果、宝石はルビーが二個、サファイヤが二個、ダイヤモンドが一個。

 数はそこそこ? 少ない?

 とりあえず緑は拾えていない。

 見た感じではジュエルマンの種類は白と黒が少し少ないくらいで、あとは同じくらいだ。

 なのになんで緑の宝石は拾えてないんだ。

 

 ルビーとサファイアは前回も出てたのに。

 これが物欲センサーとかいうやつか。

 欲しいと思ってる物は出ない、もしくはドロップ率が極端に落ちると噂されているが、本当に実装されてるんじゃないかと思ってしまう。


 仕方ない。

 少し休んだら第二ラウンドだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新作始めましたので、こちらもよろしくお願いします!
友人に騙されたお陰でラスボスを魅了しちゃいました!~友人に裏切られた後、ラスボス系褐色美少女のお嫁さんとして幸せな日々を過ごす私が【真のラスボス】と呼ばれるまで~
面白いと感じたら、以下のバナーをクリックして頂けるととても有難いです。 その一クリックが書籍化へと繋がります! ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ