きゅう
若葉と会話しなくなってから半年が経った。
その間に若葉がマンションを出て行った。
単に何処かへ行くとかでは無く、若葉の荷物も綺麗に無くなっていて、私の荷物だけが部屋に残されていた。
何時ものメンバーと学校帰りに遊んで、帰宅したら若葉の姿が見当たらず、荷物さえも無くなっていたのだ。突然、何が起きたのか分からず頭の中が真っ白になったが、何とか気を取り直した。
それから直ぐにメールを送ったが、返事は一切来なかった。
正直、ここまで喧嘩した事は無かったから、どうすれば良いか分からなくて暫くの間立ち直れなかった。
そんなある日いつも通りに登校すると、何か違和感を感じた。
(何か何時もと違う……なんだろう?)
何が違うのか分からないまま、いつもの様に皆に囲まれながら自分のクラスへと向かった。
違和感の正体がHRの時に気付いた。
「和夏、今日って水上さん休みなの?」
「ん? そいや朝から見てないね……体調不良とかで休んでるんじゃない?」
「あー。 成程な」
「何、張り合いが居ないから寂しいの?」
「まさか! そもそも私は水上さんと張り合ってなんかない」
「そうなの? じゃあ、普段から無意識なんだ」
「ん??」
「傍から見れば、千草が水上さんと張り合ってる様にしか見えない。まぁ、水上さんは気にして無い様な感じなんだけどさ」
「え!? マジで!?」
「マジだよ」
「そっか……張り合っている様に見えてたんだ……」
「そんな事いちいち気にする事無いでしょ……っと、そろそろ先生来るから自分の席に戻るわ」
私と若葉が張り合ってた……私達にそんな思いは無くても、周りからは張り合っている様に思えてたんだ……
その事を知ってショックを受けた。
若葉も同じ様に思ってたのかな……
今は空席となっている机を見つめるしか無かった。
*************
若葉が学校に来なくなってから二週間が過ぎた。依然として先生から何の説明も無い。
彼女の取り巻きの子達も元気が無い。それは私も同じ事で、私に付いて来ていた子達には一人で居たい事を伝えたが、それでも最初のうちは何人かの子が来てたが、今では誰も来なくなり一人で居る時間が増えた。
ただ、学校帰りには和夏や真紀達と一緒に居るから、ずっと一人という訳では無かった。
それにしても、若葉何処に行ってしまったのだろう……メールを送っても返事が来ない。電話を掛けても繋がらない。
私が何かをしたのなら謝るから戻って来て欲しい。
お久し振りです。
少しずつですが、連載続けていこうと思います。
何時になるか分かりませんが、完結出来たら良いなと思ってます。