表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

いち

初めましても久し振りも何方でも、南條 樹です。

短編以外では、かなり久し振りとなる百合小説です!

あ、いや···18禁の方では書いてましたよ( ̄▽ ̄;)

なろう版の方で書くのは久し振りなだけ。

取り敢えずマイペースで更新します( ̄・ω・ ̄)


放課後の教室内は、何処の学校でも同じ様な光景が広がっている。一日中あった授業の疲れを引き摺りつつ部活へ行く者、さっさと帰って行く者、仲の良い友達と話をしている者と多種多様。

そんな私も帰る準備をしている所。


「千草、帰りに駅前のクレープ屋に寄って行かない?」

「いいね! 行こ! あれ真紀は?」

「担任に呼び出し食らってる」

「あぁ······課題忘れたとかのヤツ?」

「そうそう」

「じゃあ、駅前のクレープ屋行くのは私と和夏だけ?」

「そうなるね。何、私と二人っきりは嫌なの?」

「嫌なワケないじゃん、なら早く行こう」



下駄箱から自分の靴を取ろうとしたら、靴の上に封筒が数枚、内心「またか」と思いつつ鞄に仕舞う。最近は少なくなってきたとはいえ、ゼロになる事は無い。女子校所以なのか同性同士の恋愛は当たり前な感じ。私自身も女の子同士の恋愛に寛容だけれども、流石に毎日告白されるのは疲れる。


「千草、またラブレター貰ったの? 今日は何通?」

「今日は3通。 私以外に、綺麗な人や可愛い人だっていっぱい居るのに、何で私ばかりなんだ」

「そりゃ、千草はカッコイイもん。 誰とでも直ぐに仲良くなれるし、勉強や運動だって出来るから、女の子の憧れなんだよ」

「そんな事言われても······こっちは毎回、昼休み潰れるから大変なんだよ」

「それは······諦めるしか無いね」

「もう! 他人事だと思って!」

「ほら、さっさと行くよ。 早く行かないと時間無くなっちゃうよ」


和夏とじゃれ合いながら玄関を出ると、外では運動部の人達の掛け声が聞こえてくる。

私は西陽の眩しさに目を細めつつも、先を歩く和夏を追いかける。和夏に追い付いた所で隣を歩き出すと、何処かから告白している様な声が聞こえてきた。

声のする方を向くと、一人の生徒に対し、数人の生徒が一斉に告白をした模様だ。


『ごめんなさい』


一言。告白された側の生徒が、告白をした生徒達に向かって頭を下げつつ謝った。

告白をした側の生徒達は、涙を流しその場で崩れる者も居れば、『諦めないから』と言って去って行く者、放心状態に陥っている者と様々だ。

そんな様子を見た私は、さっさとその場を離れた。

後を追い掛けてきた和夏が、さっきの告白の事を話てきた。


「告白されてたのって、ウチのクラスの水上さんだよね?」

「そうみたいだね」

「彼女も人気あると噂聞いてたが、あそこまで人気とは。千草、機嫌悪そうだけど···ひょっとして、彼女より告白される人数少ないからって嫉妬してるの?」

「そんな事は無い」

「本当に? それにしては眉間に皺寄ってるよ」

「これは違う事でだよ」

「それなら良いけど」


私と水上さんは、見た目だけでも対象的だ。

私が男っぽい感じなら、水上さんは清楚なお嬢様な感じ。

成績や運動は同じだけれども、性格は正反対。

だからと言って、私と彼女の仲は悪いのかと言うと、それは無い。まぁ、私と彼女とでは一、緒に居る友達が違うと言うだけだ。そんな事を思いながら歩いていると、駅前のクレープ屋に着いた。


「和夏は、何にするの?」

「うーん、私はいつも通りのフルーツミックスかな。千草は?」

「私は新作のトリプルベリーだね」

「あぁ、千草ベリー系好きだもんね」


私達はそれぞれ好みのクレープを注文すると、出来るまでの間店の前に置かれている椅子に座って待っていた。


出来上がったクレープを受け取り食べ始める。やはりブルーベリーは美味しい。ラズベリーやクランベリーの酸味も丁度良い。

隣を見れば、和夏が今にも零れ落ちそうなメロンと格闘していた。微笑ましく思える光景を見つつ、残りのクレープも食べ終える。その後、和夏と他愛も無い話をして解散となった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ