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21 お茶会に行こう➀

「では行って来ますケイト」


「お嬢様行ってらっしゃいませ」



只今ウィンガード城に向かっています。

いやいや、天下一武道会じゃありませんて。

普通にお茶会ですってお菓子食いながらコイバナするんですよ今日は。ふふふ。


しかも今日はなんとリュカ君と二人で城に上がります。なんか結婚の報告みたい…なんて…いや…じょ、冗談ですが?(自滅)




「…リュカ、今日は一緒に来てくれて有難う。お父様が無理を言ったのではないかしら?」


「いえ、とんでもありません。ウィンガード城に上がる機会を与えて頂けるなど…とても光栄です!」




ジュリアンヌはてっきり執事長であるケイトが一緒に来てくれるものだと思っていた。


だって茶会初めてなんです。貴族の派閥的なアレとかマナー的なアレとかで不安いっぱいだった私を見て愉しげにパパンはこう言いました。


『何も心配することなどない、そんなものリュカが心得ておるわ!それよりもお前は既に騎士団員が束になっても敵わぬような戦闘力を持っているから我が魔法部隊にスカウトされるかもしれぬなぁアッハッハ!!……ああ、あとは毒の摂取には気を付けるのだぞ?お前にそこら辺の毒が効くのかは解らぬがな!アッハッハッハ!(大爆笑)』


パパンの中で私はいったいどんなゴリラなのかは少し気になったかな!




「お嬢様がお茶会に興味を持たれるなんて、少しお珍し……あっ…失礼しました……」


「フフフ……その通りねリュカ。籠って修行ばかりして見解が狭まってはいけないから…というところかしら?」


「なんて思慮深い……

あ、お嬢様、間も無くウィンガード城に到着致します…!」


つられて外に目を向けると雄々しくも美しいウィンガード城が直ぐそこにそびえ立っているではないか。



え、ちょ、感動しかないじゃん。


リアルウィンガード城まじ壮大過ぎて記念撮影不可避かよ…


*************




馬車を降りリュカと一緒に跳ね橋を渡り門番に案内状を見せると2人はすんなり中へ通された。


煌びやかな装飾を施した重々しい扉がゆっくりと開かれると、ジュリアンヌの前には幻想的で広大な中庭がどこまでも広がっていた。



中庭の左手には居館が、右手には別棟がそびえ立つ。

居館は王家の方のプライベートスペースで別棟は騎士団やら文官やらが駐在している。2人がサロンスペースに到着すると既に多くの貴族子息や令嬢が歓談していた。


お茶会にはドレスコードはないが、男子はプールポワンを、女子はワンピースを身に付けている者が多いようだ。






「あっ…!!」







「あら……」


「ジュリアンヌと……リュカじゃん!まさかお前が茶会に来るとは思わなかったわ!」



「エリオス様ご機嫌麗しゅう。御言葉使いは…宜しいのですか…?」


「…ご機嫌麗しゅう。ライオット様」



「ルイス家はかってーなー!ここには大人はいないから皆こんなもんだぜー?」


「そうなのですか……お恥ずかしいのですが、私このような場所は初めてなもので…」


「じゃあ俺が色々教えてやるよ。妖精の森のお礼だな!」


「有難うございます。宜しくお願いしますわ」



エリオス曰く、茶会の主催者に挨拶したらあとは適当に話して食事してれば良いらしい。


そして帰りたくなったら勝手に辞しと良いとのこと。予想外のフランクさに驚きだ。




「じゃあまずはラファエルに挨拶しに行こうぜ!」


「はい」




***



人波をかき分け3人は主催席へと辿り着く。


(あっ…!)


そこにはジュリアンヌの記憶よりも幼いラファエルが気だるげに座っていた。



「ラファエル!

彼女がジュリアンヌだ。俺がこの前話しただろ?」


「あぁ……貴女がそうなの」


「お初にお目にかかります殿下。私ルイス=ジュリアンヌと申します。本日はこのような素敵なお席に御呼び頂きまして光栄の極みに御座います」


「大いに楽しんでね」


「はい。有難き幸せで御座います」





「……硬いんだよジュリアンヌは!つーか、お前本当はそんなんじゃないだろ?だって従者連れて『妖精の森』に遊びに…」


「…エリオス様」(←エリオスの口を塞いだ)


「むぐっ………?!(速いなお前…!)」




「君が『妖精の森』に?……いや、そもそもあれはルイス家の領地か…」


「……!」



ちょ、王都のキッズの間で『妖精の森』パワーワードすぎん?…まぁ、あれか。『あの気味悪い空き家行こうぜ!』的なノリか。



「ねぇ。『妖精の森』は実際どのような場所なの?」


「多くの魔獣が住まい多くの薬草や果実が採取できる未開の豊土で御座います」


妖精のことは教えてあげません。イヤな予感しかしないので。



「ふぅん、文献通りか。じゃあ君は自由に行き来できるの?」


「はい。父の許可があれば…」



「じゃあ、僕も連れてってよ」


「!」




…今とんでもないワードが聞こえた気がしたんだけど…気のせいかなぁ…


…あ、気のせいじゃなかった。殿下にすっげレス待ちされてる。



「…承知致しました」


「有難う。エリオスも行くよね?」


「行く!というか、俺が先にジュリアンヌと行く約束してたんだからな?!」


「……」




「皆で行った方が楽しいしな。俺よりもラファエルの方が強いし、別に問題ないよな?」


え、や、問題しかないよ?(汗)

王子だからねこの人。

あんたすっごいフランクだけどこの国の王子だからね?



「…あぁ、気にしないで良いよ。ザックスには僕から伝えておくから」


「殿下御自らなど大変恐縮で御座います」


「…君は少し他の女の子たちとは違うね。女の子は大体僕のことを見ては顔を赤く染めて俯くし、僕からの『お願い』なんて言ったら()()()()()()聞き入るのに。やっぱりルイス家は違うなぁ」


「とんでも御座いません。殿下のあまりの精悍さに戸惑い、緊張でご尊顔が拝見出来ません」


「そうは見えないけどねぇ…まぁ良いんだけど。日取りが決まったら連絡するね」


「…承知いたしました」


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